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  • ヒロ
  • 2011年07月26日 10:00

闇ドルの価値が下がるとき

ギリシャ問題は一応、EUの再支援という形で目先乗り切ったようですが、ギリシャは数ある欧州の問題国の一番小さい国でした。問題発生当初誰もが「ギリシャは小さいから支援パッケージで十分ワークする」と言い切っていました。しかし、ふたを開けてみれば苦労の連続でようやく「安静状態」までもっていった状態です。

EUがシャカリキになってこの問題の火消しに走ったのはアイルランド、ポルトガルなど「次の国」と称される国々への信用不安が高まらない為の「消火活動」。それはドイツ、フランスなどの「北の大国」が南に救いの手を差し延べるアンバランスさに目を瞑った形となりました。

一方、アメリカ。議会でここまで揉めると誰が想像したでしょうか?アメリカがデフォルトの瀬戸際まで追いやられると誰が想像したでしょうか?如何にアメリカが社会的に病める構造になっているか、それを証明したのが議会での両党の激しい戦いでした。

アメリカはなんだかんだといいながらも一枚岩であり向かう方向についてはある一定のベクトルがあり、二大政党のどちらかがアクセルを踏み、どちらかがブレーキを踏む役割でした。が、今回はお互いがハンドルの奪い合いをした点で過去と相違を感じます。

アメリカは第二次世界大戦後、イギリスから経済的主導権を奪い取り約65年間走り続けています。その間、アメリカはそれなりに一流のハンドル捌きを見せつけました。が、G7からG8にそしてほとんど機能的な意味のないG20になった時点でアメリカの力が落ちたことを見せつけました。更にブッシュ(子)の圧倒的不人気政策からオバマ氏にバトンタッチした際、それまで力づくで引っ張り続けたアメリカの「独力」が「みんなで仲良く」に変わってしまいました。あの時、多くのアメリカ人はある種の「違和感」を感じたに違いありません。

その後、中国の大国化に伴いG2などとも揶揄されたものの一方ではG0とささやかれ、世界の大国は自国の問題の処理に一杯いっぱいになってしまいました。

運悪くリーマンショックが起き、アメリカは金融緩和政策を取りました。ドルの輪転機を廻し続けた結果、ドルの他通貨に対する価値は下がり続けています。僕はほとんどの新興国に潜むであろう「闇ドル」の価値が下がり続けることによる影響も無視できなくなってきていると思います。

82年にソ連とポーランドで僕がみた闇ドルは当時の地元経済を影で支えていたことをはっきりと印象付けました。ドルがないとモノが変えない時代でした。ポーランドや東ドイツでは強制両替制度もありました。地元の紙くず紙幣と米ドルを滞在期間に合わせて強制的に両替させられました。その後、闇ドルはインフレで悩むブラジルでも価値ある「本当のお金」として圧倒的存在感を示していました。メキシコでも同じでした。多分、世界中の新興国でまったく同じ現象だったと思います。

今、その米ドルは最上位格から一歩下がる可能性が出てきました。人々は今後、どのようにへそくりをためるのでしょうか?まさか、金塊というわけにもいきません。不動であるべきドル価値が行き詰るのは今起こっているアメリカの議会での揉め事からとてつもない誘発を起こす可能性があります。

仮にデフォルトを逃れたとしても米ドルの信頼は揺らいだ、といっても間違えありません。問題は世界中の人が「保険通貨」を失い困り果てることに誰も対策を取ろうとしない、いや、少なくとも権力者たちがSDRのような通貨バスケットを否定し、政治的にドル以外作り出さないことで混乱に拍車をかけるのかもしれません。

英語で「グリーンバック」と呼ぶあの緑色の紙幣はたんすの中で少しずつ減価していくのでしょうか?

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