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  • ヒロ
  • 2016年11月11日 10:00

トランプ大統領で何が起きるのか?

多くの国家元首は焦っています。「アメリカ新大統領とのパイプがない」と。物理的にパイプなどほとんど存在していなかったのですからあるわけありません。それこそ本人とのコンタクトが唯一のパイプである、ということでしょうか?そんな中、安倍首相がいち早くパイプ作りに動き、NYでの会談のアポ取りまでこぎつけたのはお見事であります。パイプがないなら日本の官僚の情報もあてにならないわけで首相自ら乗り込むその行動力は大いに評価できます。

さて、トランプ大統領で何が起きるか、でありますが、「初めのびっくり」は為替相場であります。何故、突如、ドル高に転じたか、であります。そのキーワードは最強の経済を作るためのインフラ投資重視姿勢でありましょう。また、移民を抑制するかも知れないとすれば人件費が上昇し、物価が大きく上がる公算があります。国債は売られ、金利は上昇します。12月のイエレン議長率いるFOMCでは高い確率で利上げが見込まれています。

円ドルは100円前後のレンジ相場入りするという声もありました。しかし、それは何も起きないという前提でありました。私はトランプ氏が選挙期間中「イエレン議長は首だ」と言ったその意味合いは不動産会社にとって金利は低い方がいいに決まっている、という意味合いだと捉えていたので今、まさに真逆の展開が起きています。

目先、この動きは続くのでしょう。但し、いつまで続くかはわかりません。なぜならトランプ氏が当選後、まだほとんど対外的に喋っていないからです。とは言いながらも経済を最重要視する姿勢は変わらないはずです。それならば就任演説のある1月20日まではこの傾向が続くのかもしれません。

次に欧州各国への刺激があります。英国EU離脱とトランプ大統領というあり得ないはずのことが2度起きたとすれば3度目もある、とみるのが正しいかもしれません。目先、12月4日にイタリアの憲法改正を問う国民投票とオーストリアの大統領選やり直し投票が同日に行われます。イタリアに関しては事前予想では憲法改正案は否決される可能性があり、その場合、レンツィ首相は辞任すると公約しています。そうなればユーロ離脱の国民投票を訴える「五つ星運動党」に勢いが増します。

また、オーストリアの大統領選は5月にいったん選挙をしたもののあまりの僅差故のやり直し選挙となります。その際に競い合った極右政党派の勢いは一時期なくなっていたのですが、トランプ大統領誕生で情勢は逆転するかも知れません。

来年は欧州はオランダ、フランス、ドイツで元首の選挙があります。その間、英国のEU離脱宣言の動きも出てきます。つまり、欧州の混沌が予想されるといえるでしょう。その混沌にトランプ氏のアメリカは深く付き合わないとみています。言い換えれば横目で見ながらそれをてこにさらにアメリカに有利な形を作っていくのではないでしょうか?

三番目にアジアの行方であります。経済の方を見るとまず、TPPは漂流確実ですが、これに代わる新たな経済提携がアメリカ以外のTPP交渉参加国とできるか、であります。私は可能だとみています。TPPはもともとシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドで10年前に発効されたEPAを元に拡大版を作ろうという話でした。よって、アメリカの行方が不明瞭ならば既存のEPAに乗っかる形で今まで交渉した内容をできるだけ反映させて作り出すしかないとみています。つまり、アジアはアジアが守らなくてはいけない、自助努力です。それゆえにTPPをいち早く批准する日本はそれを受けて交渉国と水面下の打診を図るリーダーシップを早急に行うべきだろうと思います。私は日本が強烈なアピアランスを見せる絶好期が来たと思っています。

もう一点、トランプ氏が中国製品に対するバリアを高める可能性が指摘されています。個人的にはすぐにはならないとみています。それはトランプ氏が中国と正面同士向かい合って座ったことがなく、双方の水面下を含む激しい交渉があるだろうと察しているからです。トランプ氏もビジネスマンならば中国人のマネー崇拝主義はさらに上を行きます。お互いに不動産が大好きなのですからそこは妥協できるところがあると期待しています。

どちらにせよ、トランプ氏は白人至上主義的なところがあり、アジアにもともと興味を持っていません。アジア人の宗教的背景やメンタリティもほとんど理解していない気がします。よって、今後もきっかけがない限りアジアに寄り付かない気がします。となればその行く手は最悪、経済のブロック化の可能性は否定できないかもしれません。あくまでも最悪のシナリオですが。

対ロシアは急展開するとみています。ロシアとアメリカの関係悪化は国家間の問題というよりプーチンとオバマ氏の離反する関係でした。よってフェイスが変わり、比較的くみしやすいプーチンとトランプ氏となれば双方がアドバンスになる方策を考えるはずです。では日本の対ロ関係はどうなるか、ですが、北方領土交渉はハードルが上がったところと下がったところがあります。上がるのはロシア側のモチベーションが下がり、譲歩を引き出しにくくなること、一方、アメリカの日本へのけん制が下がることで交渉のしやすさは出てくるでしょう。

安倍首相がトランプ氏との会談でプーチン氏との会談の下地を作るのか、これはわかりませんが少なくともプーチン氏を山口に呼ぶ前にトランプ氏と会っておくことは極めて重要なステップであることには変わりありません。

まだまだいろいろ考えは浮かんできますが、まだ2日目です。これから様々なことが起きるでしょう。発言に一喜一憂せず、大局を見ていくことが肝心かと思います。

では今日はこのぐらいで。

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