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大学の「教育力」に世界的な注目 ランキング日本版

従来は「研究」中心


THEの世界大学ランキングをめぐっては、2016(平成28)年版で、東京大学が43位から39位に順位を上げたものの、アジアの中では3位から4位に落ちたことが話題になりました。

ただ、世界ランキングの評価割合は「研究力」「研究の影響力」が計60%、「教育力」が30%を占めていて、いわゆる「研究大学」でなければ、評価対象としてエントリーすることさえできません。そのうえで、ランクが付くのは980大学までで(前年までは800大学)、全世界に1万8,000校あるといわれるランキング対象の大学の5%ほどにすぎません(THEランキングへの総エントリー数は非公表)。

一方、世界でしのぎを削る研究までには取り組まなくても、高等教育人材の輩出を目的とした教育中心の良質な大学は、多数存在します。典型的なのが、米国のコミュニティー・カレッジと呼ばれる大学です。しかし、従来のランキングでは、そうした教育中心の大学は、評価すらされません。日本でも、私立大学や、国公立でも教員養成や人文系の単科大学など、教育中心の大学が、数から言えば圧倒的です。

THEでは、世界ランキング以外にも、地域別(アフリカ、アジア、ラテンアメリカ、BRICS・新興国など)、評判ランキングなど、多様なランキングを発表しています。そうしたなかで今回、米国に続いて、日本でも、教育力に焦点を当てたランキングを作成することになったのです。

「高大接続」時代の志望校選びにも


10月に来日したTHEのフィル・ベイティ編集長は、「大学にとって、教育は、研究と並ぶ中核的な役割であり、民主主義を広げ、社会に参画する市民を育てることで、国や世界に貢献する目的があります。
将来、単純労働がロボットに代替される中では、(機械にはできない)問題解決能力や創造力、情報を使って調査をしていく能力が欠かせません」と説明しました。研究力に比べれば、教育力の測定は難しいものの、データサイエンスへの投資を強化してきたことに加え、日本国内で豊富なデータを持つベネッセと協力することで、評価が可能になるといいます。

折しも日本の大学は、高大接続改革の一環として、「三つの方針」(入学者受け入れの方針、教育課程編成・実施の方針、卒業認定・学位授与の方針)に基づく大改革の本格化を控えています。これまで大学の評価といえば「入学時のランキングによって、就職までが評価されてきた」(山﨑昌樹・ベネッセコーポレーション学校カンパニー長)のが実態ですが、今後は受け入れた学生をどう伸ばし、社会に有意な人材をどれだけ送り出したかが問われます。

THEランキングの日本版は、留学生だけでなく、国内においても、偏差値だけに頼らない、有力な志望校選びの手段となることでしょう。

※THE世界大学ランキング(英文)
https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings

(筆者:渡辺敦司)

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