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税務署に「痛くもない腹」を探られない方法

文=ジャーナリスト 村上 敬 答えていただいた人=税理士 松嶋 洋 図版作成=大橋昭一

税務調査の日程は自分の都合で調整

数年ごとにやってくる税務調査。調査官は招かれざる客であり、軽微な申告漏れを認めることを「おみやげ」にして、早く帰ってもらうという「作戦」をとる会社がある。

しかし、きちんと税を納めていることを認めてもらうには、一刻も早く楽になりたいという気持ちに打ち勝たなくてはいけない。というのも、調査が長引くほど納税者に有利になるからだ。元国税調査官の税理士、松嶋洋氏は次のように明かす。

「税務調査は1~6月、7~12月の年2回。調査官はサラリーマンと同じように調査件数のノルマがあり、期限が近づくと、調査を終わらせることを優先して、追及の手が緩みます。もちろん不正やミスをしていないことが前提ですが、長引けば、見解が分かれるグレーな部分では戦いやすくなります」

そこでまず知っておきたいは、税務調査は犯罪告発を目的としたマルサ(国税局査察部)による査察を除き、原則的に任意調査という点だ。任意といっても正当な理由なく拒否すれば罰則があるため、必ず受ける必要がある。しかし調査日程をこちらの都合に合わせてもらうことはできる。

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税務調査の種類

「通常、税務調査の日程は事前に通知されますが、通知された日程で調査を受ける必要はありません。業務が忙しくて対応できなければ調整が可能。私の経験では、1~2カ月は先延ばししてもらえます」

一般的に実地調査は2日間に分けて行われ、2日目午後には調査官が問題点を指摘する。納税者と見解が違えば、後日ふたたび話し合うことになるが、ここでもコツがある。

「次回の宿題として、追加で確認したい資料を用意するよう指示されることがあるが、調査官に気を使って指示された以上の資料を提出すると、より深く調査されることが多いです。場合によっては、痛くもない腹を探られることになりかねません」

メールを見せるときの注意

実地調査を受ける場所も重要だ。実地だから会社で受けなければいけないというのは間違い。税理士の事務所などで受けてもいい。帳簿類の準備は必要だが、調査官から指示されたものだけを用意しておけばいい。調査中に追加で必要な書類が出てきても、社外なら「次回あらためて用意します」と言えばいい。それによって調査が長引けば、会社に有利となる。

調査現場には、PCも持ち込まないほうがいい。調査で見せる必要のない、プライベートな情報があるメールなどを見られることがあるからだ。

「PCをチェックされると、プライベートのメールも含めてすべて見られるおそれがあります。私的な個人情報を見せたくなければ、まずPC自体を持ち込まないこと。そしてデータの提出を求められたら、事業に関係するものかどうかを確認し、事業に関係する情報についてはプリントアウトして紙で提出すれば大丈夫です」

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