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- 2016年10月31日 05:00
キャリアコンサルタントが自身のキャリアを描けない、という笑えない話について。(後藤和也 産業カウンセラー/キャリアコンサルタント)
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先日、私立大学がもっとも取り組んでいる施策が「就職支援」が第1位となった、という記事を目にした。
大学全入時代を迎え、各大学はあの手この手で学生集めに奔走しているが、その有力なツールとして「就職支援」が活用されていると言える。
「キャリアコンサルタント」という言葉は、どこかで聞いたことがあるかもしれないが、その実際について熟知している人は少ないだろう。「就職をあっせんしてくれる人かしら?」くらいの認識かもしれない。
厚生労働省の定義によれば、「 「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」を指し、「キャリアコンサルティングを行う専門家をキャリアコンサルタント」としている(厚生労働省HP「キャリアコンサルティング」2016/10/27確認)。
上記をわかりやすく言えば、単に就職や転職のあっせんではなく、ある人が(職業)人生を豊かに生き抜くために、相談や助言を行い支援していく専門家がキャリアコンサルタント、となるだろう。思いのほか壮大な使命を持った資格だなあ、と思われたのではないだろうか。
なお、後述するが、本稿で紹介するキャリアコンサルタントは資格名称であり職名ではないことにご留意いただきたい。
元々は長引く景気の悪化を受け、厚生労働省が決定した「キャリア・コンサルタント5万人計画」を受け、民間資格としての「キャリア・コンサルタント」資格認定が開始されたことによるものであった。平成28年3月末日現在で、45,785人のキャリアコンサルタントが存在する(キャリアコンサルティング協議会「標準レベルキャリア・コンサルタント等 有資格者数」)。
しかしながら、相当数のキャリアコンサルタントが確保される一方で、彼らの受け皿、すなわち就職先が不足している、という実態がある。踏み込んでいえば、「安定した」就職先の不足、ということだ。例えば、冒頭の記事のように大学におけるキャリアコンサルタントの求人を見てみても、そのほとんどが有期雇用又は嘱託等の非正規雇用である。
別記事「ハローワークでサービス残業が起きた理由」でも紹介したが、多くのキャリアコンサルタントが勤務するハローワーク相談員もほとんどが非常勤だ。
非常勤相談員の待遇は、インターネットの求人サイトで複数検索してみたところ、月収で15万~25万円ほどであり、ボーナスは無しのため、年収で180~300万円程度となる(勿論、勤務条件には程度の差があろう)。ちなみに、人事院勧告の資料によれば、正規の国家公務員における35歳係長で、モデル年収が460万円弱であり、専門職であるにもかかわらず、キャリアコンサルタントの年収が極めて低額に設定されている。
■就職支援は学生募集の有力なツール
日本私立学校振興・共済事業団私学振興事業本部は、2015(平成27)年度「私立大学・短期大学教育の現状」を公表。私立大学が行っている取組みのうち、もっとも多かったのは「就職支援」で89.0%。卒業後の進路や心身のサポートまで、私立大学が学生を細かくケアしているようすがわかった
リセマム「私大がもっとも取り組んでいること、1位は就職支援」2016/10/21
大学全入時代を迎え、各大学はあの手この手で学生集めに奔走しているが、その有力なツールとして「就職支援」が活用されていると言える。
■キャリアコンサルタントとは何者なのか
さて、上記の「就職支援」の主体は各大学のキャリアセンター(就職部等、大学によって呼称は異なる)である。そして、キャリアセンターで個別の相談を行っているのが、キャリアコンサルタント(キャリアカウンセラー等とも呼ばれるが、本稿では国家資格名称であるキャリアコンサルタントで統一する)である。「キャリアコンサルタント」という言葉は、どこかで聞いたことがあるかもしれないが、その実際について熟知している人は少ないだろう。「就職をあっせんしてくれる人かしら?」くらいの認識かもしれない。
厚生労働省の定義によれば、「 「キャリアコンサルティング」とは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」を指し、「キャリアコンサルティングを行う専門家をキャリアコンサルタント」としている(厚生労働省HP「キャリアコンサルティング」2016/10/27確認)。
上記をわかりやすく言えば、単に就職や転職のあっせんではなく、ある人が(職業)人生を豊かに生き抜くために、相談や助言を行い支援していく専門家がキャリアコンサルタント、となるだろう。思いのほか壮大な使命を持った資格だなあ、と思われたのではないだろうか。
なお、後述するが、本稿で紹介するキャリアコンサルタントは資格名称であり職名ではないことにご留意いただきたい。
■キャリアコンサルタントの求人は?
平成28年4月より、キャリアコンサルタントが国家資格化された、というニュースが報じられた。それまでは、民間資格として「標準レベルキャリアコンサルタント」及び国家検定としての「キャリアコンサルティング技能士」が存在した(後者は現在も国家資格と併存している)。元々は長引く景気の悪化を受け、厚生労働省が決定した「キャリア・コンサルタント5万人計画」を受け、民間資格としての「キャリア・コンサルタント」資格認定が開始されたことによるものであった。平成28年3月末日現在で、45,785人のキャリアコンサルタントが存在する(キャリアコンサルティング協議会「標準レベルキャリア・コンサルタント等 有資格者数」)。
しかしながら、相当数のキャリアコンサルタントが確保される一方で、彼らの受け皿、すなわち就職先が不足している、という実態がある。踏み込んでいえば、「安定した」就職先の不足、ということだ。例えば、冒頭の記事のように大学におけるキャリアコンサルタントの求人を見てみても、そのほとんどが有期雇用又は嘱託等の非正規雇用である。
別記事「ハローワークでサービス残業が起きた理由」でも紹介したが、多くのキャリアコンサルタントが勤務するハローワーク相談員もほとんどが非常勤だ。
非常勤相談員の待遇は、インターネットの求人サイトで複数検索してみたところ、月収で15万~25万円ほどであり、ボーナスは無しのため、年収で180~300万円程度となる(勿論、勤務条件には程度の差があろう)。ちなみに、人事院勧告の資料によれば、正規の国家公務員における35歳係長で、モデル年収が460万円弱であり、専門職であるにもかかわらず、キャリアコンサルタントの年収が極めて低額に設定されている。
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