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「指示待ち人間」はなぜ生まれるのか?

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■怒るか、感謝するか、そこが分かれ目

「指示」にはどうしてもあいまいさが残り、部下が自分で判断して行動せざるを得ないもの。そしてその結果を、ビシビシ「違う!」と怒ってしまうか、「そもそも指示があいまいですもん、ちゃんとできる方がビックリ。やってくれただけでありがたい」と感謝するか。そこが大きな分かれ道になる。指示があいまいなのに自分の考えと違うと言って怒るのか、指示のあいまいさを自分で考えて補おうとしてくれたことに感謝を述べるのか。それによって、スタッフの心理は大きく違ってくるらしい。前者だと怯えて全てに指示を出してもらおうとする。後者は次も自分で考えて補おうとしてくれるようになる。

指示はあいまいで雑にすればするほど、指示する方は楽。その代わり、指示があいまいなので、指示された側が誤解することも多くなる。誤解を補おうと自分の頭で考えてくれた時に、叱ってしまうか、「ありがとう」と言うか。それによって、指示待ち人間か自分で動く人間になるかが決まるのだろう。

私は図らずもおっちょこちょいなので、そもそも、一所懸命考えた指示でさえどこかあいまいなところがある。それを自覚しているので、あいまいさが原因で想定とは違う結果になっても、それは私の指示がいけないだけのこと。私が悪い。 指示があいまいなのにきっちり補ってくれたら、感謝感激雨あられ。指示があいまいだから失敗しても責める気にならない。あいまいな指示なのに自分で考えて補正してくれたら、なんてありがたい。そういう風だと、スタッフは自分で考えて補ってくれるようになるらしい。

「指示が少々あいまいな部分があっても、そこは自分で考えて補ってくれよ」という不満を伝えてしまうと、スタッフは「いや、無理だし。あいまいなんだから今回の解釈だってあり得るし。なのに叱られて理不尽。」と、これまた不満を持ってしまう。でも仕事だから逆らえない。結果、指示待ち。

優秀な人は、自分が部下の立場だったら、リーダーの気持ちを忖度してきっちり指示のあいまいなところも補ってしまう自信があるのだろう。とても私にはできない芸当。私が部下の立場の場合、根掘り葉掘り指示を仰ぐ。あいまいさが残らないよう「今の指示はこうも解釈できますけど」と突っ込む。

優秀だと部下が指示待ちになり、私のような融通の利かない不器用者だとスタッフが私より優秀になるという皮肉。しかし優秀な方は、私のやり方を真似ることもできるはず。そうすれば優秀なリーダーに優秀な部下。もう鬼に金棒。

自分の頭で考えるスタッフになってもらうには、
 
・リーダーの考えを折に触れて伝える。
・後はスタッフに自分で考えて行動してもらう。
・意図と違う結果になっても「あいまいだもん、しょーがない」とし、改めてリーダーの考えを伝え、次回から軌道修正してもらう。

を繰り返すこと。

■最初から優秀な人間などいない

失敗を許容するゆとりがあれば、むしろ自分の頭で考えて失敗するリスクを採った勇気をたたえれば、人は指示待ち人間でなくなる。人は皆、最初から優秀なのではない、失敗を繰り返しながら能力を育てていくのだ、と考えたほうがよいのかもしれない。

世界一足の速いボルトだって赤ん坊のころはハイハイから始め、歩き出しても転んでばかりだったはず。「自分の頭で考えて行動する」スタッフに育ってほしいなら、少なくとも最初のうちだけは、自分の頭で考えて行動したこと自体を称揚し、少々の失敗を許容するゆとりが必要なのだろう。

「あいまいな指示だったのに、よく自分で考えて補おうとしてくれましたね。ありがとう」。 それが言えれば、次からはリーダーの気持ちを忖度して行動しようとしてくれるはず。そうすれば、指示待ち人間ではなくなっていくのではないか。

「指示待ち人間」が生まれるのは、指示を出す側が、結果に対してどのような態度を示したかが決定打になるのかもしれない。失敗に対してゆとりある態度をもてる社会になれば、指示待ち人間は、もしかしたらびっくりするほど少なくなるのかもしれない。

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