- 2016年12月08日 16:40
韓国との海の話
日韓漁業協定についてのこの記事に私が何度か出て来ます。昔、外務省条約課で担当だったので、非常に関心が高いです。今回取材に来られたのも、以前、こういうブログを書いていたのが目に留まったのではないかと思います。
記事が良くかけているので基本的にはそちらを読んでいただければと思いますが、念のため、再度、水産庁、外務省から話を聞きました。まず、北部暫定水域については、カニ、イカがメインになります。カニについては北部暫定水域の東側が日本、西側が韓国という感じで、暗黙の了解による大まかな棲み分けをしているそうですが、やはり韓国側は乱獲で資源状況が悪くなってしまい、日本側に出てこようとする動きがあると言っていました。イカについても、それなりに棲み分けているようです。
ただ、韓国は一旦カニ篭を沈めてしまうと、そのまま放置してしまうため、日本が底引き網で漁業をしようとしても引っ掛かってしまって、非常に漁場が荒れ気味になっている事は変わっていないようです。漁具をほったらかしにすると、そこにカニが集まってきて、どんどん無意味に捕獲されてしまうゴースト・フィッシングも確認されているところです。足がもげたカニが獲れる事も多く、それらはどうしても市場価値が下がってしまいます。暫定水域での韓国の立ち振る舞いの悪さは本当に問題です。
そして、お互いのEEZへの相互入合については、今年度についてはまだ協議が整っておりません。聞いてみると、日本は済州島周辺でのサバ、韓国は長崎沖でのタチウオの操業を希望しているものの、記事にもあるように現時点では折り合っていません。ただ、韓国漁船の中には痺れを切らして入漁してくる者が絶えないようです。ルールに従わないやり方には拿捕という姿勢をきっちりと示すべきです。
あと、ついでと言っては何ですが、韓国と日本の大陸棚の仕切りについて警句を鳴らしておきました。日韓大陸棚南部協定については、共同開発区域が設けられています。この区域は日韓中間線から日本に迫り出した部分です(つまり、中間線の日本側部分)。何故、そんな譲歩をしたかと言えば、当時の国際法の考え方では大陸棚については自然延長論が主流でしたので、それを踏襲したからです。しかし、その後、国際法の世界では、相対する国の間で距離が400カイリ未満であれば、中間線で仕切るという考え方に変わっていきました。その考え方に従えば、今の日韓大陸棚南部協定は一方的な譲歩に見えてしまいます。
この協定、効力が50年なので2028年で期限が切れます。3年前、つまり2025年から交渉を始めることが出来ます。私は昔から「国際条約の中には『時限爆弾』的なものがある。最も差し迫ったのが日米原子力協定。その後に続きそうなのがこの日韓大陸棚南部協定。」と言っていましたが、現時点で発効してから38年ですから、あと数年もすれば本件が盛り上がってくるでしょう。共同開発区域では大した資源が出ないと言われています(7か所で掘ってみたけど目覚ましい結果は出なかったとの事)。ただ、お互いの主権的権利に関わる話ですので、今後、日本としてどういう考え方で臨んでいくのかはよく纏めておく必要があるとお役所側には伝えました。
日本と韓国の海の話は、ともすれば竹島の話がクローズアップされがちですけども、経済的な実利として言えばこの漁業、大陸棚の話は非常に重要です。注目はまだ低い中、今後も随時追っかけて、政府に対策を働きかけて行こうと思っております。



