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ろくでなし子、アムネスティ講演中止騒動はなぜ起きたのか -弁明書の「FAKE」について

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差別語であると指摘されていたろくでなし子

ところが、ろくでなし子は、これを確信犯として使用してきた。この言葉を使うことに抗議が寄せられると却ってそれをこれみよがしに使うようになった。この時点で、彼女はこの言葉が差別語として疑われる表現だということをわかっていたからである。

このように先の弁明書で、ろくでなし子は「差別的な発言やそう思われるような発言すら一切したことがない」と言う。だが、これはウソだ。

イベントからさかのぼること半年前の今年の2月、インターネットのツイッター上で、ろくでなし子にこの言葉の差別性について注意した在日コリアンの方とこのような会話をしている。

ろくでなし子側にも言い分はあるようだ。

彼女は自分の祖母が韓国人・朝鮮人にありがちな名前であることから、彼女はコリアン・クォーターであり、だから、その私が使うなら問題がない・・・という理屈だ。しかし、コリアンとしてのアイデンティティをさほどもたず、実際にこれまで日本社会で日本人として生活してきた人が、今さら差別用語の免罪に血筋をいわれても、本当にそれで傷つく怒っている人にはなんの説得力もないだろう。

そしてだからこそ、ろくでなし子はいったん謝罪した。

ところが、その謝罪も特に個人的に問いかけられた人にのみ行われ、その差別用語だと抗議する人達をおちょくるツイートもまだ消去されることもなく、ネット上に残されている

このため、この発言をもって「差別用語を使って懲りない」ということになり、アムネスティに人権侵害を行う人として告発が殺到したわけである。

抗議の声にむきあわなかった、ろくでなし子

おそらく、このことはアムネスティ・インターナショナル側も抗議の内容からして知ったのであろう。ただ抗議が殺到したから云々で中止にするほど、アムネスティは初心ではないし、それらに負けることなく活動するのが彼らのポリシーだからだ。中止の判断材料となったのは、この差別用語と疑わしい言葉を使うろくでなし子について吟味した結果であろう。ほぼ間違いないと思う。

言論や表現の自由があるならば、それをまた批判したり抗議したりすることもまた言論や表現の自由である。それを本人なり、イベントの主催者がどう受け止めるかもこれまた自由である。ろくでなし子が差別者として考えるならば、アムネスティの考えと相反するので中止の決定も当然であろう。

ただし、事前通告ない中止決定などは、さすがにアムネスティ側には責められても仕方ないところがある。そして、その事情を知らない人や差別用語を言うことすら表現の自由であるとする人など、ろくでなし子のフォロワーから、今度は中止決定に対して抗議が殺到した。

その中には、かえって悪質な追及などもあり、モンスタークレーマーもどきに担当者の女性を泣かしているメディアもあった。酷い話である。ろくでなし子の支持者は、圧力によってイベントが中止になったとしたが、その中止の抗議にも圧力があったことは厳然たる事実である。もろちん、悪質なクレーマーもどきのメディアの攻撃はともかく、それが言論として成立するならば、抗議も正当である。それを吟味して主催者たるアムネスティが判断すればよい話である。そして、ろくでなし子のイベントは予定どおりに行われることになった。

だが、そもそもは「差別用語」だと抗議する人がいても挑発して使い続け、その後もその用語を放置したことから始まったのが、この一連のアムネスティのろくでなし子イベント中止騒動である。ろくでなし子がツイッター上での真摯に謝罪したうえで、回答されているように「その言葉を使う事で傷つく人がいるなら気をつけます」ということであれば、その該当のツイートを削除するなりすべきではなかったか。今回のアムネスティイベントに抗議があったのは、このような措置を怠ったままであったからではないか。これがあれば、このような事態はおこらなかったのではないか。

そればかりか、かえってこの抗議の声を、言論圧殺であるとか集団で私を追い詰めるなどという表現を使って、真摯にこの声に向き合わなかった。これが、このイベント中止騒動の本当の原因なのではないか。

「あの公開弁明書は、ウソですよね?」

以上を鑑みて、筆者はろくでなし子に取材として面会を求めた。それはまず第一に次のようなことを言いたかったからだ。

あの公開弁明書は、ウソですよね?

「差別的な発言やそう思われるような発言すら一切したことがない」というのは事実と全く違いますし、あなたも自分自身でそれがウソなのはよくわかっているのではないですか。

そもそも取材はツイッター上で、自分の結婚式に来て直接クレームをつければいいと彼女が提案してきたからだ。自分は断った。祝いの場にわざわざ出かけて、参列者もいるなかで、新婦に意見するなどという無粋な趣味はない。ましてやそのような場では時間もとれないし、対話も成り立たないだろう。余興として彼女の笑いのネタにされてるのもかなわない。ましてや、この問題は自分にとって、いたって真摯に語りたいものである。もし自分の認識が間違っているならば、キチンと見解を聞いてそれを正したいし、このような明白なウソを書いているろくでなし子の意図も知りたかった。

一時はギャランティを要求したうえで、この取材に応じる気配を示してきていたが、その後、名前とG-mailのフリーメールアドレス以外には、住所も電話番号も何も記載されていない「代理人」と称する方から断りのメールがやってきた。

ろくでなし子は、くだんのアムネスティイベントが開催されることが再決定されたあとに、次のように述べている。

とりあえず開催が決まって良かったです。わたし自身、誤解を招くような言動があったからこそ、このような事態になったのではと反省する部分もあると考えています。その誤解を解くためにも、私を批判する人たちと丁寧に語り合う機会があれば良いとずっと考えていました。

Buzz Feed

これまで、ろくでなし子の差別問題に関するスタンスに批判してきた人は自分ひとりではない。かつ、直接対話を望んた人も幾人かいるが、そのどれも実現していない。すべてろくでなし子は拒否している。あるのは、結婚式に来いだの、呑み会に来いだの、例の芸風で笑いのネタにしようとすることばかりである。

これもまた残念なことである。

筆者は直接対話の申し出を断られたため、あらためて質問書を書いて、くだんの代理人に送付し回答を求めたが返信は現在のところない。

質問書(PDF)

聞くところによると、ツイッターで、「勝手に送りつけられたアナタの感想に答える必要はない」と例の芸風で面白可笑しく取り上げているらしい。ネットのスラングには「謝ったら死ぬ病」というのもある。私はため息をつきながら、この言葉が思い浮かべるわけである。

このような事態になったのではと反省する部分もあると考えています。その誤解を解くためにも、私を批判する人たちと丁寧に語り合う機会があれば

それでも、このろくでなし子の言葉を信じつつ、私は返信を待っているところだ。いつの日にか、この問題に関する有意義でまじめな議論ができることを願っている。

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