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「校閲ガール」で甦る校閲の思い出

日本テレビ系で『地味にスゴイ! 校閲ガール』というドラマが放映中だ。

出版界の末端にいると、ついこの手のドラマは見てしまうのだが、視聴率はなかなかよいそうだ。やはり石原さとみの魔力だろうか。
もっとも巷では、本当の校閲は、こんな仕事じゃない! ありえねえ! という批判も飛び交っているそうだが、ドラマでそれをいっちゃあオシマイよ。だいたい、どんなドラマも実態とは全然違うものではないか。どこにそんな刑事がいる、どこにあんな医者がいる?

近年、マスコミ、とくに出版界を舞台にしたドラマが目立つ気がする。ミステリードラマでは、報道系の新聞社や週刊誌などの編集部が、刑事ドラマと一体化するほど昔からあったが、今度は目先を変えてマンガ雑誌の編集部とか漫画家そのもの、ほかにファッション誌、タウン誌、辞書編纂室、あるいは広告業界……といったところが目に止まる。

おそらくだが、原作者が身の回りから題材を拾うようになったんじゃないかと思う。特殊な仕事ではなく一般的なうえに身近にあるから取材も楽、それでいて世間的には珍しいからウケやすいという……もしかして手抜き?(~_~;)。

ただ実態としては、社内に校閲部を持つような出版社は少数で、外部の校閲者に発注したり、小さなところなら社内の編集者が兼ねる。
新聞系の雑誌では、記者がそのまま編集者のケースが多いためか、勝手にいじるのが当たり前の状況だ。それは校閲じゃなくて、自分の好きな表現に改悪しただけでしょ、というトンデモな赤が入ることもある。

私も校閲には泣かされてきた。誤字の指摘はともかく、こんなところまで指摘するかのよという悲鳴。でも、どうやらアチラの言い分が正しいと気づいたときの悔しさ。。。。
それにはインターネットが普及して、事実関係の裏取りがしやすくなったことも影響しているような気がする。
  でも、相手の指摘どおりに変えるのはイヤなので、さらに別の言い方を探したりする。本筋より第三の表現を選ぶことに四苦八苦するのである……。

執筆者は、他人に自分の文章をいじられることに、生理的拒否感を持つものなのだ。 
もっとも自分の原稿となると、その厳しい目から外れるのだけど(;´д`)。イタイ指摘をされると校閲者に殺意を感じるね(´ー`)。。。ちなみに私が他人の文章をチェックする時は、ネチネチと表現をいじり倒してやるのだ。あれは、ちょっとS的快感だ(⌒ー⌒)フッ。

私も編集者(記者、ライターではない)の仕事をしていた時期もある。ほとんど新人の頃だが、そこでは校閲も手がけた。スタートは問題集だった。
小学生向きの問題集(算数とか国語だったと思う)の編集をアウトソーシングとして請け負ったのだが、その時に版元のベテラン編集者から校正記号の使い方から始まって、チェックポイントをたたき込まれた。問題文の中の漢字についても、その学年の何月に習うかを考えて使えるかどうか考えねばならない。

問題の中身も当然ながら、吟味する。問題は私がつくるのではないのだが、その問題が適切かどうかチェックするわけだ。あれは勉強になった。
その後、単行本や雑誌や新聞記事でも経験しているが、最初に仕込まれたことが非常に役立っている。

そして、校閲で見逃した誤りで引き起こされる騒動だって経験している。だから、校閲の怖さえぐさ大切さを身に沁みているのである。。。。

最大の校閲ミスは、家電の全面記事広告を手がけたときだ。私自身は校閲ではなくライターとして関わったのだが、何度もスポンサーとやり取りして、ようやくできた記事広告。スポンサーのウケもよく、仕事からの解放感と達成感に包まれたのだが……読者からの一本の電話に愕然とした。

「この商品、どこのメーカーがつくっているんですか?」

なんと記事のどこにも、スポンサーの家電メーカー名が入っていなかったのである。。。商品名と写真はここぞとばかりに強調されているのに。 どうする? 営業と相談の上、気がついていないスポンサーには、この件を黙っていることにしたのであった(^O^)。

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