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DeNA南場会長「WELQを検索して愕然とした」~謝罪会見、4つの疑問

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疑問2:著作権侵害で問題になっていた人物をなぜ採用したのか

iemoとMERYの買収後すぐ、キュレーションプラットフォーム事業を立ち上げるタイミングで合流したメンバーの中には、その頃日本で著作権侵害が問題視されたため、運営サイトが閉鎖された関係者も混じっていたことが知られている。すでに著作権侵害で問題を起こしている人たちを採用したのはなぜなのか。

この質問に対し、守安氏は「そのように指摘されても仕方がない。著作権者に対する配慮を含め、当初の認識が甘かった」としか答えなかったが、続けて南場氏は以下のように話している。

「その意思決定をした場に私もおりました。問題のある個人を採用するのはどうなのか、と経営会議でも議論になりました。しかし問題を起こしたのは非常に若い人物で、私どもとしては、こうした問題を決して起こしてはいけないと思っています。ただ、その若者が、ネット上で大炎上して心を痛めている、大反省をしていて、すでにお詫びもしているというのであれば、もう一回チャンスを与えてみようじゃないかということで、『私に会わせてもらえないか』と経営会議で私自身が発言し、その人物にも会って確認したのです。

インターネット文化の発展のプロセスにおいて、こうした大きな間違いを起こしてしまった若者に再度チャンスを与える。これは安易に行ったわけではなく、経営会議でもそこが大きな論点となり、そういう人物を入れて良いのかと侃々諤々の議論がございました。

その意思決定よりも、採用した後に、当社としてしっかりと教育ができたのか。当社自身が結果として同じような過ちを犯してしまったということ、これはその後の私どもの認識の甘さだったと考えています」

疑問3:記事制作方法を変え、儲からなくなってもメディアを続ける意思はあるか?

DeNAのキュレーションサイトでは、コスト削減のために編集部を置かず、記事執筆は外部パートナーに委託し、独自取材を行わず他サイトから情報を持ってくることによって、コストを極めて安価に押さえてきた。

一般に、Webメディア事業のビジネスモデルは、広告収入から記事制作コストを引いたものが利益になる。広告収入以外にも大きな収入源があるのでもない限り、記事制作コストが高くなれば利益は大幅に減り、“おいしいビジネス”ではなくなってしまう。

広告収入以外にも、DeNAのキュレーションメディアには大きな収入源があったのか。また、今後他サイトから情報を持ってくるのをやめて、オリジナルコンテンツをつくるように路線変更し、記事制作コストが跳ね上がって利益が減ったとしてもこの事業を続けるのか? 筆者の問いに対し、守安社長は以下のように答えた。

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DeNA代表取締役社長兼CEOの守安功氏

「収入面に関して、一部MERYにおいてEコマースを行っていたので物販売上がありましたが、基本的には広告収入が大半です。そしてコンテンツ制作にコストをかけた場合ビジネスモデルとして成り立つのかという質問。まさにそこを我々が考え抜くことが必要だと思っているので、挑戦はしていきたいと思います。

結果として、これがビジネスモデルとして成り立たないということになるかもしれません。しかし現時点では、これもキュレーションビジネスと呼ぶのかということから考えないといけませんが、こうしたバーティカルなメディアをどうすればユーザーのみなさまにも喜んでいただき、世間のみなさまにも納得いただいて、ビジネスとしても成立するものができるかというところは考えていきたいと思っています」

DeNAにとって、メディア事業はもともと本業ではない。ビジネスとして成り立たなければ撤退する可能性があるということか? と問うと、守安社長はこう答えた。

「それはどの事業においてもだと思っています。弊社の事業すべてについて、当然営利企業ですから、投資期間をどれくらい見るかということでも変わってきますが、未来永劫利益を生む可能性が低いということであれば、事業から撤退するというのは必要な判断だと思っています」

疑問4:南場氏はWELQを見ていたのか。WELQの医療記事を見てどう思ったか

筆者の2つ目の質問は、南場会長に対してのものだ。創業社長である南場氏が2011年に社長職を退いたのは、夫である元USEN取締役・紺屋勝成氏ががんにかかり、その闘病に専念するためだった。キュレーション事業の買収や今回の問題、サイト閉鎖はすべて南場氏が現場を離れている間に起こったことである。

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DeNAの創業社長で現取締役会長の南場智子氏

会見が行われた2日前、12月5日に紺屋氏は亡くなられた。その南場氏にWELQのことを質問するのは非常に心苦しいものがあったが、それでもどうしても聞きたいことがあった。夫の闘病生活を支えるため、南場氏はおそらくネットで医療情報、特にがんについての情報を探したはずだ。その中で、WELQの記事を見たことがあったのか。そしてWELQの記事を見たとき、「医療情報がスマートフォンで手軽に検索できるのは良いことだ」と思ったのか、それとも「こんなずさんな情報がネットの検索上位に来るのはひどい」と思ったのだろうか? ……とても聞きづらい質問だったが、南場氏の答えは真摯なものだった。

「大変不覚なことでございますけれども、WELQのそういった情報提供について、まったく認識していませんでした。私は日々もちろん情報を探しています。家族の闘病が始まったときから、インターネット情報を徹底的に調べまして、インターネット上の(医療)情報がそれほど役に立たないとか、がんに効くキノコといったような話がでてきて信頼できないと2011年時点で思いました。そして私の情報収集は、論文と、専門家からのレクチャーを受けるということを中心にしていました。ただ毎日、同じ病気の患者さんのブログは毎日チェックしていました。

そして、この件を知ったのは、実は報道されてからなのですが、『がん』という言葉でWELQの中で検索をしてみて、いくつか出てきた記事を読んだときには『いつこういう重い情報を、医療情報を扱うようになったのか』ということで愕然としたという事実がございます。経営者として非常に不覚であったと……反省しております」

現場を知る人物が答えない限り、問題は何も解決しない

会見を通して強く感じたのは、守安氏は本当にメディア事業を行っている自覚があるのだろうかという違和感だった。DeNAのキュレーションサイトにおける記事作成プロセスは、明らかに著作権の侵害に当たるが、守安氏は会見中一貫して「著作権を侵害してはいけないということを基本方針にしていた」「著作権への配慮に欠けていた」「他サイトの権利を侵害しかねない」という言い方しかしていなかった。少し突っ込んだ質問に対しては「分からない」「第三者調査委員会の報告を待つ」としか答えない。

守安氏よりも具体的に問いに答えられる人がいるとすれば、それは今回会見に現れなかった、キュレーションプラットフォームの現場を統括する事業責任者だろう。DeNAのキュレーションプラットフォーム事業は、2014年にMERYとiemoを買収したことから始まっている。iemoは住まいやインテリアに特化したキュレーションサイトを運営する企業で、その代表だったのが村田マリ氏だ。現在村田氏はDeNAの執行役員として、MERY以外の同社のすべてのキュレーションプラットフォーム事業を統括する立場にあるが、今回これだけ大きな騒ぎになっているにも関わらず、現在もシンガポールにおり、日本には戻ってきていないという。

DeNAにとってメディア事業とは何なのか。今回指摘された問題点を一つ一つ解決し、本当に真摯にメディア事業に取り組んでいくつもりがあるのか。それはどのように進めれば実現できるのか。……今回の長い会見では出なかった答えに、DeNAは答える責任があるはずだ。

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