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脱原発が勝った新潟県知事選挙

 新潟の知事選挙で、脱原発路線の継承を公約にした米山氏が当選した。民進党を離党しての立候補だった。形の上では共産・社民・自由の3党推薦候補が、自民・公明推薦の候補を破ったことになるが、これは政党が勝ったのではなくて「脱原発」が勝ったのだ。もし自公も脱原発だったら圧勝しただろう。

 自公政権党に知恵者がいたら、政策を「脱原発」に転換すれば、支持基盤が万全になることを悟ったに違いない。有権者としたら、原発は何としてもいやなのだ。政権党が心を入れ替えて脱原発を実行してくれるなら、その方が手っ取り早い。脱原発の1点においては民主主義が機能したことになる。

 と、ここまで書いてみたが、これは半分以上「反語」である。政権党は金脈も人脈も原子力村と密着しているから、簡単に政策を変えられるわけがないのだ。それでも原発推進への逆風が強いことを実感するのは無意味ではない。原発の新・増設や再稼働には慎重にならざるをえなくなる。つまりはその分だけ政権党は力を削がれて弱くなるので、没落に一歩近づくわけだ。

 政権党の政策が国民多数の求めるものから乖離しているときに、有力な野党があって、すばらしい対案を提示して選挙に臨んでくれたら、国民はすぐ幸せになれる。投票で政権を交代させるだけでいいからだ。ところが今はそんな野党は無いし、神通力を発揮するような政策はどこにも存在しない。ただ、このままでは未来が暗い、なんとかして打開の光がほしいという願望があるだけである。こういうときに有効なのは、今回の「脱原発」のように、一つのテーマにしぼった争点を立てることではないだろうか。中でも脱原発は、今後もわかりやすく広い支持を集められるテーマになるだろう。

 その他にどんなテーマがあるかと考えると、憲法9条を守るか守らないかという争点がある。これは法律論争になると話が長くなるので、戦争を紛争解決の手段として容認するか、しないかの単純な選択にするのがいい。つまり「敵」を射殺する武力行使を認めるか、「犯人」の無力化と逮捕を目的とする警察力の行使に止めるかということになる。そしてこれは当然、自衛隊の集団的自衛権行使や、駆けつけ警護が憲法に違反する問題に連動してくる。

 さらに最近の「生きづらさ」については、「経済成長」と「格差の是正」の、どちらを優先するかを争点にすることができる。経済優先で企業の利益を厚くしてやれば国民みんなが豊かになれるような幻想は、もうあきらめた方がいい。企業に利益が集中すれば、さらに利益を求めて海外へ出て行くだけだろう。

 結論として、上記の「脱原発」「非戦平和」「格差是正」を実現してくれるなら、誰であろうと、どこの政党であろうと国民としては歓迎していいということだ。民進党と共産党が連合を組もうが、一向に差し支えはない。いっそのこと「改心した自民党」であってもいいかもしれない。もちろんこれは半分以上冗談だが、自民党の一部からでも変化が出てきたら面白い。ただし「安倍一族」は信用できないので、万一迎合的に出てきてもお断わりである。

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