記事

COP16

 ポスト京都議定書の地球温暖化対策枠組みを議論するCOP16が閉幕しました。いろいろな議論はあろうかと思いますが、今回の結果は今の時点ではベストに近いものではないかと思われます。

 前回のブログでも指摘しましたが、今や科学的な議論ではなく政治的な綱引きが行われている状況となっていることを考えれば、今後のわが国の取るべき方向は以下のポイントに絞られるのではないでしょうか。

(1)基本方針としてAPP(アジア太平洋パートナーシップ)のようなエネルギー原単位に基づく削減枠組みを軸とすること。またその際には評価基準は絶対値とし、技術の移転はビジネスベースで行われるべきであること。途上国への支援は技術供与ではなく、先進国等からの拠出で基金などを創設して途上国がビジネスベースで技術の移転を求める際にその基金からの資金供与を行うこと。

(2)これまでのように先進国と途上国という二元論ではなく、先進国及び新興国と途上国という責任の分け方に今後転換していくべきだとの主張を強く行うこと。

(3)こうした方向性を支持する国々に対してのODAをはじめとする経済協力を厚くし、逆に反対する中国等に対しては今でも供与が続いている環境協力を一切停止しビジネスベースでの取引に限定すること。

(4)過渡的に総量規制の相対値での規制を取り入れる場合でもその基準年は1990年でなく2010年にすべきこと。

 こうした方針で今後の環境外交を戦略的に行っていくことを期待したいと思います。

 「今の状況を打開するために地球全体でどのくらいの温室効果ガス排出量を削減すべきか」という科学的な検証を行い、数値を確定させ、しかる後にその総量に達するためにどの分野でどのくらいの削減をすればそれに達するのかという議論を科学的な効率性、実現可能性に基づいて行う。これが今必要な議論です。

 IEAの研究でも、少なくとも今あるベストな技術(その多くは日本にあります)を世界各国が導入すれば温暖化ストップに必要な排出量の半分以上が削減されるという結果が出ています。

 いま温暖化について日本悪者論を中国や一部の国が仕掛けようとしていますが、科学的にいえば、今のエネルギー効率から考えて、中国等の新興国に抑制の義務をかけることなしに温暖化は全く進まないといっても過言ではありません。そして、今の排出量からいえばアメリカもまた削減の義務を負うべきであるのもまた明らかです。

 一番フェアなやり方は、まず各国が今存在している技術を導入して最大限の削減を行わざるをえないようなスキームを作って、そののちに足りない部分についての検討を行うというというやり方のはずです。途上国や新興国の不満に対しては財源は別途検討してもいい。

 与野党、あるいは政府、民間が一致協力して、わが国としてのこうした方向性を打ち出せるよう期待したいと思います。

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「大規模会場予約 67% 空き」はお役所仕事の想像力欠如 ~ なぜ「高齢者」に拘り続けるのか

    近藤駿介

    06月14日 14:19

  2. 2

    オリジナルを常に超越してくる 愛すべきガーナの手描き映画ポスターの世界

    木下拓海

    06月14日 11:34

  3. 3

    歳を取ると「厄介な人」になりがちな理由

    内藤忍

    06月14日 10:57

  4. 4

    「ディズニーランドのついでに予約」女性向け風俗の利用者が爆増しているワケ

    PRESIDENT Online

    06月14日 15:30

  5. 5

    東大・京大も志願者減で止まらぬ「国公立離れ」 その最大の要因は何か

    NEWSポストセブン

    06月14日 08:38

  6. 6

    LGBT、夫婦別姓…“憲法改正”は令和に必要か? 憲法学者「最高裁や国民がしっかりしないといけない」

    ABEMA TIMES

    06月14日 09:28

  7. 7

    チュートリアル、友近…ギャラ100万円芸人がリストラ危機なワケ

    女性自身

    06月14日 12:27

  8. 8

    私がDHC吉田会長の在日コリアンに関する妄想は相手にしなくていいと思う理由

    宇佐美典也

    06月14日 12:00

  9. 9

    小池百合子「女帝」の最後の切り札 五輪中止に動くタイミングはあるのか? - 石井 妙子

    文春オンライン

    06月14日 08:32

  10. 10

    東芝報告書で思い知った調査の破壊力の大きさ

    企業法務戦士(id:FJneo1994)

    06月14日 09:07

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。