- 2016年10月11日 06:00
銀座ママが忠告! 周りをカチンとさせるエリートの物言い
残念なエリートは人の負の感情を引き出す
エリートと呼ばれる社会的地位の高い方の言葉は、ときに人をイライラさせることがあります。
その原因としてまず考えたいのは、言葉を受け取る側の問題です。日本は、みんなが一緒であることを望む村社会です。そのため誰か1人が秀でたり目立ったりすると、それを引きずりおろしたいという集団心理が働きます。簡単にいえば、嫉妬心が強いのです。
画像を見る日高利美(ひだか・としみ)
銀座ルナピエーナ・オーナーママ。18歳で銀座のママになるべく働き始め、一流ビジネスマンを接客することで、マナー、気配りの大切さを学ぶ。現在は複数の会社を経営する実業家として活躍中。著書に『銀座に集う一流の午後6時からの成功仕事術』がある。
エリートの話にカチンとくるのも、根底に聞き手の嫉妬心があるからです。自分より収入が低く学歴のない方から同じ言葉を投げかけられても、それほど気にならないはずです。一方、エリートに対してはもともと嫉妬心があるだけに、ちょっとした言動が引き金になって負の感情が表に出てきてしまう。それがエリートの言葉が人をイライラさせるメカニズムです。
しかし、受け取り側の問題だからエリートは気にしないで話せばいいというのも違います。エリートが負の感情を刺激しやすいことは事実です。だからこそ話し方についても、聞き手の心情に配慮することが大切です。
人をカチンとさせるフレーズをいくつか紹介しましたが、言葉選びと同様に大切なのが話し方です。
「いまの仕事は楽しい?」
「楽しいですよ」
「そう、頑張ってね」
この会話自体に、人をイライラさせる要素はありません。ただ、ふんぞりかえってニヤニヤ笑いながら質問されたら、印象は大きく変わるはずです。
「(事務の仕事なんてつまらなさそうだけど)いまの仕事は楽しい?」
「楽しいですよ」
「そう、(せいぜい)頑張ってね」
聞き手はこのように補完して不快に感じるでしょう。姿勢や表情、声のトーンやスピードは、言葉以上に雄弁です。そこまで気を配れてこそ一流なのです。
感じるままに話しては一流にあらず
聞き手を不快にさせるか、させないか。それを分けるのは、相手の気持ちになって発言しているかどうかです。
私の知るエリートが、海外の空港でトラブルに見舞われました。予定した便が欠航になり、荷物も行方不明になってしまったのです。他の乗客は航空会社のスタッフに怒鳴り声で詰め寄っています。しかし、彼の第一声は違いました。
「大変だね。欠航のたびにクレームの嵐だと、僕なら身が持たない。それにしっかり対応している君は素晴らしい。ところで、大変なところ申し訳ないのだけど……」
このように切り出し、スーツがないと会議に出席できないことを伝えたのです。すると、スタッフが上司にかけあってスーツ代として3万円を出してくれることに。異例の対応を引き出せたのは、知人がスタッフの気持ちになって話したからでしょう。
相手の気持ちになれば、相手を不快にさせない言葉を自然に選び、姿勢や表情も思いやりのあるものになるでしょう。頭に浮かんだことをそのまま話すのではなく、いったん相手の立場になって考える。それができるのが真のエリートではないでしょうか。
▼自分語り「オックスフォードでMBAをとりまして……」
学歴などのプロフィールは、自分から口にすると「自己評価が高い人」と反感を買う。そこで第三者から「彼はオックスフォードのMBAホルダーなんですよ」と紹介してもらえれば、嫌みではないし、謙遜もしやすい。自分から率先して周囲の人を褒めるように紹介すると、自然と自分も同じように紹介してもらえるようになる。
「仕事、楽しい? 頑張ってね」
エリートは要点を押さえて簡潔に話す人も多いが、言葉を端折りすぎると見下したニュアンスに受け取られてしまう危険がある。誤解を招かないためには「いつもいきいきしているね。仕事は楽しい?」など、言葉を補って真意を伝える。また好意をもって応援していることを、言葉だけでなく態度でも示す。
「この間、○○さんと仕事したんだけど……」
影響力が大きい人物とのつながりを軽々しく口にする人は、信用できない印象を与える。また、聞き手にとって評価が低い人脈、悪い関係にある人脈ならば、逆に自分の価値を落とすことにつながる危険性も。「○○さんって知ってる?」と人脈を尋ねる質問も、相手に警戒心を抱かせるため、しないほうが無難。
「私なんて全然稼いでないですよ」
聞き手に「絶対、そんなこと思ってないでしょ!」と感じさせた時点でアウト。エリートの集まりでは、お互いが相手の活躍や会社の業績などを事前にリサーチしていることを忘れないで。謙遜しすぎるよりは、自分の頑張りぶりをポロッと口にしてしまうくらいのほうがかわいげがあり、話も弾みやすい。
「ネクタイは○○(ブランド名)しか締めない」
一流の人は、身につけるものや口にするものにもこだわりがあるもの。それ自体は素晴らしいことだが、「○○しか認めない」という言い方は、他のものを貶めているように響き、気持ちのいいものではない。「こういう経験をして○○を好むようになった」と、理由を素直に語ったほうが受け入れられやすい。
「日本人ってなんで足を引っ張り合うんでしょうね?」
「アメリカでは~、ヨーロッパでは~」と前置きして、「日本は○○だからダメだ」と落とす論調が通じる相手かどうかを見極めて。言いすぎると「おまえも日本人だろう!」と思われるだけ。「 日本って○○なところもありますよね。 でも、いいところもありますよね」など、単なるダメ出しととられない言い方を心がけて。
「その発言の意味は○○で××な心理によるものだよね」
エリートは頭のいい人が多いため、すぐに人の発言を整理して型にはめたがる傾向がある。本人は親切のつもりかもしれないが、分析しすぎると「あなたに私の何がわかるのか」という気持ちにさせてしまう。また理詰めすぎる話し方は支配的な印象を与え、聞き手は追い込まれた気持ちになるため注意を。
そのほかにも…
▼うんちく系知識を自慢したい気持ちは見透かされる。許されるのは、相手がその情報を欲しているときだけ。それ以外は「いい加減にしてくれよ」と思われると心得て。
▼早口でまくし立てる本人は楽しいかもしれないが、自分の話しかしていない状態では、コミュニケーションとして成立しない。少なくとも、聞き手が相づちを打てる間をつくって。
▼専門用語を多用一流の人は、相手が知らないという前提でわかりやすく話す。その姿勢が見えると、聞き手も知らないことは知らないと言いやすく、会話がスムーズに進む。
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