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トランプをレーガンと比較することだけは、やめておけ! 本人の信条の面でも、政策の面でも、経済環境の面でも、類似性は無い

ドナルド・トランプが大統領に当選して以降、日本では「レーガノミックスの再来か?」という待望論がおきています。

アホ!

自分がたまたまレーガンしか知らないから、なんでもレーガンと比較したがる。www

でもトランプとレーガンでは、本人の信条でも、打ち出した政策の面でも、経済環境の面でも、類似性はまったくありません。

ロナルド・レーガンはイリノイ州のトウモロコシ農家に生まれました。見渡す限り、数十キロも、延々とトウモロコシ畑が広がっている……そういう環境です。

だから幼少の頃から、ひとりぼっち。

一人で居ることにカムファタブルで、自分の殻の中に閉じこもって瞑想すれば、あとは何にも必要ない……レーガンは、そういう性格でした。

だから質素を最上とし、友達もいません。唯一の友達は、奥さんのナンシーだけです。それでもレーガンは、一瞬たりとも寂しいと思ったことは無いのです。

レーガンは幼少の頃、成績が「オール5」で、それが原因で仲間外れにされました。だから自分が頭が良いことをひけらかすことは避けました。能ある鷹は爪を隠すというわけです。

大統領になった後も、マスコミや外国の要人は「レーガンは俳優出身だから、馬鹿だろう」と甘く見ていました。しかしレーガンは、実はめちゃくちゃ頭が良かったのです。たんにバカなフリをしていただけです。

このようなレーガンの美意識に対し、トランプは正反対で、自分の富を誇示し、奥さんを誇示し、リア充を世界中に喧伝せずにはおれない性格です。

レーガンが打ち出したのは「小さな政府」という概念です。つまり政府が社会福祉などにしゃしゃり出て、ああでもない、こうでもないと国民の面倒を見るのは、国民の自立の気風を殺ぐと考えたわけです。

これに対してトランプは「大きな政府」を標榜しています。「社会福祉制度にはタッチしない。いまのままでよい」ということをいち早く選挙公約にしていましたし、インフラストラクチャ投資で需要を創りだすと言っています。

さらに言えばレーガンが大統領になった時のアメリカが置かれていた経済環境も全然違います。レーガンが大統領に就任したときのフェデラルファンズ・レートは19%です。

画像を見る

レーガン政権が終わる頃のFFレートは9%だから、基調として、急激な金利低下局面だったということです。

レーガンが大統領になった頃はイラン革命の後の狂乱インフレで、「ドルの守護神」、ポール・ボルカーがFRB議長に就任し、政策金利をぎゅうぎゅう引き上げました。

それと比べて、現在の0.50%というFFレートは、そもそも環境が全然違うのです。

むしろ過去と比較するなら、いまは1972年頃の状況に近いです。つまりリチャード・ニクソン大統領の時代です。

「トランプはレーガノミクスの再来」……

こんな我田引水で低次元の議論は、アメリカには存在しません。そこんとこ、くれぐれも、ヨロシク。

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