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- 2016年10月31日 02:50
【ウォルマート】、巨大自動ピックアップ機!客数の0.1%が店受け取りでも店はパンク?
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■ウォルマートではネットで注文した商品を店で受け取るオプションとして2種類提供している。一つはカーブサイド・ピックアップとも呼ばれる駐車場で受け取る「グローサリー・ピックアップ」。もう一つは店内で受け取る「ストア・ピックアップ(Store Pickup)」だ車から降りずに生鮮品等を持ち帰れるグローサリー・ピックアップは約3万品目が対象で手数料は無料だが、1回の注文金額は30ドル以上となっている。同サービスは前日の注文で当日受け取れる。
グローサリー・ピックアップは現在、500店舗まで拡大しており、今年末には600店舗展開の計画だ。一方、ほぼ全店で導入されているボピス(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)となるストア・ピックカップはネットで注文できるほぼ全ての商品(生鮮品やマーケットプレイス商品、重量のある商品等は除く)が対象となっており、取扱手数料は無料だ。またストア・ピックアップは在庫が店にない場合が多く、受け取れるまでの時間は商品によってまちまちとなる。
ウォルマートのストア・ピックアップも店によって2種類のオプションがある。ピックアップカウンターで受け取るのが一般的だが、3年前から客数が多い店で一部にロッカーを利用した受け渡しサービスを提供している。
例えばニュージャージー州シコーカスのスーパーセンターではロッカー・ボックスが80近くにもある幅7メートルの大型ロッカーを導入している。この大型ロッカーは場所を取るため、マネーセンターやフォトセンター、カスタマーセンターをふさぐように置かれている。この視認性の悪さかウォルマートは場所を取らないタワー型のロッカーをテストしている。本社近くのアーカンソー州ロジャース店で導入されたのは巨大自販機のような「自動ピックアップ機(automatic pickup machine)」。オレンジ色の自動ピックアップ機は高さが3メートル以上となるため、設置場所には天井を抜いている。使い方はロッカーのようにタッチスクリーンを操作して、自動ピックアップ機から商品を取り出すのだ。
日本で駐車スペースを取らないように立体駐車場が拡大していったように、ウォルマートは売り場面積をとらないようタワー型の自動ピックアップ機を導入するのだろうか?
トップ画像:本社近くのアーカンソー州ロジャース店で導入された巨大自販機のような「自動ピックアップ機(automatic pickup machine)」。オレンジ色の自動ピックアップ機は高さが3メートル以上となるため、設置場所には天井板をはずしている。使い方はロッカーのようにタッチスクリーンを操作して、自動ピックアップ機から商品を取り出すのだ。覆面調査を行うフィールドエージェント(Field Agent)では、自動ピックアップ機を使った動画を公開している。が、スタッフもまだ使い慣れていないようだ。
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ニュージャージー州シコーカスのスーパーセンターに導入されたストア・ピックアップ用の大型ロッカー。ウォルマートは2013年から一部店舗でロッカーをテストしているが、大きさはアマゾンがセブンイレブンに設置している程度のものだった。
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昨年から導入されたこの大型ロッカーは7メートル近くにもなり、大小様々なロッカー・ボックスは80近くにもなる。大型ロッカーはマネーセンターやフォトセンター、カスタマーセンターをふさぐように置かれており邪魔になっている。
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カリフォルニア州立大学ロングビーチ校内にオープンしたばかりの「アマゾン・アット・ザ・ビーチ(Amazon at the Beach)」。アマゾン・アット・ザ・ビーチには受け取り用のアマゾン・ロッカーがあるが、こちらも大きい。
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ネット注文でストアピックアップとなっていたターゲットのカスタマーサービス(昨年のサイバーマンデー)。返品された商品も一緒に置かれていることから、カウンター奥で商品が溢れかえるカオス事態となっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。国内ウォルマートの客数は週、1.4億人に達します。現在、サムズクラブなども含めたウォルマートの国内店舗数は5,300店にも及びます。1店舗当たりの客数は単純計算で週3万人弱。1日当たり約4,300人。1日の客数で仮に0.1%の人がストア・ピックアップを利用して商品を店内で受け取ろうとすると40件の注文数になります。
すぐに受け取りに来るお客もいれば、ストア・ピックアップの最長取り置き期間となる7日間まで取りに来ないお客もいます。したがって1日の客数の0.1%がストア・ピックアップを利用すると、店でのネット注文取り扱い量は1日当たり数百件になる可能性もあります。また、注文も様々で1品のオーダーから、複数の商品もあります。箱にするとサイズは大小さまざま。ピックアップカウンターのみでは対応しきれないのです。利用者の立場から推測すると、ネット注文の宅配だと送料がかかる場合があります。
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ウォルマートは先週、昨年の年末商戦時でのストア・ピックアップ件数が当日ピックアップで通常の5倍、当日以外でも10倍に膨れ上がると発表した。
⇒また留守中に宅配され、ドアの前に置かれていると盗難にあったりします。ネット注文が増えると同時に受け取りにストア・ピックアップを選ぶ人が増えても不思議なことではありません。
ウォルマートが課題にしているのは増加するストア・ピックアップにどう対応するかです。今後5年〜10年先、ストア・ピックアップの1店当たりの取り扱い量がどれだけになるかです。
ところでウォルマートは先週、ストア・ピックアップ件数が年末商戦時に通常の10倍にも膨れ上がると発表しました。店によってはピックアップ専用カウンターや巨大ロッカーだけでは対応しきれなくなります。ロッカーを拡大すれば売場をふさいでしまいます。ニュージャージー州シコーカスのスーパーセンターに導入されたストア・ピックアップ用の大型ロッカーのようにマネーセンターやフォトセンター、カスタマーセンターをふさいでしまいクレームにななります。場合によっては売り場の坪効率が悪くなります。で、苦肉の策?としてタワー型の自動ピックアップ機のテストです。
3メートル以上の高さとなる自動ピックアップ機のキャパを上回るほど、ストア・ピックアップが増加するのでしょうか?その場合はピックアップ専用の別館をつくりしかありません。
■ウォルマートではネットで注文した商品を店で受け取るオプションとして2種類提供している。一つはカーブサイド・ピックアップとも呼ばれる駐車場で受け取る「グローサリー・ピックアップ」。もう一つは店内で受け取る「ストア・ピックアップ(Store Pickup)」だ車から降りずに生鮮品等を持ち帰れるグローサリー・ピックアップは約3万品目が対象で手数料は無料だが、1回の注文金額は30ドル以上となっている。同サービスは前日の注文で当日受け取れる。
グローサリー・ピックアップは現在、500店舗まで拡大しており、今年末には600店舗展開の計画だ。一方、ほぼ全店で導入されているボピス(BOPIS:Buy Online Pickup In Store)となるストア・ピックカップはネットで注文できるほぼ全ての商品(生鮮品やマーケットプレイス商品、重量のある商品等は除く)が対象となっており、取扱手数料は無料だ。またストア・ピックアップは在庫が店にない場合が多く、受け取れるまでの時間は商品によってまちまちとなる。
ウォルマートのストア・ピックアップも店によって2種類のオプションがある。ピックアップカウンターで受け取るのが一般的だが、3年前から客数が多い店で一部にロッカーを利用した受け渡しサービスを提供している。
例えばニュージャージー州シコーカスのスーパーセンターではロッカー・ボックスが80近くにもある幅7メートルの大型ロッカーを導入している。この大型ロッカーは場所を取るため、マネーセンターやフォトセンター、カスタマーセンターをふさぐように置かれている。この視認性の悪さかウォルマートは場所を取らないタワー型のロッカーをテストしている。本社近くのアーカンソー州ロジャース店で導入されたのは巨大自販機のような「自動ピックアップ機(automatic pickup machine)」。オレンジ色の自動ピックアップ機は高さが3メートル以上となるため、設置場所には天井を抜いている。使い方はロッカーのようにタッチスクリーンを操作して、自動ピックアップ機から商品を取り出すのだ。
日本で駐車スペースを取らないように立体駐車場が拡大していったように、ウォルマートは売り場面積をとらないようタワー型の自動ピックアップ機を導入するのだろうか?
トップ画像:本社近くのアーカンソー州ロジャース店で導入された巨大自販機のような「自動ピックアップ機(automatic pickup machine)」。オレンジ色の自動ピックアップ機は高さが3メートル以上となるため、設置場所には天井板をはずしている。使い方はロッカーのようにタッチスクリーンを操作して、自動ピックアップ機から商品を取り出すのだ。覆面調査を行うフィールドエージェント(Field Agent)では、自動ピックアップ機を使った動画を公開している。が、スタッフもまだ使い慣れていないようだ。
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ニュージャージー州シコーカスのスーパーセンターに導入されたストア・ピックアップ用の大型ロッカー。ウォルマートは2013年から一部店舗でロッカーをテストしているが、大きさはアマゾンがセブンイレブンに設置している程度のものだった。
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昨年から導入されたこの大型ロッカーは7メートル近くにもなり、大小様々なロッカー・ボックスは80近くにもなる。大型ロッカーはマネーセンターやフォトセンター、カスタマーセンターをふさぐように置かれており邪魔になっている。
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カリフォルニア州立大学ロングビーチ校内にオープンしたばかりの「アマゾン・アット・ザ・ビーチ(Amazon at the Beach)」。アマゾン・アット・ザ・ビーチには受け取り用のアマゾン・ロッカーがあるが、こちらも大きい。
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ネット注文でストアピックアップとなっていたターゲットのカスタマーサービス(昨年のサイバーマンデー)。返品された商品も一緒に置かれていることから、カウンター奥で商品が溢れかえるカオス事態となっている。
⇒こんにちは!アメリカン流通コンサルタントの後藤文俊です。国内ウォルマートの客数は週、1.4億人に達します。現在、サムズクラブなども含めたウォルマートの国内店舗数は5,300店にも及びます。1店舗当たりの客数は単純計算で週3万人弱。1日当たり約4,300人。1日の客数で仮に0.1%の人がストア・ピックアップを利用して商品を店内で受け取ろうとすると40件の注文数になります。
すぐに受け取りに来るお客もいれば、ストア・ピックアップの最長取り置き期間となる7日間まで取りに来ないお客もいます。したがって1日の客数の0.1%がストア・ピックアップを利用すると、店でのネット注文取り扱い量は1日当たり数百件になる可能性もあります。また、注文も様々で1品のオーダーから、複数の商品もあります。箱にするとサイズは大小さまざま。ピックアップカウンターのみでは対応しきれないのです。利用者の立場から推測すると、ネット注文の宅配だと送料がかかる場合があります。
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ウォルマートは先週、昨年の年末商戦時でのストア・ピックアップ件数が当日ピックアップで通常の5倍、当日以外でも10倍に膨れ上がると発表した。
⇒また留守中に宅配され、ドアの前に置かれていると盗難にあったりします。ネット注文が増えると同時に受け取りにストア・ピックアップを選ぶ人が増えても不思議なことではありません。
ウォルマートが課題にしているのは増加するストア・ピックアップにどう対応するかです。今後5年〜10年先、ストア・ピックアップの1店当たりの取り扱い量がどれだけになるかです。
ところでウォルマートは先週、ストア・ピックアップ件数が年末商戦時に通常の10倍にも膨れ上がると発表しました。店によってはピックアップ専用カウンターや巨大ロッカーだけでは対応しきれなくなります。ロッカーを拡大すれば売場をふさいでしまいます。ニュージャージー州シコーカスのスーパーセンターに導入されたストア・ピックアップ用の大型ロッカーのようにマネーセンターやフォトセンター、カスタマーセンターをふさいでしまいクレームにななります。場合によっては売り場の坪効率が悪くなります。で、苦肉の策?としてタワー型の自動ピックアップ機のテストです。
3メートル以上の高さとなる自動ピックアップ機のキャパを上回るほど、ストア・ピックアップが増加するのでしょうか?その場合はピックアップ専用の別館をつくりしかありません。