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  • 階猛
  • 2016年11月29日 08:06

まさに「踏んだり蹴ったり」-法務委質疑

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25日、法務委員会で民法改正案の質疑を行いました。前回質疑でも取り上げましたが、今回の法案では、保証人を保護するため、事業資金の借入れにつき個人が保証する場合、原則として保証人の意思に基づく公正証書の作成が必要とされます。しかし、夫の事業を手伝っている妻が、事業で抱えた借金の保証人となるような場合、保証は常に有効です。

これにより、極めて理不尽な事態が放置されます。すなわち、夫が一念発起して立ち上げた事業が当初うまく行かず、「糟糠の妻」が仕事を手伝ったり夫の借金の連帯保証をしたりしてようやく軌道に乗ったとします。ところが、調子に乗った夫が他の女性と親密になり、夫婦関係が破たんするという「ゲスの極み」のようなことが世の中では時折あります。そして、一時は軌道に乗ったかに見えた事業も(天罰が下って?)うまく行かなくなり、資金繰りに行き詰まると、なんと連帯保証人になっていた妻が夫の借金の返済を迫られることになるわけです。夫によって一度ならず二度までも不幸な目に遭う妻の立場からしてみると、まさに「踏んだり蹴ったり」と言わざるを得ません。

最高裁の有名な判例の中に、昭和27年の「踏んだり蹴ったり事件」があります。夫が自ら不倫して婚姻関係が破たんしたにもかかわらず、妻との離婚を認めるよう裁判所に訴えたのですが、最高裁は「このような請求が認められると妻は踏んだり蹴ったりである」として夫の訴えを退けました。

質疑において、私は上記のような事例を示し、今回の改正案では「平成の踏んだり蹴ったり事件」が起こりかねないと再考を求めました。しかし、法務省は「離婚前の債務は保証の対象になる」と、妻にとって酷な答弁を繰り返すのみでした。このような理不尽な事態を改めるには、個人保証は原則として無効とし、会社の借金をその経営者が保証するような場合のみ例外的に有効とすべきです。法案の修正は不可欠と考えます。

最近の安倍首相も「踏んだり蹴ったり」の心境ではないでしょうか。トランプ次期大統領のご機嫌を取るため、わざわざニューヨークの自宅まで行って高価なゴルフクラブをプレゼントしたものの、その直後、トランプ氏は改めてTPP離脱を表明。これでは、何のために衆議院でTPPを強行採決し、いち早くトランプ氏に会いに行ったのか分かりません。

一方、TPPへの首相の無意味な執着によって国会審議が進まず、老後の生活を左右する「年金カット法案」は、政府から十分な説明もなく衆院厚生労働委員会で強行採決されました。国民に重要な事実を明らかにしないまま、TPP、年金カット法案と強行採決を繰り返す安倍政権。一番「踏んだり蹴ったり」な目に遭っているのは国民にほかなりません。

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