- 2016年11月29日 09:00
マクドナルドはなぜ急速に業績回復できたのか?
1/32014年、2015年とどん底を味わった日本マクドナルドが、ビジネスリカバリープランの実施に伴い復活しつつある。サラ・カサノバ氏が日本マクドナルド社長に就任して以来、同社はどう変わったのか? 「スマイル0円」復活、戦略的閉店、店舗への投資など、復活の道筋について取材した。
2014年7月、中国メーカー製の期限切れチキンナゲットを販売したとして大きな打撃を受け、さらに2015年1月に相次いだ異物混入問題がさらに深刻な客離れを起こした日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)。1971年の創業以来、45年にわたって日本のハンバーガー文化をリードしてきた同社だが、しばらくは業績不振から抜け出せないのではないかと見られていた。
ところが、先頃発表された2016年1月~9月の連結業績を見ると、全店売上高は対前年比17.2%増、経常利益は前年同期比257億円改善し34億円の黒字となった。これで4四半期連続で既存店売上高が前年比プラスになるなど、マクドナルドは急速に業績回復を遂げている。
画像を見る“王者”マクドナルドはどのように急回復をなし得たのだろうか? ファウンダーの藤田田氏をはじめ、八木康行氏、原田泳幸氏、サラ・カサノバ氏という歴代社長のもとで働き、現在は代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)を務める“マクドナルドの大番頭”下平篤雄氏に話を伺った。
2015年策定「ビジネスリカバリープラン」とは
――マクドナルドがどのように業績を回復してきたかについて伺います。先日、決算報告と一緒に配布された資料に、昨年(2015年)策定された「ビジネスリカバリープラン」が掲載されていました。▼ビジネスリカバリープラン4項目のうち、特に最初の3つについてお伺いしたい。まず、「よりお客様にフォーカスしたアクション」とは、具体的にどのようなことでしょうか?
(1)よりお客様にフォーカスしたアクション
・メニュー
・バリュー
・お客様とのつながり
(2)店舗投資の加速
(3)地域に特化したビジネスモデル
(4)コストと資源効率の改善
【下平】はい。我々がまず着手したのは、お客様の声を聞くきちんと聞く体制や組織を作ることです。サラ・カサノバは昨年(2015年)1年間で47都道府県すべてに足を運び、お客様から直接さまざまな声を聞いています。特に、お店に来ていただけなくなったファミリーのお客様からは数時間にわたって改善点を聞きました。厳しい意見もありましたし、新たな発見もありました。こうしてお客様とコミュニケーションを行う機会を作ることが我々には重要だったのです。
画像を見るサラ・カサノバ社長は2015年、47都道府県すべてを回り、顧客から直接改善点をヒアリングした。テーブルの左端に座っているのがカサノバ氏。
画像を見る
日本マクドナルド 副社長兼COO(最高執行責任者)の下平篤雄氏。1978年に日本マクドナルド入社。以来、歴代の社長の下で働いてきた人物である。
――どのような声が届きましたか?
【下平】品質に関するものが一番多かったです。社内で行ってきた取り組みをお客様に説明したのですが、なかなかご理解いただけなかった。それが我々にとっては発見でした。例えば原材料の産地やアレルギーに関する情報は以前から公表していましたが、ホームページで公表してもお客様の目には止まりません。それは我々のおごりでした。そこでQRコードを包装紙につけ、携帯ですぐに情報を見られるような「Mom's Eye」という仕組みを作りました。
また、品質管理は世界基準に照らし合わせて努力していたつもりでしたが、もっとレベルを上げなければいけないと痛感しました。それから、すべてのサプライヤーさんにご協力いただいて、生産からお店までのプロセスをすべてチェックし直しました。もともと行っていたことなので大きな変更はなかったのですが、チェックの頻度をアップするなど万全の態勢で100%の品質を目指しています。
私どもの意見だけでは自己満足になってしまうので、第三者機関「食品安全専門会議」を設置しました。また、すべてのサプライヤーさんが参加する「食の安全サミット」を2回開催しています。12万人の店舗スタッフにも再度、品質管理についてトレーニングしてもらいました。第三者機関による全店舗の抜き打ちテストも2回行っています。とにかく、やれることは全部やりました。
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