記事
  • ヒロ

日本の国際化

国内派の方からすれば海外なんて、と思われるかもしれません。幕末の開国、尊王攘夷運動が起きたときも同じだと思うのですが、日本は独自の文化を守りそれを享受し続けたいベクトルが働くため、異種混合を基本的に望まない歴史に嘘はありません。

先日、「骨が語る日本人の歴史」(片山一道著)を拝読いたしました。日本人は何処から来たのか、という永遠のテーマに関してどこから来たのでもない、日本なのだ、という主張になるほどと思いました。旧石器時代は氷河期でその頃に海面は最大120m下がり、陸続き、ないし凍りつく海伝いに大陸からヒトはやってきたものの縄文時代になり温度の上昇とともに日本が孤立した島国になったという考えです。つまり長い縄文時代に日本人としてのベースが育まれたということでしょうか?その後、朝鮮半島を通じて人の交流はあったものの多くは北九州であり、広がってもせいぜい日本海側、大阪あたりまでで日本全土に影響したかどうか、骨から見た裏付けは出来ないようです。

この手の本は種類が多いのですが、この本は書評などで絶賛されています。信じるかどうか、これは個人のご判断ですが、私は面白い発想だと思います。だとすれば日本人は縄文時代からユニークな成長過程を踏んだとも言えるわけでその時代スパンからすればごくごく最近の幕末開国や近年の国際化などは日本人のメンタルを変えるには全く不十分だとも言えます。

その一方で骨から見ると最近の人の身長が異様に伸びている変化もあり、様々な外的影響を受けていることを裏付けているようです。特に歴史的には婚姻と子孫繁栄が近親関係に近い状態で繰り広げられていたのは天皇家だけではなく、保守的なムラ社会の伝統でありました。これが急変し、国内における人の移動、婚姻関係の広範囲化が身長の変化にも表れているのでしょうか?

さて、安倍首相の積極外交は疑念を差し挟む余地はありません。首相就任後、数年は自ら外に出続けていましたが今では多くの国家元首が日本にやってきます。古代日本に於いて遣隋使、遣唐使など相手方に行くことが多かった日本に今、トップがやってくる、そして訪日外国人はすでに今年2000万人を突破するようになった着眼には意味がありそうです。日本に来るとは日本から学びたい、仲良くしたい、ビジネスをしたいというトレンドの表れそのものです。間近にはロシアとの交渉が控えていますがプーチン大統領をそこまで本気にさせた「日本の魅力の開花」は侮れないものでしょう。

実は私がカナダに25年も住んでいて思うことは北米のアジア理解レベルは非常に低いということであります。白人主体の北米において彼らは欧州との歴史的繋がりが主体であって中南米アメリカ、アジアは亜流であります。よって知識層も一般社会も欧州で起きていることには高い興味を示しますが、アジアで起きていることは二番手扱いになります。そして読み手(=一般社会)もアジアの事実に強い興味を示しません。

例えば先日、トロントの証券マン氏と雑談していたところ、今、韓国で何が起きているか全く知りませんでした。そこで今の韓国のリスクは北朝鮮とのリスクにもつながる、というと「おおっ」ということになるのです。Thaadミサイルに至っては違う世界の話のようでした。

尖閣の問題などが起きた時、「これはどういうことだい」と(あんなちぃっちゃな島のことで何をもめているのかねぇ?という批判気味の態度で)聞かれました。中国経済の話でも統計的数値としてはわかっているのですが、何がその後ろに隠れているのか全く知りません。それはアジア人のブラッドではないとわからないものがあるのです。歴史的つながりや地政学的なもの、さらには宗教的つながりもあるでしょう。

白人至上主義なる言葉がありますが、裏を返せば白人が偉いということではなく、単にアジアに興味がないだけであります。そのアジア人が北米の大地で経済的「侵略」をすれば叩きのめされます。日本は北米への先駆者として苦労の連続でした。繊維、鉄鋼、自動車、半導体…。今、中国はモノの輸出だけではなく、人を送り込みます。文化的に溶け込まず独特の社会を作っていることに閉口している人は多いはずです。

白人とアジア人が共同で作業を進めなくていけないシーン、学校やコンドの管理組合、会社、NPOなど様々な組織において議論がかみ合わないのはお互いに持つ価値観が相違していることでしょう。

そんな中、日本は近代の歴史に於いてアジアで唯一の欧米との橋渡しが出来た国であります。国際連盟の時代を含め、アジアの中で日本だけは違うという認識は多くの北米の人が持っているようです。しかし、残念なことに日本(人)から発信された日本を含む東アジアについてバランス感覚を持った分析や方向性の解説を聞くことは極めて乏しい状況です。

北米では日本研究が進んでいますが、その視点は白人観の中のアジア観であります。正に「菊と刀」の世界です。日本が国際化推進の中でしなくてはいけないこと、これは発信能力であります。アジアを解説し、アジアの視点を日本が論理的にきちんと伝えることが日本にとってもっと重要なことではないでしょうか?

日経新聞はフィナンシャルタイムズ(FT)を買収しましたがまだニュースソースの受け手という認識です。言い換えればFTの良さを日経が取り入れているという意です。本来であれば日経はFTを通じて外に発信能力を持たねばなりません。が、私はそのような記事をほとんど見たことがありません。

日本政府はアジアやアフリカに援助の金をばら撒き、中国との覇権争いをしています。しかし、ボイスという意味では日本は劣っています。私が強く思うのは海外からの「来たい、見たい、教えてもらいたい」という姿勢がある今こそ、きちんとした国際感覚で正しいボイスを発信し、日本が国際社会の中でのクレジタビリティを高めることに他ならないと感じています。

では今日はこのぐらいで。

あわせて読みたい

「外交」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    ベガルタ選手 交際相手DVで逮捕

    SmartFLASH

  2. 2

    淡々とデマ正した毎日新聞は貴重

    文春オンライン

  3. 3

    学術会議の任命拒否 説明は困難

    非国民通信

  4. 4

    ウイグル弾圧をルポ 朝日に評価

    BLOGOS しらべる部

  5. 5

    岸防衛相の長男 フジ退社で衝撃

    文春オンライン

  6. 6

    米山元知事が橋下氏の煽動に苦言

    SmartFLASH

  7. 7

    GACKT お金と違い時間は戻らない

    かさこ

  8. 8

    高齢者は貯蓄 現金給付改善せよ

    永江一石

  9. 9

    「特攻」冬の発熱対応に医師嘆き

    中村ゆきつぐ

  10. 10

    コロナで潰れる「強みのない店」

    中川寛子

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。