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- 2011年08月24日 17:16
根拠のない放射線対策チラシが配られていたようです
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どらねこは先日、ツイッター経由で次のような相談を頂きました。※原文とは変えております
そうはいっても、チラシ配りを黙認し、マクロビオティックの主張が広がってしまうのも避けたいところです。その為には消極的ではありますが、まだ入りこんで居ない人にその問題点を知らせ、広まらないようにする事が個人の負担にならない妥当な方法であると考えます。
新たに嵌ってしまう人を出さないためにアドバイスをするためには、書かれている内容のどこがおかしく、何が問題であるのかをある程度理解しておく必要があるでしょう。
では、どんなチラシなのか、早速見てみようと思うのですが、チラシのpdfファイルをネットからダウンロードが出来る事を教えていただきました。
掲載されているのは正食協会の公式サイトのトップページにあるそうです。ところで正食協会とはどんな団体なのでしょうか?
さて、肝心の冊子は次のURLから閲覧することが出来ます。早速中身を読み進めて行きます。
pdfファイルは2ページ構成で、1ページ目では食養家の岡部賢二氏という方が放射線の話と対策となる食生活について、2ページ目は原爆症に向き合った長崎の秋月医師の特集となっております。このエントリでは、岡部賢二氏の主張についてpdfを引用しながら検証したいと思います。
何の脈絡もなく、陰性陽性というコトバが登場しておりますので、よく知らない方は「えっ?」となると思いますが、マクロビオティックを実践している人にとっては放射線は陰性の性質を持っていると理解されているので、違和感なく読み進められるのでしょう。このマクロビオティックの考え方では、陰性に傾いた場合、陽性の物質などを摂る事で、中庸に近づくされております。なので放射線に対抗するためには自然に陽性のモノを身体に入れるという理屈になるのです。科学の文脈にさりげなくマクロビオティックの独自理論が挿入される意図はどんなものが考えられるでしょう。これがマクロビオティックのニセ科学性の一つであると思います。
陰性の放射線に対抗するには陽性の物質で対抗しよう、では陽性の物質には何があるのでしょう。マクロビオティックでの陽性食品の代表格は食塩など塩辛いモノが挙げられます。
リンク先を見る
つまり、陽性の赤外線は強力な拡散性で身体をゆるめてしまうといってるんですよね。彼等の主張はこの時点で破綻しております。
では、次にすすみましょう。
次に30センチ(30cm)の塩の壁は放射線が透過しないと書いておりますが、この説明も乱暴です。効果を述べるためにはまず、どの放射線について語っているのかを明確にする必要があるでしょう。放射線には幾つかの種類があり、α線は透過力が弱く、紙のようなものでも遮蔽することが出来ます。それに対し、中性子線やγ線については透過力が高いことが知られており、ある程度の厚みを持たせた鉛やコンクリートなど防護する事になります。引用文のような書き方では、塩の壁は他の物質に比べて放射線を通しにくいのだな、と読者に誤解を与え兼ねないと思います。なぜなら塩を持ち出すぐらいなら水をまず挙げれば良いのですから。燃料棒が水を満たしたプールに入れられている事を考えてください。放射線は水で遮蔽できるんですよ。
結局、上記の主張は塩の有用性を謳いたいが為に作られたものだということです。それ以上のモノではありません。
マクロビに詳しい人がいて、その人があるチラシを保育園中に配っていて、その中身は塩や海藻、味噌で放射線から身を守る事ができるというものなのです。放置するべきか指摘をするべきか・・・悩んでいます。チラシを配っている方に伝えても反感を買うだけで終わりになると思うので、あまり無理をしない方が良いかも知れませんね、と消極的な返事をしてしまいました。本当は問題点を指摘して、理解をしてもらいたいところなのですが、一度入りこんでしまった方を説得することは非常に困難であるからです。中途半端に介入すれば、人間関係を損なったり、反発を招いたり、指摘した本人が中傷を受ける事すら心配されるからです。もし、当事者が身体を壊してしまい、何らかのアドバイスが必要な時には近い距離に留まっていれば何とか声を掛ける事が可能であるかも知れません。心配であれば、関係を壊さないで維持できていた方が良いでしょうから。
そうはいっても、チラシ配りを黙認し、マクロビオティックの主張が広がってしまうのも避けたいところです。その為には消極的ではありますが、まだ入りこんで居ない人にその問題点を知らせ、広まらないようにする事が個人の負担にならない妥当な方法であると考えます。
新たに嵌ってしまう人を出さないためにアドバイスをするためには、書かれている内容のどこがおかしく、何が問題であるのかをある程度理解しておく必要があるでしょう。
正食協会
では、どんなチラシなのか、早速見てみようと思うのですが、チラシのpdfファイルをネットからダウンロードが出来る事を教えていただきました。
掲載されているのは正食協会の公式サイトのトップページにあるそうです。ところで正食協会とはどんな団体なのでしょうか?
【正食協会】ttp://www.macrobiotic.gr.jp/正食協会は、桜沢の弟子である岡田周三が設立したマクロビオティックの普及団体で主に西日本を拠点に活動を行っておりまして、関連団体にマクロビ食材を販売するムソー食品という会社があります。どらねこの観測範囲では、特に九州でお勉強会などを活発に行っている事を確認しております。
設立1956年(昭和31年)。マクロビオティックの創始者で玄米菜食を世界に広めた桜沢如一の意志を受けた岡田周三によって正食協会の活動は始まりました。
1958年(昭和33年)、現「むすび」誌の前身「健康と平和」を創刊。以来半世紀、一貫してマクロビオティックの普及と啓発活動に努めています。
さて、肝心の冊子は次のURLから閲覧することが出来ます。早速中身を読み進めて行きます。
info@musubi vol1
pdf http://www.macrobiotic.gr.jp/
放射線の問題と対応策は?
pdfファイルは2ページ構成で、1ページ目では食養家の岡部賢二氏という方が放射線の話と対策となる食生活について、2ページ目は原爆症に向き合った長崎の秋月医師の特集となっております。このエントリでは、岡部賢二氏の主張についてpdfを引用しながら検証したいと思います。
活性酸素の発生により機能低下や老化の原因に放射線の害が問題化していますが、どのような対策によってその害から身を守ることができるのでしょうか。ちょっと気になるところがありますが、一般に放射線曝露がどうして害となるのか、また、子どもの方がリスクの高いことを簡潔に説明しておりますね。科学的な用語を散りばめながらの文章をフムフムと読み進めていくと、雰囲気の違う文章が突然出現します。
放射線の問題点は、それを過剰に浴びると甲状腺ガンや白血病を招いたりすることです。まだ成長段階にある細胞が放射線を受けると、遺伝子が損傷し、プログラムミスによりガンや奇形といった成長・発育障害が引き起こされます。ですから大人よりも子どもにその害が出やすいということになります。
陰性の性質は「冷やす」「ゆるめる」「溶かす」働きなどで代表されます。言葉を換えれば、広がっていこうとする拡散性や遠心性とみることができます。それに対して陽性の性質とは「温める」「しめる」「固める」働きに象徴されます。言い換えると縮こまっていこうとする収縮性や求心性ととらえることができます。この陰陽の尺度をつかって放射線を見ていくと、その対策を講じることができます。
何の脈絡もなく、陰性陽性というコトバが登場しておりますので、よく知らない方は「えっ?」となると思いますが、マクロビオティックを実践している人にとっては放射線は陰性の性質を持っていると理解されているので、違和感なく読み進められるのでしょう。このマクロビオティックの考え方では、陰性に傾いた場合、陽性の物質などを摂る事で、中庸に近づくされております。なので放射線に対抗するためには自然に陽性のモノを身体に入れるという理屈になるのです。科学の文脈にさりげなくマクロビオティックの独自理論が挿入される意図はどんなものが考えられるでしょう。これがマクロビオティックのニセ科学性の一つであると思います。
陽性の食品でガード?
陰性の放射線に対抗するには陽性の物質で対抗しよう、では陽性の物質には何があるのでしょう。マクロビオティックでの陽性食品の代表格は食塩など塩辛いモノが挙げられます。
放射線の性質は、物を透過して遠くに広がろうとする強力な拡散性です。ですから原爆症は、爪や皮膚が溶けてケロイド化し、毛穴が開いて髪の毛が抜けたり、原爆の場合は熱線によって一瞬で身体が溶けて揮発してしまうという点です。爪や皮膚が溶けたのは主に核反応により生じた高温の熱線の作用ですね。そして、引用文にもあるとおり、原爆はその熱線により、一瞬で身体を蒸発させてしまったと伝えられております。しかし、ここに違和感を覚えます。ちょっと考えてみましょう。熱線とは何でしょうか?それは主に赤外線の事をさす言葉です。こちらのページでマクロビオティックの陰陽表を見ることが出来るのですが、赤外線は陽性であると書かれているのです。
<中略>
この時に、陰性の強い砂糖を含む食べ物や、果物、アルコールなどを摂取すると、非常に危険であるということです。
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つまり、陽性の赤外線は強力な拡散性で身体をゆるめてしまうといってるんですよね。彼等の主張はこの時点で破綻しております。
では、次にすすみましょう。
反対に塩は砂糖と比べると陽性で収縮性が強く、きゅうりやナスを塩でもんだり、塩漬けしておくと縮んでいきます。ですからこの塩を上手に使うことで、放射線から身を守ることができるのです。30センチの塩の壁を造ると放射線は透過できないといわれています。人間の場合も同様で、海水を煮詰めて作ったよい塩気をしっかり補給して体内に循環させておけば、放射線の害からかなり身を守ることができます。放射線でゆるんだ身体は食塩で縮めれば良いと主張しておりますが、きゅうりやナスを陰性のはずの砂糖でもんだり、砂糖漬けにしても同じように縮むのを知らないのでしょうか。彼等の陰陽原理が如何にいい加減なものか十分実証できたと思いますが、もう少し続けましょう。
次に30センチ(30cm)の塩の壁は放射線が透過しないと書いておりますが、この説明も乱暴です。効果を述べるためにはまず、どの放射線について語っているのかを明確にする必要があるでしょう。放射線には幾つかの種類があり、α線は透過力が弱く、紙のようなものでも遮蔽することが出来ます。それに対し、中性子線やγ線については透過力が高いことが知られており、ある程度の厚みを持たせた鉛やコンクリートなど防護する事になります。引用文のような書き方では、塩の壁は他の物質に比べて放射線を通しにくいのだな、と読者に誤解を与え兼ねないと思います。なぜなら塩を持ち出すぐらいなら水をまず挙げれば良いのですから。燃料棒が水を満たしたプールに入れられている事を考えてください。放射線は水で遮蔽できるんですよ。
結局、上記の主張は塩の有用性を謳いたいが為に作られたものだということです。それ以上のモノではありません。



