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「日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる」 安倍昭恵氏インタビュー

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日本の精神性が世界をリードしていかないと地球が終わる




安倍:私は、本当にこれから日本が世界をリードしていかなきゃいけないと思っているんですよ。

西田:客観的には難しいように思います。経済もそうですし、私がいる大学の世界も、ドンドン世界ランキングが下がっているんです。これはなかなか厳しいですよね。頑張って現状維持することも難しいという感じがします。

安倍:でも、日本に対する世界の注目は、非常に集まっていると思うんですね。オリンピックもそうだし、文化も。

西田:訪日観光客は増えていますね。

安倍:新しいイノベーションが生まれているし、可能性として、日本はとてもポテンシャルが高いと私は思っています。その日本の精神性が世界をリードしていかないと「地球が終わる」って、本当に信じているんです。

西田:地球が終わるんですか?

安倍:本当に色んなところに、私も主人と行かせてもらっていますが、経済や環境問題にしても、テロや戦争だったりしても、どこの国も安定してないじゃないですか。先進国で比較的安定しているのは、日本しかないと思っているんです。

日本人って、元々が善悪で言うと、すごく「善」だと、私は思っているんですね。

新幹線のお掃除みたいなものであっても、あれは日本人にとっては「まぁ、すごいね」というぐらいだけど、もう観光名所になるくらい、世界からするとすごいことで。

何故外国人がすごいと思うかっていうと、あの素早いお掃除がすごいのではなくて、瞬間的にキレイにできるぐらいしか汚さない日本人のマナーの良さに驚くっていうところもあるっていう。日本って、私はやっぱりすごい国だと、本当に思っていて。

西田:まぁ、そうですね。ただ、大抵どの国にも「すごいところ」と「すごくよくないところ」があるような気もします。

安倍:千何百年ごとに世界の文化の中心が廻ってくる。そういうことを考えても、これからは日本の時代なんですね。

西田:う~ん。

谷崎:社会学者としては「そうです」とは言い難いところではありますね。

西田:各種の指標やデータを見てみても、日本の時代はもう来ないんじゃないかとしか言いようがないですね。とくに2020年以後はかなり厳しい。

安倍:みんなで日本の時代を作っていこうという気運が盛り上がっていかないと、本当に日本の時代は来ないと思うので。そこで私は、日本はすごいんだよって言いたいし、本当にそのように思っています。

今、伝統芸能にしてもなんでも、もうここで途絶えてしまいそうなものがいっぱいあって。工芸品にしても、後継者がいないという問題を抱えていて。それを今みんなで頑張って盛り上げていきたいです。

東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたい




西田:日本のきれいなところがお好きなんですかね? ぼくは、政治の研究の他に、若年無業者の研究やっています。いわゆる「ニート」の問題ですね。

若年世代にも今、年間60万人くらい若年無業者がいるんですけど、なかなか大変ですよ。日本の失業率は極めて低くて、失業率は下がっているにも関わらず、若年無業者の数は横ばいなんです。

つまり、子供の人口が減っていることを考え合わせると、比率としては増していることになります。第一次安倍内閣の時に、若者再挑戦のための施策というのは本格的に整備され始めたのですが、やはりその後なかなか、手薄な状態が続いています。

安倍:でも、なんかこう夢を持てない世の中よりは、夢があったほうがいいじゃないですか。

西田:う~ん。「夢」の問題でしょうか。経済や政策の問題じゃないでしょうか。

安倍:私はもう、東京じゃなくて、地方がかっこいいって時代にしたいと思っています。色んなニートの人達とも話しをしたりすることもありますが、なぜニートになるかも考えなくてはいけないと思います。。

西田:主にケガと病気ですね。よく「怠けた結果の自己責任だ」などと非難されがちですが、内閣府の統計などを見ると、主たる原因はケガと病気なんですよ。

だから、就労経験を持っている人が大半なんですよね。ブラック企業などに入って働けなくなって…みたいなケースもありますし。

安倍:でもそれで、ケガや病気が治ったりすれば、また気持ちが盛り上がってきて、働けばいいわけじゃないですか。

西田:まさにそれを許さない、復職したい人の気持を受け入れていない/受け入れられていないのが今の社会の在り方ということですね。

安倍:でも、例えば、夜の飲食業なんかは、今、本当に人手不足で、アルバイトも来ないっていうような状況なので、やる気になれば仕事はあると思います。また、地方では農業や林業など後継者がいなくて困っているところもある。一人一人に向いた仕事が見つけられるといいと思います。

西田:地方で、ですか。

安倍:私も実際、移住者と結構付き合っています。そうすると、農業したりとか、新しい形のコミュニティが生まれています。

でも、なんとなく若者たちが都会だけが良いんじゃなくて、地方でもうまく生きていけるんだっていうような形になってくといいなという思いがありますね。

西田:そうですね。それは確かにそうなれば良いですけどね。

安倍:だから、そこには伝統工芸の後継者がいたりとか、みんなが求めてる世界がある。大学を卒業したら大手企業に行くみたいなスタイルが、私達の時代と全然変わっていないので。

でも、そんな世界は「ちょっと先には無いんだ」っていうことを今の大学生達には言っています。そこを求めていても、幸せになれるわけではなくて。

西田:それは間違いないですね。

安倍:大手企業を目指している人達は、その名前や給料とか、働き方みたいなものだけで。「自分が本当に何をしたいか」ということを求めて、その会社に入ってるわけではない人が、ほとんどじゃないですか。そこが、これからはかなり変わっていくんじゃないかって思うんですよね。

西田:しかし、大半の生活者は、「夢」よりも「生活の安定」を望んでるんじゃないかと思います。

昔のような終身雇用のシステムも成り立たないうえに、一度職を失うと復職するのが困難なのが日本社会です。大学に目を向けてみても、親の世代にお金がない。昔は親が払うのが当たり前だったのですが、今は学費を払うのは学生本人に移りつつあります。その学費はどうするんだという問題があります。

そうなると給料水準が高いところに就職できないと奨学金を返していけない。例えば、生活費含めて、仮に大学在学中に年間100万円奨学金を借りたとしましょう。大学を4年で卒業して400万円借金背負った状態でとなると、なかなか給料水準の低いところに就職する、たとえば地方への就職は本人の意思とは別に制限される可能性もあります。

安倍:何を選び取っていくかということですよね。

高齢化社会ですので、お年寄りの方にはすごいお金がかかっていて。子供や教育のところにお金が行かないというのは間違っていると思うので。むしろ、そっちの方にお金を遣ってもらいたいなと思いますけど。

選挙の事情など色々考えたりする時には、どうしてもお年寄りの方が票にはなる部分があるので、どうしてもしょうがないところがあるかなって。

ただ、今の私の考え方に共感する人が増えてきているっていうのは確かだと思う。もちろん私、一部の人達にしか会っていないわけではなくて、不特定多数の人達の前で話しているつもりなんですよ。

西田:人がお好きなんですかね?

安倍:人見知りなので、誰でもいいってわけじゃない。でも嫌いな人は根本的にいない。でも、すごく仲良しの人もそんなにいないかも。

谷崎:自分を批判した人でも会いに行くとか。ちゃんとそこに向き合っていこうという姿勢がありますよね。

西田:ぼくはもともと人嫌いなのであまり人に会いたいと思いませんし、ましてや批判された人に自分から会いにいこうとは思いません。

谷崎:西田さんを批判した小林よしのりさんとは対談しないんですか?

西田:ろくに読んでないうえに批判といっても言いがかりのようなもので、どうせめんどくさいことになるだけですから、自分から対談したいなどとは思わないですね(笑)

プロフィール


■安倍昭恵
首相夫人。1962年生まれ、東京都出身。聖心女子専門学校卒、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了。電通勤務を経て1987年に安倍晋三氏と結婚。

■西田亮介
東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院 准教授。1983年京都生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。同後期博士課程単位取得退学。博士(政策・メディア)。専門は公共政策の社会学。情報と政治(ネット選挙、政党の情報発信)、若者の政治参加、情報化と公共政策等を研究。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科助教(有期・研究奨励Ⅱ)、(独)中小機構リサーチャー、立命館大特別招聘准教授等を経て現職。著書に、『マーケティング化する民主主義』(2016年、イースト新書)、『メディアと自民党』(2015年、角川新書)など多数。

西田 亮介
KADOKAWA/角川書店 (2015-10-24)


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