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またも制度の犠牲者が出た

温泉旅館、過去にも2人死亡 硫化水素との関係も捜査

朝日新聞デジタル 10月21日

 北海道足寄(あしょろ)町の旅館「オンネトー温泉 景福」で2014年10月、男性入浴客が浴槽内で倒れて重体に陥る事故があり、道警が業務上過失傷害の疑いで捜査している。事故直後の保健所の測定では、温泉に含まれる硫化水素ガス濃度が国の基準を大幅に超えていた。この施設では以前にも2人が同じ浴槽で倒れて死亡しており、道警はこの2件についても経緯を慎重に調べている。

 事態を重く見た環境省は今年9月に再発防止に向けた検討会を設置し、硫化水素を含む温泉の安全対策について基準を見直す方向で検討している。

 地元消防や男性の親族の話によると、重体となったのは東京都内の男性(52)。14年10月8日夜、浴槽内で意識を失っているのが見つかった。搬送先の病院で硫化水素ガス中毒の疑いによる脳機能障害と診断され、現在は意識不明で寝たきり状態となっている。

 事故のあった同じ浴室では重体となっている男性以外にも、13~14年に3人が救急搬送され、うち2人が亡くなっていた。搬送先の病院によると、13年に亡くなった64歳の男性は「溺死(できし)」、14年に亡くなった38歳の男性は心臓に血が行き渡らなくなる「虚血性心疾患」と診断されていた。

 病院側は今年9月、取材に対して「当時は硫化水素ガス中毒を疑わず、血液や尿の分析など詳しい検査をしなかった。同じ浴室からの搬送が相次いだことを考えると、今思えば中毒がきっかけという可能性は捨てきれない」と説明。病院は2人の診療記録を道警に提出し、道警が硫化水素との関係を慎重に調べている。

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「病院は2人の診療記録を道警に提出し、道警が硫化水素との関係を慎重に調べている。」というが、慎重という言葉の意味は、つまりは、何もできないし、しないということだろう。

パロマのガス湯沸かし器の時もそうだが、日本は死因究明制度がでたらめゆえ、同じ原因で何人も犠牲者が出てしまう。

他の国であれば、これまで担当医として診てこなかった方の死体を検案した場合は、警察へ異状死届け出をすべきこととなっているし、警察はそうした死体を相当の確率で解剖などの法医学的検査に回している。少なくとも、この報道にある38歳の男性は、若いので、間違いなくほかの国であれば解剖されただろうし、64歳の男性も、溺死なのか、病死なのかわからないので、かなりの確率で解剖されただろう。結果的に、ほかの国であれば、のちに重体となった犠牲者を発生させずに済んだと考えられる。

日本の場合、警察に異状死届け出をしても、警察は相手にしてくれないし、そうしたことから、医師には届け出自体をしない癖がついている。結果的に、本来犠牲にならずに済んだ人まで犠牲になってしまっている。

一時期は、死因究明制度を改善させようとの動きもあったが、最近は警察庁も厚生労働省も、逆の動きを見せている。国全体が国民を見殺しているのだが、とんでもない国だと思う。こういう事態が発生することは、以前から政府の検討会などでも指摘されてきたにもかかわらず、役人は故意に無視しているわけで、一度国賠訴訟でも起こされたほうがよさそうだ。

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