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中国は「日本製」に頼り続けるか?

かつて日本人はメードインUSAに憧れました。僕が高校生の時、ソニーストアや青山の紀伊国屋、時として銀座辺りまで足を伸ばして面白いものを見つける為に「徘徊」していました。何故そこまでして「舶来」を求めたのか、今考えてみれば、日本にない珍しさ以外の何者でもなかったわけです。

実際、僕がカナダに住むようになった約20年前、北米のものがたくさん買えるとうきうきしたもののそれから数年もしないうちにその「夢」は敗れ去りました。例えば、洋服。白人のスレンダーで背が高くて顔が小さい人が着れば似合うだろうな、と思うデザインに僕は手が出ませんでした。長い丈のTシャツはただでさえ背が低いのに余計低く見えてしまいます。ですので今はほとんどの「必需品」は日本で買ってきます。微妙な仕様の問題もこちらの商品では僕の満足感が出ないのです。

今、多くの日本の企業が中国に進出し、大きく売上げを伸ばしています。が、今後、優劣がはっきり出てくるときが来ると思います。(もう、でているかもしれませんね。)それは日本仕様のものをそのまま中国で売ってやしないか、ということです。

ここバンクーバーには某有名100円ショップの海外店があります。店を覗くと白人や中国人には分からないだろうな、と思われる商品が満載で説明もろくについていません。風呂のイスとか、日本語で「犬注意」という看板とか、僕には無謀な商売の仕方だと思っています。結果としてそこそこ儲かっているせいか、店側が気に留めているという感じはしませんでした。

中国で日産自動車のシェアが急速に伸びたのは中国仕様の車を作ったからに他なりません。中国人は見た目のデラックスさを大事にしますし、後部座席に人を乗せることも多いのです。その際の足元のゆとりが後部座席に乗った人の印象付けをするのです。そこで日産自動車は後部座席のレッグルームを広く取り、見た目に高級感を持たせたことで成功しました。

かつて秋葉原で中国人が炊飯器をたくさん買って行った、という話がありました。僕はこのブームはすぐに去る、とみていました。何故でしょう?中華料理のライスは水分を飛ばし、炒めることが多いのです。日本の米は水分含有量が多く、更にそこに水を足すこととでうまい水を多く吸い込んだご飯を炊き上げる技術なのです。しかし、そのようなご飯を食べる文化を持つ国は世界を見渡しても少ないのです。

もうひとつ、モノマネだろうが、技術を盗んだのだろうが、どうあるにせよ、結果として中国は製品の内製化、つまり、国内で今後どんどん作り上げるでしょう。そして、中国国内メーカーは中国人の生活、文化、社会に見合った商品として世に送り出していくはずです。そのとき、日本は敗戦します。

僕がこのブログで日本人の国際化の重要性を謳っているのはそこにあります。多くの日本人は日本でしか生活したことがありません。そして、日本のものは世界一品質が優れていると自負しています。が、それは日本人の驕りです。日本人と中国人は同じ価値観ではありません。

いみじくも僕がメードインUSAに憧れたものの結果としていまや、北米製には見向きもしなくなったことは北米の商品がアジアをターゲットとしていなかったからです。

もう一つ、世界には自国製品に対する愛があります。カナダからアメリカに行けば「アメ車がこんなに走っている」とビックリします。中国の自国に対する気持ちはアメリカのそれよりももっと強いでしょう。

そこまで分かっている中で日本が生き残る道を模索するには市場を知ること、そして日本人のメンタリティーを一度忘れてその国のスタンダードを見つめなおすことから始まります。2−3年の駐在では絶対に分かりえないものがあると思います。

今日はこのぐらいにしておきましょう。

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