記事

「TPP審議大詰め 「黒塗り」と「3割未満しか翻訳していない」とは?」

衆議院におけるTPPの審議が本格化してきている。先週の後半からは、総理も入っての集中審議が行われたし、今週の31日にも参考人質疑と集中審議が行われた。僕は衆議院のTPP特別委員会のメンバーなので毎日出席している。

TPP協定と関連法案については前の国会で審議入りし、前の国会で24時間あまり審議をした。

今国会ではこの月曜日までにすでに41時間あまり審議をしていて、内容についても以前は交渉経過の資料を開示せよといったものが多かったのが、今国会においては、食の安全は本当に確保されるのか、輸入米が増えることになっても本当に国産米の値段は下がらないのか、と言った内容の濃い質疑が行われてきている。

かなり詰まってきている、という印象だ。

そういうなか、依然として正しいことが伝わりにくい、と感じることが2つある。

その1つの例が「黒塗り資料」。

TPPに関連して交渉経過を情報公開請求したところ、ほとんど1面黒塗りにされて出されている、と言われている資料のことだ。

確かにあの資料は黒塗りだった。

ただ、外交交渉における経過を情報公開請求すればTPP協定に限らず大体こうなってしまう。

民主党政権下における外交交渉の経過について自民党の議員が情報公開請求したところ、やはり同じように黒塗りの資料が提出された。TPPだけがこうなっていると言う事ではないのだ。

ところが、あのイメージが強すぎるのか時々「TPPについては真っ黒の資料が示すように何も公表されていない」と言われることがあるのは事実。

僕が「あれは交渉経過だから公開できないのであって交渉結果については公開されてますよ」と言うと、不思議そうな顔をされる。

公開されているのは間違いない。内閣官房のウェブサイトを見ていただければ。

http://www.cas.go.jp/jp/tpp/naiyou/index.html

一般的には、概要を見れば大体の内容が分かるが、英文あるいは訳文を見たい場合はそれも見ることができる。国会議員から要求のあった資料や交渉会合時に行ったブリーフィング、よくある質問へのQ&Aも載っている。極めて膨大な量だ。これが公開されている。

それともう一つ。

最近、一部の政党が英文で約8,400ページあるTPP協定全体のうち、日本語に翻訳されている部分が3割に満たないと強調している。

これは数字だけ見るとそうなのだが日本に関係している分については全文翻訳し、公開されている。

TPP協定は大きく3つのパートから成る。

まず、本文は英文で約500ページ、そして附属書が英文で約7900ページほどある。附属書の中には関税率表と呼ばれる表があり、他の国のものもある。ここの部分が大きい。

協定の本文及び附属書の中でわが国の関税率表や投資、サービス、政府調達などの約束、留保の表については全文が日本語に翻訳されている。

その割合が全体から見ると3割ということだ。翻訳されていないのは他国の関税率表の部分などであり、

日本が関係している各国共通のルールなどはすべて日本語に訳されて公開されている。

これまでもこうした国際的な協定については、わが国に関係する表の部分や、各国共通のルールだけが日本語に翻訳されてきていて、従来のやり方と何ら変わるところがない。しかも、今回のTPP協定については、他国の表の部分についても他の11か国全てについてその概要を公表していて、他の協定に比べると情報開示が一歩進んでいる。

であるにもかかわらず、TPPについて肝心なところが公開されていないかのような印象を持っておられる方がいらっしゃるのは残念。

もっとその辺もきちんと説明をしていかなければならないと思う。

地元でもTPPについて聞かれることがよくある。

多くの場合、農家の方からの不安の声だ。TPP協定が批准されれば今よりも輸入農産物が増えていくことが見込まれるわけだから不安に思われるのはある意味当然だと思う。

こうした不安にお答えするための対策をすでに政府は講じようとしているのだがまだまだ十分にそれが届いていない。

こうしたことも合わせて説明する努力が僕に求められている、と痛感する。

あわせて読みたい

「TPP」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    よしのり氏 慰安婦像は不可侵か

    小林よしのり

  2. 2

    橋下氏 百田氏の方が反日本人的

    橋下徹

  3. 3

    ガンダムOVAは原作準拠の劇中劇

    上伊由毘男

  4. 4

    謝罪なく逃走の津田大介氏に呆れ

    やまもといちろう

  5. 5

    冷房つけぬ実家 帰省拒否に共感

    キャリコネニュース

  6. 6

    陛下と対照的な安倍首相の式辞

    小宮山洋子

  7. 7

    文在寅氏にゴマする愚かな韓国紙

    団藤保晴

  8. 8

    慰安婦問題が脅かす欧米の正統性

    NEXT MEDIA "Japan In-depth"

  9. 9

    N国立花氏の戦略は「つたない」

    早川忠孝

  10. 10

    安倍首相の飛翔体巡る対応に苦言

    大串博志

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。