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2016年度流行語大賞を振り返る

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今年も「ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。年間大賞には「神ってる」が選ばれた。他にトップテンに入った言葉はこれだ。

ゲス不倫
聖地巡礼
トランプ現象
PPAP
保育園落ちた日本死ね
(僕の)アモーレ
ポケモンGO
マイナス金利
盛り土

さらに選考委員特別賞として
復興城主
が選ばれた。

リンク先を見る現代用語の基礎知識2017 [雑誌]
内田樹/木村草太/保阪正康/鈴木邦男/河西秀哉/室井滋/平田直/五野井郁夫/伊勢崎賢治/開沼博/永六輔/北中正和/姜尚中/伊藤真/金子勝/森永卓郎/清家篤/湯川れい子/今野晴貴/田部井淳子/森達也/やくみつる/佐藤優ほか
自由国民社2016-11-16



『現代用語の基礎知識』の「働き方事情」コーナーを担当させて頂いたご縁で、今年もパーティーにお招き頂いた。今年の流行語大賞と、そのパーティーを振り返ってみよう。

なんというか、実にバランスのとれたベストテンだという印象を受けた。今年は流行語が豊富な1年であった。相変わらず世間は騒がしい。会場でも「年に2回に分けるべきでは?」なんていう意見もあった。たしかに、上期に流行ったものを私たちはすっかり忘れてしまっている。一方、政治に偏りすぎたわけでもなく、さらには「なんだよ、それ?」と思うような言葉もなく。

しかし、奇妙なことではある。価値観の多様化、格差の拡大、社会の分断ということがかなり前から叫ばれている。今年は「国民的」なる言葉が、ますます死語に近づいた1年だとも解釈している。そんな時代に流行語がこれほど生まれ、それなりに浸透しているのは立ち止まって考えると不思議なことだ。

そもそも流行語大賞は「大衆的」なるものが崩壊しつつある時代に生まれたものだった。ある意味、この賞がますます影響力を持ってしまっていること自体が奇跡だとも言える。

参考までに、この対談も読んで頂きたい。
流行語大賞の「メディア陰謀説」は本当か 「集団的自衛権」「ダメダメ」W受賞はなぜ?
http://toyokeizai.net/articles/-/56483

ネットにより言葉が拡散する時代になったこと、そのネットは集団闘争の場であり他の集団との敵対関係が可視化され言葉を増幅させること(ヘイト的なことだけを言っているわけではない)なども言葉が生まれ、広がる要因ではある。

改めて今年は文春の年だった。圧倒的な取材力と、他メディアへの影響力。ノミネートされた言葉の中にも、文春そのものを指す言葉や、この媒体を起点としたものが多数見られた。

会場の様子で言うならば、ここ数年で最も感動的なパーティーだったように思う。なんせ「(僕の)アモーレ」の平愛梨が登場したこと、しかも涙のスピーチを行ったことが会場を感動に包んでいた。いや、本当に。「保育園落ちた日本死ね」に関連して登壇した山尾志桜里議員のスピーチも、首相に立ち向かう、問題提起する議員の姿勢が伝わり、感動的だった。年間大賞を受賞した「神ってる」の鈴木誠也選手の謙虚な様子も印象的だった。「復興城主」で登壇した熊本市長からの感謝の言葉も、会場を温かい雰囲気にした。

もっとも、別にバランスをとった優等生的なものだったわけでもない。昨年は政治的な言葉が多すぎないかという批判もあった。今年はそのような批判は見かけない。とはいえ、体制に迎合したようなセレクションでもない。

個人的には流行語大賞は、「受け取りたくない人」も含めて、ノミネートし、受賞させてナンボだと思っている。ノミネートされた語にも、受賞した語にもそんなものが含まれており、むしろ好感が持てた。関連して言うならば、今年は会場に現れた受賞者が少ない年だったという印象を受けた。本当に大忙しの人、逆に出てきたくない人にも渡しているというのは、この賞の真摯な姿勢が感じられる。まあ、以前は「なんでこの言葉でこの人が受賞?」という、かなり無理なものもあったのだが。

なお、今回から選考委員に鳥越俊太郎氏の姿がなかった。なんでも、都知事に立候補する際に選考委員を辞任したとか。今後、この選考委員に誰が入るのか。昨年、会場でお会いしたお世話になった方からは(自由国民社の関係者ではない)「そのうち、あの席には君と武田砂鉄が入るって信じてるよ。頑張れ」と激励されたのだが、果たしてそんな日はくるのだろうか。

話が拡散したが、久々にお祭り感と感動に満ちた流行語大賞授賞式だった。

・・・来年は自分が関わった言葉が、ノミネートされるといいなぁ。いや、これは物書きの夢よ、本当に。

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