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  • ヒロ
  • 2016年12月07日 10:00

中途半端な着地になった民泊営業

しばし話題になっていたものの最近は一時のブームが過ぎ去った感すらある民泊。そんな忘れかけていた民泊の営業許可について国交省と厚労省が共同で発表したのは年間180日の営業を上限とするもので最低宿泊数は2泊3日とのことであります。

政府としては増大する訪日外国人の宿泊需要を満たすためにホテルのみではなく民間住宅の活用は重要なオプションであり、民泊を何らかの形で認めざるを得ないところまで追い込まれていました。

もともと民泊については戦略特区内の特例として認められる方針でした。そしてふたを開けてみれば大田区がその先鞭をつけたものの最低宿泊数は7日の上に許可をもらうのにとてつもないハードルが存在し、ほとんど普及しない状態でした。

一方、観光客でにぎわう京都などでは違法民泊を営業していた人が捕まるなど放置はしないという姿勢も見せつけ、行政の捌き具合に注目が集まっていました。

大幅緩和される方向にはなったものの直接ぶつかりあう旅館ホテル業界との調整が手間取り、ようやく落ち着いたのが180日であります。が、この180日も日経によると定義があいまいなようで「営業日数の180日」なのか、「宿泊者を受け入れた日にちが180日」なのか業界で更なるバトルが続いているようです。

仮に「営業日数の180日」ならばどうやってそれを証明するのか、極めて難しくなります。例えばウェブサイトに予約スケジュールを入れるなら予約不可能日(ブラックアウト)が185日なくてはいけません。ではそれはどうやって決めるのか、といえば管理が極めて困難になります。例えばある民泊は第二週と第四週だけ営業するとします。が、あるお客さんが第二週から第三週にかけて1週間泊まりたいとしたらどうしますか?ブラックアウトがあるのでダメです、というのでしょうか?

では「宿泊者を受け入れた日にちを180日」とする場合ですが、それを越えたかどう管理するのでしょうか?第三者の管理サイトを通じた場合にはデータが残るでしょうが、自分で直接集客した場合、証拠が残らない方法はいくらでもあります。では罰則規定があるとされる中でそれをどうやって見つけ出すのでしょうか?

かつてファッションホテルの脱税が話題になったことがあります。これを見つけて捕まえるのに国税はなんと水道料金から利用率を割り出したという古き良き時代もありました。今は客も風呂なんて入るのでしょうか?

究極の問題は180日が実に中途半端な日数であるということです。ビジネスにはなりにくく、主婦や高齢者の趣味の世界のようにも思えます。ところで先日、何人かで話していたのですが、絵に描いたような民泊って本当にワークするのだろうか、という疑問に対して異口同音に「居住者と第三者が同居する体制はほぼ無理。できる方法は不動産所有者が住まない空き物件を貸す方法ぐらい」で一致しました。

私ならどうひねるか、ですが、日本で空室率35%を誇るアパートの空室を利用はできないでしょうか?実はこんな発想が可能か、これは第三者の意見が欲しいところですが、抜け道的論理としての私の発想です。

民泊利用率180日を仮に年の50%とします。あるアパートには10室あります。年間の提供部屋数は3650部屋。これに対してアパートとして貸し出しているのが6部屋で残り4部屋が空きだとします。すると、空き室の年間総部屋数は1460室です。アパート全体の3650部屋に対する50%の民泊許容枠は1825部屋ですからこのアパート経営者は空室の4部屋を年間を通して全部民泊として経営できる計算になります。

ちなみにキーポイントはこのアパートは初めから全部民泊施設として登録することが肝心です。その上でたまたま、アパートとして6部屋貸したというロジックですね。同様な発想はシェアハウスでも出来てしまいます。

ではお前はそれをやるのか、といえばやりません。1部屋、2部屋ならともかくある程度の部屋数になるとこのビジネスは手間がかかります。鍵の受け渡しから洗濯、掃除までだれか専任で張り付きになります。ましてや外国人が多いとなるとコミュニケーションもたやすくありません。時間通り来ないのも外国人の特徴です。そこまで意気込みをもってやりたい人がやればよいでしょう。それこそ、中国人が中国人観光客に特化してやるのには好都合かもしれません。そういう意味では一部の人にメリットが偏りやすい体制を作ったかもしれません。

個人的にはこれが普及するのか大変注目しています。

では今日はこのぐらいで。

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