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勝山実「安心ひきこもりライフ」を読む

 「安心ひきこもりライフ」(勝山実・太田出版・単行本)を読みました。前回の老人党護憲+の例会で、「ひきこもり名人」を名乗る著者から、親しくお話を聞くこともできました。自らの経験を通して「ひきこもりでも幸せに生きられる世の中」への提言をしています。

 現在39歳、高校3年からひきこもって中退し、もちろん家族および社会との激烈な闘争を経験した上で、「ひきこもり涅槃」にいたる安らかな道を指南するまでになりました。その著書は、同じ悩みを持つ人たちへの絶好のガイドブックであるとともに、現代の文明社会を根本から問い直す問題提起にもなっています。

 20歳を過ぎるまで決められた通りに学校へ通い、それが終ったら就職して、決められた通りに毎週40時間働いたら初めて一人前の人間になれるなんて、いったい誰が決めたのでしょうか。それを苦手とする人間は、なんとか落ちこぼれまいとして必死の努力を強いられる。しかし無理を重ねて「人並み」にしてみても、劣等と見なされて苦しむだけです。

 そこから救われる道はなにか。次の言葉に耳を傾けてください。

(以下引用)

 「働きたくない」は、怠けではありません。怠けとは人類が憧れる夢の世界、ユートピアです。怠けたいを実現するために科学は発達してきました。楽をしたいという健全な欲求を満たすために人類は進化してきたのです。

(引用終り)

 それでは少しばかり進化しすぎた「ひきこもり」たちを、社会はどのように受け入れたらいいのでしょうか。「半人前公務員」という、注目すべき提言がありました。たとえば週3回、4時間ぐらいなら働ける人を公務員として採用する。給与は5万円ぐらいにして、4人で一人前の仕事をさせればよい、というのです。もちろん民間でもいいのですが、要はこれを働き方として天下に公認するということです。

 現代人は何のために働いているのでしょうか。みんなが正しく怠けたら、戦争はなくなるし、なくてもいいもの、あっては困るものを作り出すこともなくなると著者は言っています。幸せに生きるとはどういうことなのか。ひきこもる人々は、人類を救う先覚者かもしれないのです。間違いなく、仏陀もその一人でした。

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