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談合・やらせ体質から抜け出せない九電

asahi.com:九電会長「どこを直す必要が」 やらせ問題報告再提出で

やらせ問題の後始末というちっぽけな問題が混迷を深めている。
やればやるほど泥沼にはまり、もがいている姿は痛々しささえ感じるが、その一方で、基本的なやらせ体質というか、切り抜けることばかりに汲々となって、本来は何が問題なのか、問題解決のためにどうすれば良いのかということを真摯に検討して努力する姿勢が全く見えない。
松尾氏は6月26日の原発説明番組をめぐるやらせ投稿の発端について「九電が過剰反応してつくった知事発言メモが原因だ」との考えを改めて示した。第三者委は古川知事の発言が「やらせに決定的な影響を与えた」としており、関与をめぐる表現などについて、経産省と落としどころを調整したい意向と見られる。
もう落とし所を探っていると表現されている段階でダメダメとしかいいようがない。
報告書の表現とか書きぶりとかが問題なのだと思っているのだろうか?

九電が露呈した問題は、知事の発言によりヤラセ行為に走ったかどうかそのものではもうなくて、第三者委員会を選任しておきながら、その結論が九電の従来の主張にそぐわないものであったために、第三者委員会報告書を握りつぶしたという点にある。
さらにその経過を大臣に咎められると、自社報告書を簡単に修正すると言い出した所が恥の上塗りだ。

この経緯から見えてくるのは、報告書の記載内容が事実に沿っているかどうかはどうでもよく、ただただ世間(行政)の納得を得て原発再開にゴーサインをもらえるにはどうしたら良いのかという発想だ。

こういう発想をする会社のコンプライアンスというのは、法令を遵守することではなくて遵守したというカタチを整えることだろうし、内部統制とかいうのも統制基準は会社にとって都合の良いことかどうかであって、法令遵守を確保するための統制ではあり得ないだろう。
もちろんたまたま法令の要求する所が会社に都合の良いことであればよいが、その2つがしばしば相反することからこその内部統制でありコンプライアンス体制なのだ。
こういう会社に法務部門があったとして、その担い手がコンプライアンスの重要性を理解していたならば、さぞ辛い日々を送っているのではないかと思われる。

九電としては、今や何をどうすれば納得が得られるか分からない状態に陥っているようだ。なにしろ自社の報告書を出せば意味不明だと避難され、そうかと言って第三者委員会の報告書に沿った内容にすれば、それはそれで調査報告書の内容に責任を持たない姿勢が顕になってしまう。
もうこうなれば、可能な限り、すべてを明らかにするしかないだろう。第三者委員会があのような結論を出したのはどのような資料に基づいてだったのか、その資料収集過程において九電がどう動いたのか、そして第三者委員会報告書を否定する上での根拠、意思決定過程、自社の報告書の根拠、こういった諸要素を可能なかぎり明らかにして、事実を明らかにすることが歪められたとすればどのような原因に基づくのかを究明し、責任があれば責任の所在をはっきりさせる。

そうしなければ九電に対する信頼は生まれないし、何をやっても疑惑の目でしかみられない。たとえ経産省の役人の了解は取り付けられても、九電の原子力発電は安全性を蔑ろにして経済性を追求し、安全かどうかよりも安全だという意識を植え付けることで成り立っているものと見られ続ける。

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