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【読書感想】99%の会社はいらない

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リンク先を見る99%の会社はいらない (ベスト新書)

内容(「BOOK」データベースより)
世の中には「忙しい、忙しい」と言っている人は意外と多い。だが僕も仕事をしている量で言えば、「忙しい」と口にしている人たちと同じか、それ以上だ。にもかかわらず、「そんなにたくさん仕事をしていない」と感じる。なぜなら僕は「自分の時間」で忙しい、だから楽しい忙しさなのだ。しかし世の中の人は「他人の時間」で忙しい。忙しくて不幸だと感じてしまう。その元凶の一つが、「会社」という仕組みだ。会社に属することは「他人の時間」に縛られることでしかない。本書は会社に代わる組織のカタチと、新しい働き方を記したものである。


 いわゆる「煽りタイトル」みたいではあるのですが、内容的には「本当に会社勤めがそんなに良いの?」と問いかけてくる本です。

 総務省の統計によれば、2016年の労働人口は6396万人と発表されている。そのうちの約8割が、雇用者といわれている人の数だそうだ。つまり、日本の大多数の社会人が「会社」という枠組みに属していることになる。
 僕は常日頃から起業を勧めてきた。それは僕自身が起業することによって、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)を高めることができたと実感しているからだ。
 嫌々会社に通い、楽しいと思えない仕事ややりたくもない仕事をして、日々を過ごす。どんなに頑張って仕事をしても給料はほとんど上がらない。早く仕事をこなせばこなすほど、給料は変わらないのに仕事量だけが増え、「ダラダラと仕事をした方が残業代も出て得をするのではないか?」ということが、頭の中でチラつく。


 確かに、仕事というのは、どんどんこなしていけば減っていき、早く帰れる、というわけじゃないんですよね。組織では、「できる人」のところに、どんどん仕事が集まってくる傾向があるのです。
 そして、どんなにやりたい仕事であっても、その中には「あまりやりたくない要素」みたいなものも含まれてしまうのは事実です。
 医者だったら、患者さんと接したり、手術をするのは好きでも、レセプトという医療費を申請するための書類チェックや診断書きは憂鬱、という人もけっこういます。僕自身は、人と接するのも処置をするのも……という感じなので、論外だとしても。


 この新書で堀江さんの話を読んでいると、起業することそのものは、そんなに難しくないのだ、ということがわかります。
 うまくいくかどうかはさておき、というか、「うまくいく」のハードルが高すぎるから、なかなか踏み出せない、というのはあるのかもしれません。
 起業家がみんなスティーブ・ジョブズや孫正義、堀江貴文みたいに「みんなに名前を知られる有名人」になれるわけでもないけれど、そうなる必要もないのです。

 ただ、ビジネス視点で見たとき、メジャーな世界よりもマイナーな世界で成功している人の方が実は多いのだ。上場企業の社長にならずとも、中小企業の社長で年収1億円程度稼いでいる人が世の中にはゴロゴロいるのと同じであるだから、マイナーな世界にいる人でも無理してメジャーの世界に行こうとしない状況がある。
 これがネットの世界ともなると、その傾向はかなり強い。ネットというのは、世界中につながっている。普通に商売をしていれば、一部の地域でしか販売できないものを世界中に販売することだってできる。
 たとえば、Yeo Inhyeok(ヨウ・インヒョク)という元京大生のYouTuber。学生時代にアカペラサークルに所属していた彼は、グラミー賞を受賞した楽曲の各パートを一人アカペラで録画・録音し、それを重ねた多重アカペラ作品をYouTubeに公開。一人ゴスペラーズとも言える、その楽曲の素晴らしさは、日本どころか世界中の人々の心を鷲掴みにし、作品の動画総再生回数は300万回以上。世界各国のテレビ・ラジオ番組で引っ張りだこの存在となった。
 日本のサブカルコンテンツのアニメや漫画、ゲーム、音楽、ファッションなどの情報発信や商品のネット販売を行なう『Tokyo Otaku Mode』も同様だ。日本のみならず、世界に向けて情報発信を行なうことで大注目を浴び、Facebookページで1800万以上の「いいね!」を獲得(2016年6月時点)、2014年にはクールジャパン機構から15億円の出資を受けることも決定されているが、そんな状況にもかかわらず、いまだ上場というメジャーの場に足を踏み入れていない。
 彼らが日本という限定された狭い世界に向けて展開していれば、これほどまでの大爆発は難しかったかもしれない。仮に興味を持ってくれる人が人口の0.0001%だった場合、1万人に一人しか興味を持たない、かなりマイナーでニッチなものだからだ。しかし、たとえマイナーであっても、ネットは世界中につながっている。世界中の70億人を相手にすることができ、興味を持ってくれる人が0.0001%いれば、70万人の潜在的な顧客がいるのだということを忘れないでほしい。

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