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砂漠とトルコと東京ジャーミー

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親切なイスラム教

そんな説明を受けつつ、いよいよ礼拝を見学しに行ったわけですが、礼拝堂のなかは異教徒の女性でも持参したストールで頭を覆います。それで、ムスリムの男性たちが一列に並んでメッカの方向にお祈りしている様子をしばらく無言で眺めます(女性の信者は2階部分でお祈り)。

よくいわれる話ですが、「イスラム教ってお祈りの回数とか食べちゃいけないものとか細かいルールがたくさんあって厳しいんでしょ?」というイメージを我々は抱きがちです。だけど、実際に信者の人がお祈りしているところを見たら、「ちがうな、ルールがあるから逆に親切なんだ」ということがようやく私のなかで腑に落ちました。

なんというか、「何が正しいか、どうあるべきか、自分で考えなさい」って一見自立・独立しているようでカッコイイんだけど、実際はやっぱりなかなか難しいんですよね。頭のいい人とか、精神的にマッチョな人はいいかもしれないけど、少なくとも庶民的ではない。その点、「毎日こうやってお祈りするんだよ」「こういう心のあり方で人に接するんだよ」と事細かに教えてくれる宗教は、貧乏でも、頭が悪くても、心がグラグラでも、文句なしに救ってくれるので、広まるのはどっちかといったらやはり後者だと思います。実際、2100年にはイスラム教徒の数はキリスト教徒を追い越して世界最大勢力になるだろうという予測があります。2100年だと、私と、あとこのブログを読んでくれている人は年齢的にたぶん生きていないので確かめられなくて残念ですね。

こういう書き方をしてしまうと、「イスラム教やキリスト教は自立を拒んでる、思考停止の宗教だ」みたいなかんじに捉えられかねないので難しいし、事実私もつい最近まで一神教的なものに対してそういう考え方を持っていた気がします。宗教に頼るあいつらは弱いやつだとか、無宗教で自立している我々がエライとか、言葉にすると稚拙だけどそういう感覚、少なくない日本人が持っていると思います。

だけど最近は、「私は自分で考えられる頭脳と精神力がある!」なんて思い上がりもいいとこだったな、とちょっと反省しています。人間は等しくみんな弱いし、自分で考える力なんてほとんどだれも持っていません。持っている人もいるかもしれないけど、それにしたってどんぐりの背比べ程度にしか過ぎない能力だと思います。なんでそう考えるようになったのかは、いろんな宗教の研究をしていたらそう思ったんですけど、詳しい話は長くなるので今回はやめます。

まあしかし、本で何回読んでもいまいち「???」だったことが実際に見てみると「あー、なるほど」とすぐになるのだから、見学は無料だし、東京近郊にお住まいの方は一度行ってみるといいのではないでしょうか。

(※次はこれを読む)

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