記事
  • 2011年10月23日 09:33

華僑を使った中国文化の紹介

1 ソフトパワーの強化



 10月15日から18日まで中国共産党第17期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が開催されたおりましたが、この会議の最大の特徴は、「文化体制改革」について言及していることです。このねらいがどこにあるか、いろいろな見方がありブログ『KINBRICKS NOW』ではそれらについてまとめた記事を掲載してくれております。

 これに関連して『中国新聞網』に「侨务工作会议解读:以侨务助推中华文化走出去」(華僑事務工作会議解読:華僑をして中華文化の国外普及の手助けとさせる)という記事が掲載されており、いろいろ思うことがあったので、これについて少し。

 この工作会議は19日から20日まで開催されていたものです。6中全会で「文化体制改革」ということで、(欧米の文化に対抗できる)中国ソフトパワーの強化ということが打ち出された以上、当然の如く何かしなければということになったと考えます。

2 華僑を使った中国文化の紹介



 記事によると、海外で生活する中国人(華僑)の文化的欲求の解消を目指すために、これまでいろいろな取り組みがなされてきたことをまず紹介しております。その後でこうした取り組みは華僑に対してだけでなく、広く世界に「中国の優秀な文化」を知ってもらうことに繋がるとしています。

 最初はこのように国(官)による文化活動ですが、それだけでなく、民間活動にも言及しています。中国国務院華僑弁公室許副主任の声明を引用し以下のように述べております。
世界中に広く存在する中華街、中国料理店、中国医療診療所及び中国民族の慶賀活動は様々なレベルで中国文化を現している。

または彼(許副主任)は民間の力を用いて中国の優秀な文化を広めることが、最もダイレクトで最も自然であるということを強調している。

こうした民間の力の最も好ましい代表が世界各地にいる華僑で、海外の華僑を通して示す中国文化こそがより深い影響を与えることになる。

なぜなら彼らは今住んでいる国の文化を受け入れると同時に、もともと民族特性を有しており、中国語を自ら学ぶことを自覚しており、中国文化を継承しているからだとしております。

3 個人的感想



 さて、この記事を読んだ私の感想ですが、「華僑の皆さん大変ですね。」といったところでしょうか。どうしても海外で生活するにあたって、何国人だということは極めて重要であり、相手もそれを踏まえたつきあいとなります。

 だからこそ海外で生活すると愛国主義になる者がいるというのも頷けるわけです(反対に徹底的にその国に同化しようとする者もいます)。しかし、海外で生活する者は皆自分の都合(ビジネスや留学)で生活しているわけで、こうした「任務」を持たされたら結構たいへんでしょう。

 戦前日本でも海外留学が少なく「海外留学=エリート」であった時代は、まさに国のため、日本人の代表として海外に行った者もおりました。初めからこうした覚悟を持って、海外に行くならともかく、自分の都合で行った人に国が後からこうした「任務」を負わせるのは如何なことかと思った次第です。

 当然、「旅の恥はかき捨て」とばかりに、海外では何をやっても良いなどというつもりはありません。そのため犯罪に手を染める者は論外として、それなりのモラルを持って行動をするのは当然のことであり、これは別に国家がどうこういう以前に個人の道徳の問題です。

 今日紹介した記事は、こうしたある意味個人の内面の問題にまで国家が干渉しようとする議論のような気がして、いろいろ思うことがあったが故の今日のエントリーです。

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