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党内融和・対野党協調最優先の「政局内閣」

 9月3日(土) 党内融和・対野党協調最優先の「政局内閣」 [内閣] [編集]
 土曜日の朝だというのに、6時前に起きて「みのもんたのサタデーずばっと」を見ました。ちょっとだけ、2回ほど出ていましたね。
 昨日は約15分インタビューされましたが、放映されたのは1分ほどもあったでしょうか。ちょっとだけしか流されないのは、いつものことですが……。

 ところで、昨日出発した野田新政権ですが、マスコミなど世間の評判はそれほど悪くないようです。無難で安定感があると見られているのでしょう。
 小泉政権以降の歴代首相があまりにも目立ちすぎ、世間受けを狙ったパフォーマンスを先行させてきた反動かもしれません。対照的に、野田さんは「どじょう」のように泥の中に隠れようとしているようです。
 地味であることを逆手に取り、できるだけ目立たないようにするという作戦が功を奏しているということでしょうか。内閣支持率のご祝儀も、それなりに出るように見えます。

 この内閣の特徴をひと言で言えば、党内融和・対野党協調最優先の「政局内閣」ということでしょう。政策よりも政局が優先されているということは代表選の時から明瞭でしたが、党役員や組閣人事で、この傾向はさらにはっきりしたように見えます。
 党役員では、輿石さんを幹事長に据えて小沢グループを懐柔し、前原さんを政調会長にして自民党やアメリカとのパイプを強めました。組閣前に、米谷経団連会長など財界首脳と会談し、自民・公明両党との党首会談を開くなど、財界や自民党に接近する姿勢を明確にしています。
 閣僚人事でも、小沢グループなど党内各グループからの起用に目配りし、融和の姿勢を打ち出しました。また、国対委員長経験者を6人も採用するなど、国会対策重視の布陣となっています。

 このように、党内外で波風が立たないように細心の注意を払った点に、野田新政権の特徴があります。ですから、新政権に対して波風が立たないのは当然です。
 しかし、それで政局が安定し、政権運営が順調に行くかというと、必ずしもそうではありません。以上に見たような野田政権の「メリット」は、大きな「デメリット」を生む可能性があるからです。
 世の中には、そういうことは往々にしてあるものです。長所が、見方を変えれば実は短所でもあるということが……。

 第1に、小沢グループを党役員や閣内に取り込んだことのリスクがあります。幹事長になった輿石さんや大臣として入閣した山岡さんや一川さんが小沢さんの処遇について黙っているでしょうか。
 これまでは、党役員や閣僚は一致して「小沢支配」への抵抗を示してきました。しかし、これからは、もし小沢グループが反旗を翻せば、党役員の内部や閣僚内で不一致や対立が生ずることになります。
 つまり、これまで小沢対反小沢の対立軸は党役員や内閣の外にあったのに、今回の組閣によって内部化されたことになります。小沢グループの取り込みに成功しなかった場合の混乱は、閣内不一致などの形で、これまで以上に大きなものになるリスクが生じたわけです。

 第2に、行政手腕が未知数な不慣れな閣僚が多いという問題があります。新閣僚の顔ぶれは、とても適材適所というわけにはいきません。
 党内融和のために、大臣としての適正よりも所属グループへの配慮を優先させたからです。そのために、新入閣が10人にもなり、外務、財務、経産、官房長官などの重要閣僚にも、これらの未経験者を起用することになりました。
 また、野党対策や国会審議を重視したために、国対委員長経験者が多く入閣したことはすでに書いたとおりです。これらの人は政局対応には長けているかもしれませんが、政策能力や行政手腕という点ではどうでしょうか。

 第3に、自民党や財界、アメリカに擦り寄るあまり、民主党らしさが失われてしまうという問題もあります。野田さんの安定感は古い政治の姿を彷彿とさせるということでもありますが、それならどうして政権を交代させたのでしょうか。
 これは政権交代や民主党政権の正統性への疑問を生み出すことになるでしょう。当然、国民からの疑問や党内からの反発も高まらざるを得ません。
 とりわけ、財務相時代から野田さんは増税論で知られ、すぐに復興増税の問題が出てきますし、来年の通常国会には消費税増税のための法案を出すと言っています。このほか、脱原発依存方針からの後退、原発再稼働方針の明確化、マニフェストからの転換など、党内外からの批判を浴びる要素も少なくありません。

 ということで、順調そうに見える野田政権の船出ですが、その行く手に漂う暗雲は決して少なくありません。もし、野田新政権が国民の要求に反する方向を強めていけば、これらの暗雲は大きな嵐となって前途に立ちはだかることでしょう。
 今回、菅政権の中枢を担ってきた岡田さん、仙谷さん、枝野さんは、党の役職に付かず、内閣を去り無役となりました。これによって、来年9月の代表選での立候補の資格ができたと見られていますが、民主党政権はそれまでもつのでしょうか。

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