- 2016年12月09日 09:00
トップ営業マンが実演! 「契約を取れる宴会術」
1/2宴会を仕切るには、仕事と同じくらいスキルが必要。店選び、席次から手土産まで、今回、現役の営業マン2人がその極意を披露。プレジデント編集部のために、鮮やかに宴席を仕切ってくれた。
酒が入る席を仕切るには、いつも以上に気遣いや段取りの技術が問われる。今回、ビール会社と生命保険のトップ営業マン2人が、その鮮やかな宴会術を披露してくれた。
実践から編み出されたその極意は次ページからに譲るが、まずは宴席を仕切るための基本マナーを確認しておきたい。企業秘書時代に“宴会部長”の異名をとった研修インストラクターの篠原あかねさんに、宴会を仕切る側の作法と心構えを聞いた。
画像を見るまず重要なのは店選びだ。参加者の分析が必須となる。居住区のエリア、年齢層、男女比、騒ぐのが好きな人たちかどうか、お酒メーンか料理重視か……などを考慮して候補を絞っていくが、その際に一番大事なのは「この宴席のテーマは何か」を意識すること。ゆっくり話がしたいのか、明るく同僚を送り出したいのか。目的によっても店選びは変わるはずだ。
会費制なら懐具合の分析も重要。「通常ビジネスマンが一回の宴席に使う金額は3000円前後」(篠原さん)だが、そこからメンバーを考慮して高低をつける。金額が決まったらその中で料理と酒の予算を配分する。食道楽の友人がいれば、協力を依頼するのもいいだろう。「基本は知っているお店を指定するほうが無難ですが、初めてのお店なら必ず下見、もしくは電話をして、従業員の対応を見ましょう」(篠原さん)。電話に出るのが早いか、復唱確認があるか、自分の名前を名乗ったかなど従業員の対応で店の質は十分はかれる。
店が決まっていざ予約となったら、「酒を飲むメンバーなので、料理のボリュームは減らしてその分質を上げてほしい」「盛り上がると思うので他のお客に迷惑のかからない席にしてほしい」など、こちらの要望を伝えて店と交渉する。無理強いは禁物だが、事前に交渉すれば、できる限りのことはしてくれるはずだ。
接待などで手土産を用意するときは、持ち帰りやすい小ぶりなサイズで日持ちするものを。限定品など希少なものが用意できれば特別感が出てなおいいが、デパートで包装してあるものなら十分だ。
そして、宴会当日。幹事がもっとも意識したいのは、時間管理である。
「時間通りに始まって終わるのが一番気持ちのいい宴会。タイムマネジメント能力が問われます。乾杯、余興、締めの時間を自分の中で決めておきましょう」(研修インストラクター 篠原あかねさん)
宴会開始の20分前には店に入って、コースや席次などをチェック。開始時間になったら、少人数でなければ遅れてくる人がいてもまずはスタートする。時間通りに来た参加者のテンションが下がってしまうからだ。
画像を見る始まったら、みんなが楽しんでいるか絶えず目配りを。大人数だと歓談の輪に入れず、ぽっかり一人になる人が必ずいるので、その人が周囲になじむためのアシストをしていく。
「初対面の人には料理の感想などを聞きながら、頃合いを見て近くの輪に話をふって、橋渡しするといいですね」(篠原さん)
会話のネタは星占いでも犬の話でも何でもいい。お互いの距離さえ縮まれば何でも話は弾んでくるものだ。また余興を促されたら、自信がなくても必ず何かやってみせるのが大事。慣れてきたら持ちネタをつくっておくといい。できる営業は、必ずネタを持っている。
宴会中、自分は飲まず食わずだと参加者に気を使わせる。相手のペースを追い越さない程度に楽しく飲み食いするのもマナーだろう。
私と飲んでいるときに、空のグラスはありえません!
かしこまった席でなくとも、数人の仕事仲間と飲むシチュエーションはよくあること。こういった場を生かして取引先と親密な関係になっておくことが、後々の仕事に響いてくるのだ。「週に3回から5回は仕事相手と飲みます」と微笑むアサヒビールの立野さんの気遣いは、凄い。画像を見る
アサヒビール 立野陽之さん
盛り上げ上手が鎬を削るアサヒビールの営業の中でも、その気遣いはトップクラスと囁かれる「接待の猛者」。立野陽之さんの仕切り方はまさにプロというべき、素晴らしいものだった。
「初めての相手は接待というと萎縮されるので『プロジェクト成功のお祝いを』とか『繁盛店の視察に行きましょう』など仕事を絡めて声をかけます」
その1回目で、相手の情報をこれでもかというほど頭に叩き込む。食べものの嗜好、雰囲気、お酒のペース、何杯目に何を注文したか、誕生日や家族構成……。その情報を次回からきっちり生かす。情報を基に好みの店を選び、「○○さんは2杯目からハイボールですよね」と飲み方のパターンを先に読んでオーダーする。誕生日にはケーキで祝福することも珍しくない。
「『そんなに気を使わないで』と言われるぐらいが丁度いい。一定のサービスを提供できている証明ですから」
酒好きにはとことん付き合う。何度も会うより一回朝まで付き合うほうが記憶に残るから。そうしているうちに、相手との距離は確実に縮まるという。
「実は接待で契約を取った、というのはそれほどないんです。でも、酒の席だからこそ本音を語ってもらえるし、少々の失敗で怒られなくなりました」
本来は人見知りで「妻の友達が遊びに来ても、挨拶もできない」。そんな彼だからこそ、人一倍の気遣いが可能なのかもしれない。
【3人~5人編】接待の極意
▼極意その1:なにより早く! 席を立ってでも注文
画像を見るドリンクはテンポよく届くことが何よりも重要。「男性なら1杯目は生ビールでほぼ間違いない。揃ったらすぐ全員分、頼んでしまいます」。もちろん相手の好みがわかっていれば、それを基にオーダー。店員が来なければ自ら立って注文にいく。
▼極意その2:料理のオーダーはお勧めメニュー中心。女性には希望を聞く
画像を見る料理の注文も主導権は自分。少人数ならお仕着せのコースよりアラカルトのほうが盛り上がる。店のキラーメニューと本日のお勧めを中心に注文すると、旬の食材や店の姿勢などが見えて話題が広がる。女性には注文の希望を聞いて、飲むペースなども配慮する。
▼極意その3:常に目配りを忘れず、相手の先を読んで行動
画像を見るグラスは空いていないか、料理は足りているか……常に目線を投げて状況を把握。グラスが3分の1になったら相手の好みを把握しておいて、しれっと次をオーダーしておく。また、定期的に視線を合わせるのも重要。相手は見られていないと疎外感を持つ。
▼極意その4:積極的にネタを披露して皆を楽しませる
画像を見る同じ取引条件であれば、面白い営業マンが選ばれるだろう。「お客様の芸者であれ」を心がける立野さんの得意技は、グラスにマイクをのせたエアピアノ弾き語り。トイレ戻りにトイレットペーパーで三角巾を作って「今、そこで転びました」も鉄板。
▼極意その5:飲み会ならではの“ホンネ”を聞いたら自分にメールしておく
画像を見る酒が入れば相手の本音が飛び出すもの。対応が必要なものもあるので、自分も酔って忘れそうならトイレに行くタイミングなどで要点を自分あてにメールしておく。酔ったときに肉筆で手帳に書き込むと、読み返せないこともあるので注意。
▼極意その6:大量に注文はNG。“皿は空”もマナー
画像を見る料理が残るのは自分の調整ミス。オーダー時に店員と適量か相談しながら食べきれるくらいの注文を目指そう。コース料理なら事前に「小食だから料理は3割カットで」「何品か抜いて質を上げて」など相談しておくと相手にも負担が少ない。
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