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長野県大鹿村、工事責任者は姿をみせず――リニア起工式に住民が抗議

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「リニアは誰のために走るの?」などのプラカードを掲げて起工式に抗議。(撮影/樫田秀樹)

11月1日。南アルプスの西端に位置する長野県大鹿村で、2027年開通予定のリニア中央新幹線の起工式が執り行なわれた。昨年12月には南アルプス東端の山梨県早川町でも起工式が執り行なわれ、事業者であるJR東海は、今後、本州の山塊で唯一人工的な横断工作物がない南アルプス(約25キロメートル)に長大なトンネルを穿つ(静岡県の部分は未着工)。

起工式には、リニア計画に納得していない県内外の住民約50人が集まり「リニア反対」などの横断幕を掲げての抗議活動を行なった。

従来、JR東海は大鹿村民に「地元の理解がなければ着工しない」と約束していた。ところが今年4月の住民説明会で突如「住民が理解したかどうかは事業者が判断する」と言葉を変えた。

村ではトンネル工事から排出される膨大な建設残土を運ぶダンプなどが一日最大1736台、10年間狭い道を走り回る。粉塵、騒音、振動、排気ガス、交通事故や観光への影響に不安を抱く住民は多く、理解とは程遠い状態だった。

だがJR東海は、10月14日の説明会で、住民から疑問の声が上がっていたのに、閉会後、記者団に「住民理解は得られた」と公言し、19日には工事開始後の取り決めを明記した確認書を村と締結した。そして、着工への最後の手続きである村議会での決議が注目されたが、21日、4対3の僅差でリニア着工が可決されたのだ。

市民団体「大鹿リニアを止める実行委員会」の宗像充代表は「僕たちは理解も同意もしていない。工事責任者を出してください!」と起工式会場の入り口で訴えた。2014年にリニア計画を国土交通省が認可する際、太田昭宏国交相(当時)は「住民への丁寧な説明を」との措置をJR東海に求めた。だが宗像代表が「僕たちは一度も丁寧な説明を受けていない」と言うように、この日、とうとう責任者は姿を現さなかった。

(樫田秀樹・ジャーナリスト、11月11日号)

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