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- 2011年09月23日 18:14
勝利至上主義は時として軋轢を生じさせる
『落合監督が電撃解任された』という記事を昨日ネットで見た。僕はこの記事を読んだ当初、結果を出してきたのに「なぜ」という疑問だけが脳裏に浮かんだ。新監督には中日OBの高木守道氏が就任するようである。落合監督の成績は大変輝かしいもので、中日監督に就任して以来、過去7年間でリーグ優勝3度、日本一1度という実績を持つ。さらに球団史上初のリーグ連覇の可能性を残しての今シーズン途中での解任発表であった。一般的に考えれば、あまりにも非情な采配であると言えるだろう。
解任の大きな原因は、「勝利にこだわりすぎた」ということであろう。例えば2007年に行なわれた日本シリーズ第5戦でパーフェクト目前の山井投手を9回で突然交代させたことが挙げられる。野球ファンならば、誰もが「ヒットを打たれてから変えてもいいだろう」と思ったはずである。メジャーリーグでこんなことをすればブーイングが起こったことだろう。結果的に抑えの岩瀬投手が9回を抑え、中日が53年ぶりの日本一を手にして、この年の日本シリーズは幕を閉じた。この時に岩瀬投手が打ち込まれていたら、翌日の新聞は大変なことになったことは容易に想像出来る。
また「何点あったってひっくり返されることもある」として、積極的にバントを決めにいくスタイルにも、相手球団のファンならずとも疑問に思った人はいるだろう。このように彼の「勝利至上主義」はいたる所で見られ、一部の野球ファンからは、「やりすぎ」という声もあがっていたのは事実としてあるだろう。
ではチームの勝利を度外視した選手の記録や真向勝負を挑むことが正しい選択なのだろうか。この解答は恐らく「NO」である。なぜなら、チームが勝利せずして、選手の給料は上がらないし、ファンの増員も見込めないし、何より監督自身が長期政権を担うことは不可能だ。しかし時に「勝利至上主義」は厳しい目を向けられる。
僕は真向勝負という言葉を聞くと、毎回思い起こされるのが、1992年8月16日に行なわれた第74回全国高校野球選手権大会、第2回戦明徳義塾高校対星陵高校戦において、明徳義塾が当時星陵の4番打者であった松井秀樹を5打席連続して敬遠する作戦を行い、この試合で松井は1度もバットを振ることなく負けた試合だ。この事件は社会的に大きな話題となり、明徳義塾勝利後の校歌斉唱では「帰れ!」コールまで出たほどであった。この事件は高校生同士の戦いということで、より注目されたのだろうが、仮にプロ野球で行なわれたとしても、物議を醸したことだろう。
「勝利至上主義」が嫌われるのは何も野球の世界だけではない。例えば金融業界の世界ではトレーダーという職種がある。トレーダーは「勝ってナンボ」の商売なので、年間を通して負け越していたら解雇されても文句は言えない。だからこそ彼らは勝つことに対して非常に貪欲なのだ。しかしながら時として「勝利至上主義」は様々な所で大きな軋轢を生む。
証券業においてトレーダーの取引形態はいくつかあるが、例えばセールスマンを介した取引を使用する際、時として、顧客のために、少しマーケットから外れた価格(トレーダー側からすると損する値段)で商品を渡す時も必要である。こうしたことで、ビジネスが発展することがあるのは、どこの世界も同じであろう。しかしながら、勝利至上主義に走りすぎて、顧客に対して配慮の足りなりない価格を毎回提供していると、周りのトレーダーとの軋轢が生じるだけでなく、セールスマンからも不満が出てくることになる。そうすると年間で誰よりも儲けを出したとしても、解雇されるということも十分にありえるのだ。会社全体で考えれば1人の売上が、どんなに多かったとしても、たかがしれているし、そうした勝利至上主義により、顧客が他のビジネスで「お金を落とすことを止める」ことになれば商売あがったりである。
こうして考えていくと、落合監督の解任劇は起こるべくして起きたのかもしれない。通常であれば、「勝利=ファン増員」となり球団の利益が向上するだろうが、勝利至上主義によって、ファンが思ったより増えずに収益貢献となっていなかったのであろう。ただ彼が勝利至上主義に走らなければ、確かに球団サイドとの軋轢も生まなかったかもしれないが、早期に解任されていた可能性も十二分に考えられる。
本当の長期政権というのは、勝利至上主義に走る事なく、しかしながら勝ち続け、周りを納得させなければいけないという、大きな壁を乗り越えないといけないのかもしれない。これはどこの業界でも言えることであろう。しかし果たしてそんなことは可能なのだろうか。
解任の大きな原因は、「勝利にこだわりすぎた」ということであろう。例えば2007年に行なわれた日本シリーズ第5戦でパーフェクト目前の山井投手を9回で突然交代させたことが挙げられる。野球ファンならば、誰もが「ヒットを打たれてから変えてもいいだろう」と思ったはずである。メジャーリーグでこんなことをすればブーイングが起こったことだろう。結果的に抑えの岩瀬投手が9回を抑え、中日が53年ぶりの日本一を手にして、この年の日本シリーズは幕を閉じた。この時に岩瀬投手が打ち込まれていたら、翌日の新聞は大変なことになったことは容易に想像出来る。
また「何点あったってひっくり返されることもある」として、積極的にバントを決めにいくスタイルにも、相手球団のファンならずとも疑問に思った人はいるだろう。このように彼の「勝利至上主義」はいたる所で見られ、一部の野球ファンからは、「やりすぎ」という声もあがっていたのは事実としてあるだろう。
ではチームの勝利を度外視した選手の記録や真向勝負を挑むことが正しい選択なのだろうか。この解答は恐らく「NO」である。なぜなら、チームが勝利せずして、選手の給料は上がらないし、ファンの増員も見込めないし、何より監督自身が長期政権を担うことは不可能だ。しかし時に「勝利至上主義」は厳しい目を向けられる。
僕は真向勝負という言葉を聞くと、毎回思い起こされるのが、1992年8月16日に行なわれた第74回全国高校野球選手権大会、第2回戦明徳義塾高校対星陵高校戦において、明徳義塾が当時星陵の4番打者であった松井秀樹を5打席連続して敬遠する作戦を行い、この試合で松井は1度もバットを振ることなく負けた試合だ。この事件は社会的に大きな話題となり、明徳義塾勝利後の校歌斉唱では「帰れ!」コールまで出たほどであった。この事件は高校生同士の戦いということで、より注目されたのだろうが、仮にプロ野球で行なわれたとしても、物議を醸したことだろう。
「勝利至上主義」が嫌われるのは何も野球の世界だけではない。例えば金融業界の世界ではトレーダーという職種がある。トレーダーは「勝ってナンボ」の商売なので、年間を通して負け越していたら解雇されても文句は言えない。だからこそ彼らは勝つことに対して非常に貪欲なのだ。しかしながら時として「勝利至上主義」は様々な所で大きな軋轢を生む。
証券業においてトレーダーの取引形態はいくつかあるが、例えばセールスマンを介した取引を使用する際、時として、顧客のために、少しマーケットから外れた価格(トレーダー側からすると損する値段)で商品を渡す時も必要である。こうしたことで、ビジネスが発展することがあるのは、どこの世界も同じであろう。しかしながら、勝利至上主義に走りすぎて、顧客に対して配慮の足りなりない価格を毎回提供していると、周りのトレーダーとの軋轢が生じるだけでなく、セールスマンからも不満が出てくることになる。そうすると年間で誰よりも儲けを出したとしても、解雇されるということも十分にありえるのだ。会社全体で考えれば1人の売上が、どんなに多かったとしても、たかがしれているし、そうした勝利至上主義により、顧客が他のビジネスで「お金を落とすことを止める」ことになれば商売あがったりである。
こうして考えていくと、落合監督の解任劇は起こるべくして起きたのかもしれない。通常であれば、「勝利=ファン増員」となり球団の利益が向上するだろうが、勝利至上主義によって、ファンが思ったより増えずに収益貢献となっていなかったのであろう。ただ彼が勝利至上主義に走らなければ、確かに球団サイドとの軋轢も生まなかったかもしれないが、早期に解任されていた可能性も十二分に考えられる。
本当の長期政権というのは、勝利至上主義に走る事なく、しかしながら勝ち続け、周りを納得させなければいけないという、大きな壁を乗り越えないといけないのかもしれない。これはどこの業界でも言えることであろう。しかし果たしてそんなことは可能なのだろうか。



