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- 2011年07月04日 17:38
医療現場での「曖昧さ」 2
前回と関連した記事なので、連番となっています。
前回の記事では、
どうしても払拭することのできない医療の根幹にある「曖昧」さをテーマにしました。
今回は少し方向を変えて、
医療現場での、
まだ改善しうる「曖昧」さについて書こうと思います。
広い意味を持つ言葉として「曖昧」という言葉を使っていますが、
今回はむしろ「曖昧」というよりは、
「不備」という言葉を使った方が適切かもしれません。
このブログを読んでくださっている方は、
もしかすると入院経験のある方の方が多いかもしれません。
入院したことのある方であれば、
入院中に様々な疑問や憤りを感じたこともあるでしょう。
特に、
医療現場では医療従事者間の意識の統一や、伝達の不備があることがまだまだ多いです。
一枚岩で、
誰に聞いても統一した返事が返ってくるのであれば、
患者さんは安心するのでしょうけれど、
実際はそうではないことが多いです。
これは入院患者さんを不安にする原因の一つであると昔から感じていますが、
その原因は病院のシステムそのものにあります。
病院という職場はどうしても多職種がおり混ざった形となります。
医師、看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、ソーシャルワーカーなど、
様々です。
これらの職種の人々がそれぞれ、
患者さんに接することになるのですが、
そうすると結果として、
「○○先生に聞いた事と看護師さんに聞いた事が違う」
とか、
「看護師さんにはいいと言われたのに、リハビリの先生にダメと言われた」
であったり、
患者さんからすれば ?? となるような事態が起き得ます。
さらには、
医師は入院中に担当が変わる事はあまりないですが、
看護師に関しては日によって担当が変わるシステムの病院がほとんどでしょう。
そうすると、当然、
「昨日の看護師さんと今日の看護師さんで言う事が違う」
というようなことも起きます。
こういった様々な不一致が起きると
、
たとえ実害がなかったとしても不安は増大し、
信頼は失われます。
もちろん、
どこの病院でも決して伝達のミスなどがあってはいけない場面、
たとえば薬剤の投与量や方法などなど、
ではより厳重なシステムとなっているため、
まずこういった不一致は起きません。
当然、こういったミスが起きれば問題として挙りますし、
薬によっては本当に命に関わることもあることですから、
これらは二重三重、細心の注意を払って伝達が行われます。
そういった意味で、他にも同様に絶対に外してはいけないラインでの安全は当然、
保たれているのですが、
それ以外の細かな意思統一といった面では不十分な面が多いです。
医師看護師間であれば、
普段からコミュニケーションをとっているのでまだますなのですが、
それ以外の職種を交えて、
皆で意思統一を計るというようなことをやっている病院は少ないです。
当然、こういうことは病院の機能評価などでも評価される項目ですが、
実質的に、こういったコミュニケーションが満足にとれている病院なんてほとんどありません。
医師も看護師も基本的には多忙ですし、
それに加えて他職種もあわせて一同に会することは難しいのです。
病院によってもちろん差はありますが、
他職種間で意見交換のために十分な時間がとられている病院はほとんどないでしょう。
絶対に外しては行けない情報に関しては共有し、
それ以外に関してはお互いが自分の範囲で仕事をするという形式がとられがちです。
そうすると、
ある患者さんに対する情報の共有が十分にできません。
たとえば、
「医師がリハビリの進行具合をあまりよく知らない」
というような診療に必要な情報の共有さえ、
満足でないことがあります。
特に、未だに紙カルテを使っていて、
医師とリハビリ科でそれぞれ独自に別々のカルテを使っている、
というような場合、
医師側からリハビリのカルテを参照することは実際困難です。
電子カルテによって全ての職種がそれぞれのカルテを自由に閲覧できる病院であれば、
情報の共有はスムーズになりますが、
未だに大病院でも紙カルテに依存しているところが多いのがこの国の医療の現状ですから、
なかなかこういったシステム上の不合理性は良くなりません。
一般企業などと比べても、
どうしてこんなに医療機関のインフラが整うのは遅いのだろう??
といつも思います。
人の命を扱っている以上、
最もそういったシステム面が整備されなければいけないと思います。
医者というのは比較的外の世界の常識に疎い人種ですので、
そういった医者をトップとして病院が動いていることが一つの原因かもしれませんし、
そもそもは財政的に弱いことが元凶かもしれません。
このあたりは恐らく改善しうる点でしょう。
しかし、
たとえインフラが整って電子カルテ化されたとしても、
細かいところまでの意思統一というのは難しいように思います。
医療は人と人の関わる仕事ですから、
感情面なども含めて、本当は細かな連携が必須な仕事です。
しかし、他職種入り乱れ、
担当も毎日変わるようなシステムではそういった細かな連携は難しいでしょう。
医療従事者が皆ロボットで、
ネットワークを通じてそれぞれの経験などが自動配信で共有できるようでなければ、
完全な連携はあり得ません。
医療は恐らく、いつの時代になっても人間がやるものなので、
これも当然非現実的ですね。
これらを出来る限り解決する方法があるとすれば、
患者さん一人一人に対して医療チームを専属の固定メンバーとし、
細やかに話し合いや連携をとることかもしれません。
ただ、
皆さんお気づきの通り、これは人的資源の面からも、
財政面からも実際には無理です。
現実的には電子カルテによって、
それぞれの情報に自由にアクセスできる環境に加えて、
少しでも専属に近いような形をとることくらいしかできないでしょう。
病院内の他職種間で生まれる医療上の「曖昧」さに関しては、
こういった努力やシステムの変更で可能な限り減らせるものと信じていますが、
現在の医療現場を見る限りは、
まだまだ、改善しなければいけない事が多いように思います。
前回の記事では、
どうしても払拭することのできない医療の根幹にある「曖昧」さをテーマにしました。
今回は少し方向を変えて、
医療現場での、
まだ改善しうる「曖昧」さについて書こうと思います。
広い意味を持つ言葉として「曖昧」という言葉を使っていますが、
今回はむしろ「曖昧」というよりは、
「不備」という言葉を使った方が適切かもしれません。
このブログを読んでくださっている方は、
もしかすると入院経験のある方の方が多いかもしれません。
入院したことのある方であれば、
入院中に様々な疑問や憤りを感じたこともあるでしょう。
特に、
医療現場では医療従事者間の意識の統一や、伝達の不備があることがまだまだ多いです。
一枚岩で、
誰に聞いても統一した返事が返ってくるのであれば、
患者さんは安心するのでしょうけれど、
実際はそうではないことが多いです。
これは入院患者さんを不安にする原因の一つであると昔から感じていますが、
その原因は病院のシステムそのものにあります。
病院という職場はどうしても多職種がおり混ざった形となります。
医師、看護師、薬剤師、放射線技師、理学療法士、ソーシャルワーカーなど、
様々です。
これらの職種の人々がそれぞれ、
患者さんに接することになるのですが、
そうすると結果として、
「○○先生に聞いた事と看護師さんに聞いた事が違う」
とか、
「看護師さんにはいいと言われたのに、リハビリの先生にダメと言われた」
であったり、
患者さんからすれば ?? となるような事態が起き得ます。
さらには、
医師は入院中に担当が変わる事はあまりないですが、
看護師に関しては日によって担当が変わるシステムの病院がほとんどでしょう。
そうすると、当然、
「昨日の看護師さんと今日の看護師さんで言う事が違う」
というようなことも起きます。
こういった様々な不一致が起きると
、
たとえ実害がなかったとしても不安は増大し、
信頼は失われます。
もちろん、
どこの病院でも決して伝達のミスなどがあってはいけない場面、
たとえば薬剤の投与量や方法などなど、
ではより厳重なシステムとなっているため、
まずこういった不一致は起きません。
当然、こういったミスが起きれば問題として挙りますし、
薬によっては本当に命に関わることもあることですから、
これらは二重三重、細心の注意を払って伝達が行われます。
そういった意味で、他にも同様に絶対に外してはいけないラインでの安全は当然、
保たれているのですが、
それ以外の細かな意思統一といった面では不十分な面が多いです。
医師看護師間であれば、
普段からコミュニケーションをとっているのでまだますなのですが、
それ以外の職種を交えて、
皆で意思統一を計るというようなことをやっている病院は少ないです。
当然、こういうことは病院の機能評価などでも評価される項目ですが、
実質的に、こういったコミュニケーションが満足にとれている病院なんてほとんどありません。
医師も看護師も基本的には多忙ですし、
それに加えて他職種もあわせて一同に会することは難しいのです。
病院によってもちろん差はありますが、
他職種間で意見交換のために十分な時間がとられている病院はほとんどないでしょう。
絶対に外しては行けない情報に関しては共有し、
それ以外に関してはお互いが自分の範囲で仕事をするという形式がとられがちです。
そうすると、
ある患者さんに対する情報の共有が十分にできません。
たとえば、
「医師がリハビリの進行具合をあまりよく知らない」
というような診療に必要な情報の共有さえ、
満足でないことがあります。
特に、未だに紙カルテを使っていて、
医師とリハビリ科でそれぞれ独自に別々のカルテを使っている、
というような場合、
医師側からリハビリのカルテを参照することは実際困難です。
電子カルテによって全ての職種がそれぞれのカルテを自由に閲覧できる病院であれば、
情報の共有はスムーズになりますが、
未だに大病院でも紙カルテに依存しているところが多いのがこの国の医療の現状ですから、
なかなかこういったシステム上の不合理性は良くなりません。
一般企業などと比べても、
どうしてこんなに医療機関のインフラが整うのは遅いのだろう??
といつも思います。
人の命を扱っている以上、
最もそういったシステム面が整備されなければいけないと思います。
医者というのは比較的外の世界の常識に疎い人種ですので、
そういった医者をトップとして病院が動いていることが一つの原因かもしれませんし、
そもそもは財政的に弱いことが元凶かもしれません。
このあたりは恐らく改善しうる点でしょう。
しかし、
たとえインフラが整って電子カルテ化されたとしても、
細かいところまでの意思統一というのは難しいように思います。
医療は人と人の関わる仕事ですから、
感情面なども含めて、本当は細かな連携が必須な仕事です。
しかし、他職種入り乱れ、
担当も毎日変わるようなシステムではそういった細かな連携は難しいでしょう。
医療従事者が皆ロボットで、
ネットワークを通じてそれぞれの経験などが自動配信で共有できるようでなければ、
完全な連携はあり得ません。
医療は恐らく、いつの時代になっても人間がやるものなので、
これも当然非現実的ですね。
これらを出来る限り解決する方法があるとすれば、
患者さん一人一人に対して医療チームを専属の固定メンバーとし、
細やかに話し合いや連携をとることかもしれません。
ただ、
皆さんお気づきの通り、これは人的資源の面からも、
財政面からも実際には無理です。
現実的には電子カルテによって、
それぞれの情報に自由にアクセスできる環境に加えて、
少しでも専属に近いような形をとることくらいしかできないでしょう。
病院内の他職種間で生まれる医療上の「曖昧」さに関しては、
こういった努力やシステムの変更で可能な限り減らせるものと信じていますが、
現在の医療現場を見る限りは、
まだまだ、改善しなければいけない事が多いように思います。



