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孤独死に耐えきれない人は「家族」を赦そう

■「孤独死には40代が多い」

僕の法人で雇用している40代元ひきこもりの男性スタッフSくんが、自分のFacebookページで「孤独死には40代が多い」というこのニュースを紹介していた(特殊清掃人が断言 孤独死で多いのは「独居老人より独身40代」)。

Sくんは言外に、ひきこもり問題と40才孤独死問題を僕に伝えたかったようだが、それはわざわざ言われなくても僕にはわかった。

孤独死は一般に高齢者の年代と言われてきたが、「高齢ひきこもり」の問題が徐々に一般化されるにつれ、いずれは40代50代の問題になると僕は予想していた。

それはもう少し先だと思っていたが、予想外に早くやってきたようだ。

上の記事にもあるように、孤独死の割合は40代50代に増えている。それは今のところ20~25%のようだが、この先さらに増えていくだろう。記事のなかでは「ひきこもり」のひの字も出てこないが、勤めていた企業をやめて一人暮らしの部屋にこもるとは、つまりはひきこもり状態を指す。

ひきこもりは状態像であって原因ではない。原因は、精神障がいや発達障がいなどいくつかの要素が絡み合っている。そして40代にもなると、それらわかりやすい要素は前面には出てこず、糖尿病等の健康問題としてキャッチされる。

根本原因としては、たとえば発達障がいがあるかもしれない。それを土台として精神的不調、身体的不調が折り重なっていき、40代になってそれらは限界を迎える。結果、「高齢ひきこもり」の独居生活が始まる。

■孤独な40才には理由はある

上のSくんとも話していたが、40代50代のひきこもりにはそれなりの理由があり、その結果「孤独死」になるのは同情するとしても、孤独死を尊重することはあっても批判することはできない。

「ひとり」にはそれなりの理由があり、それを通俗的規範(「ひとりで過ごす老年期はさびしい」等)から批判することほど当事者の「孤独」を理解していない議論はない。

孤独な高齢者、孤独な40才には、それなりの理由はある。

だから、その孤独死を単純に断罪することは、孤独死してしまっている方々に対して失礼だ。

が、40代の孤独死予備軍の方々は、その一方でどこかで「さびしい」と感じているようだ。現在のその孤独な状態にどこかで否定的であれば、それはその孤独状態を解消する方策を模索すればいいだろう。

その方法のひとつに、「家族」に還るという発想もある。

■「家族」に還る

家族との同居が難しいからこその40代や50代ひきこもりなのだが、50才も超えてくると、人は「家族を赦せる」ようになる。

具体的には、親を赦せる。また、きょうだいを赦せる。

きょうだいの意味とは、「ひとが老人になった時に、心を許せる最初の仲間」だと僕はこの頃思うようになってきた。

ひとは老人になるとみな孤独に近くなり、誰もが弱みを言えなくなる。その時、ぼそっと自分の孤独感を漏らすことができるのが「きょうだい」だと僕はおもう。

生まれて70年80年たって初めてその存在がありがたいと思う存在、それがきょうだいなのだと思うのだ。だから、そのきょうだいたちを産んだ存在、つまりその親たちがすべて死んだあとで、そのきょうだいを産んだ意味が現れるという、きょうだいとはおもしろい存在だ。

そのきょうだいの意味も含めて、「家族」には味わいがある。孤独とは、その味わいを味わい尽くしたあとに到達してもいい状態だと僕は思うが、多くの孤独はそこまで味わい尽くしてはいない。

真の孤独は、ルサンチマンやナルシシズムを超えたところにある状態だ、そういう点で、現在「孤独」な方々はその孤独性を徹底していないだろう。

だからこそ、真の孤独を極めたい人はそれなりに極めることをすすめる。

そして、その孤独に耐えきれない人は「家族を赦す」ことをおすすめする。家族を恨んでいたとしても、長い人生のコスパ(コストパフォーマンス)のなかでは選択しても損はない要素、それが「家族」だ。★

※Yahoo!ニュースからの転載

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