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中国が日本国債の保有高を増加させている背景とは

 中国による日本国債への投資が大きく増加している。23日付けの日経新聞によると、中国から日本国内への証券投資は今年1月から最新データの8月までで8兆9000億円の買い越しとなった(財務省の対内証券投資より)。増加しているのは満期までの期間が1年以下と短い国庫短期証券などの国債が中心となっているようである。

 これに対して「MAJOR FOREIGN HOLDERS OF TREASURY SECURITIES」によると、中国の米国債保有高は年初に比べ8月の保有高は530万ドル減少しており、中国は米国債の保有高を減少させて日本国債の保有高を大きく増加させた格好となっている。

 金利の動きからみて、特段に日本国債が有利になっていたわけではなく、短期ゾーンではマイナス金利が続いていた。米債も利回りが7月まで低下傾向にあり、むしろ米国債を保有していたほうが有利であったはずである。

 日経新聞では中国には人民元の国際化に向け、ドルの一極集中を弱めたいとの考えがあるとの指摘があり、今回の米国債から日本国債へのシフトはそのような思惑が働いていた可能性がある。

 FRBはいずれ利上げするであろうとの読みや日銀は緩和政策を続けざるを得ないとの読みもあったかもしれない。しかし、日本国債は短期債主体に購入していることから、金利の先行きを睨んだものというよりも、ポートフォリオのリバランス、さらには単純に利益を追求していた可能性もある。

 日本国債の10年以下の国債の金利はマイナスとなっているが、海外投資家は中短期債主体に積極的に購入している。これはドルを円に替えるだけで一定のプレミアムが得られるためであり、多少のマイナス金利であっても利益が出る。これを短期債で行えば、期間によるリスクも低いことで一定の利益も確定できる。これを使って、中国の外貨準備を運用する中国人民銀行が結果としてポートフォリオのリバランスを狙っていた可能性もある。

 米国債から日本国債へのシフトについて、何かしら政治的な意図があるのかまではわからないが、結果として中国はドル集中、米国債集中型から一部を円、日本国債の保有増となっている。ちなみに8月の米国債保有高は中国が依然としてトップながらも1兆1851億ドルと日本の1兆1440億ドルに近づいている。いずれ逆転する可能性もあるのかもしれない。

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