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米FRB目標に極めて近い、早計な政策枠組み変更に反対=副議長

[ニューヨーク 17日 ロイター] - フィッシャー米連邦準備理事会(FRB)副議長は、FRBは最大雇用と2%のインフレ目標に極めて近いとし、成長押し上げに向け早計に政策の枠組みを変更すべきでないとの立場を示した。エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークでの講演で述べた。

また金利が現在の水準に長くとどまれば、米経済は将来的により長期かつ深刻なリセッション(景気後退)に見舞われるとし、低成長により景気後退時の金融政策の有効性が低減する状況に言及した。

フィッシャー副議長はインフレ目標の3%への引き上げについて問われ、「意欲的にはなれない」と答えた。

「われわれは持続可能な最大雇用および2%のインフレ目標にかなり近づいている」とし、「極めて近い状況で目標を変更することは問題だ」と述べた。

またFRBは過度な刺激を提供し、雇用目標を上回ることを目指すべきではないとの考えを示した。

前週末14日には、イエレン議長が2007─09年の金融危機による打撃を修復するには、力強い総需要と労働市場のひっ迫を伴う「高圧的な(high pressure)」経済の運営を目指すべき可能性があると指摘。長期債利回りは跳ね上がった。

インフレ目標の引き上げは米サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が今年の夏に、消費や投資を促進する手段として提唱した。

フィッシャー副議長は「極めてひどい悲観論が経済を覆えば、かなり深刻な問題だが、われわれはそのような状況にはない」と指摘。「現時点でインフレ目標の引き上げには非常に慎重」として否定的な立場を示した。

ただ、とりわけ景気後退時など、「超低金利は金融政策を一段と困難にする」とも指摘。

金利が低水準にとどまれば、量的緩和やフォワードガイダンスといった手段もあるが、「これらは標準的な金融政策の完璧な代替策ではない。低金利トレンドに起因する金融政策の限界により、経済にマイナスの衝撃が及べば、より長く深刻なリセッションを招く恐れがある」と述べた。

<利上げは「そう簡単ではない」>

ただ、中銀関係者の間では高齢化や、需要および投資の低迷が米国、ひいては世界の潜在成長率を損なっているとの見方が強まっており、FRBが利上げに踏み切ることは「そう簡単なことではない」とした。

成長の足かせの多くは人口動態といった金融政策が及ばない領域と指摘。生産性向上や投資拡大の実現は、支出を増やすことが可能な政府機関によるところが大きいと述べた。

フィッシャー副議長は現在の金融政策、または年内利上げの可能性については言及しなかった。

ただ副議長の発言は、エコノミストらが提唱する「長期停滞(secular stagnation)論」のように、長期の潜在成長率が低下していると見方がFRB内に広まっていることを示唆している。

副議長は、長期の成長トレンドが低下することで、長期のフェデラルファンド(FF)金利見通しは最大1.2%ポイント押し下げられるとの見方を示した。

人口動態トレンドや投資の停滞、海外経済の減速がさらなる下押し要因となっており、長期金利がゼロに近づくほど、将来の景気後退時の金融政策余地が狭まることになる。

*内容を追加しました。

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