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八ッ場ダムの現場から、川原湯温泉の秋(3)

 そもそも私が川原湯温泉を訪ねたのは、天気のよい連休に、一度は出かけてみたかったからでした。行き先にここを選んだのは、日帰りによさそうだし、ついでに話題の現場も見られるという程度の期待でした。結果として思ったより広く周辺を歩いたのは、温泉入浴だけでは時間が余ったからとも言えます。

 はっきり言って町はさびれています。駅前にはタクシーの常駐もなく、駅前食堂は3連休にもかかわらず休業でした。歩いて15分ほど坂を上る温泉街には、土産物店が2軒と、食堂は1軒が開いているだけでした。数軒の旅館は営業していて「日帰り入浴もどうぞ」と表示しており、立派な共同浴場もありました。内湯のほかに露天風呂もあり、入浴料300円、同額の追加で畳の部屋での休憩もできます。湯は硫黄泉で、箱根大涌谷と似た湯の香がただよいます。

 温泉街上端の「新源泉」は温度80度だそうで、共同浴場で売っている生卵をザルに入れて浸すと「温泉卵」がゆで上がります。その横には無料の「足湯」も設けられていました。その他に「聖天様露天風呂」という混浴風呂もあると案内には書いてありますが、そこまでは行きそびれました。

 温泉街からさらに道を上ると、忽然として不似合いに立派な道路とトンネルが現れます。将来の湖岸道路と移転先リゾート予定地に入るのです。両方に土地を確保して、二重生活に苦労しているという話も聞きました。

 この秋、なるべく多くの人に川原湯温泉を訪ねていただきたいと思います。まず現状をよく知って、抹殺されるかも知れない渓谷の風景をよく見てください。まず、ダム本体工事の着工を阻止して、自然保存と地元振興の調和をはかるべきだと私は思います。

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川原湯温泉駅ホームからの風景です

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帰路は休日運転の特急「リゾートやまどり」に乗りました。孫の説明によると最新鋭の豪華列車だそうで、全車指定席、3列シートで1両の定員が27名という、ゆったりした作りでした。各車両にフリースペースも設けられていて、子供連れには最適です。在来線の普通自由席特急券に510円プラスで乗れました。

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