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プレイステーションVR、自宅での利用には最適―製品レビュー

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ヘッドセットの装着感

 PSVRのヘッドセットを装着しても違和感がないよう、ソニーはいくつかの工夫をほどこしている。重さはオキュラス・リフトとほぼ同じだが、頭に固定させる方法の違いからか筆者はPSVRの方が軽く感じられた。ヘッドセットの端の部分は通気性がありながらも光を遮断するようにデザインされているが、中には少し明かりを感じられるという人がいるかもしれない。筆者は45分にわたってヘッドセットを装着していたが、レンズが曇ることも、暑いと感じることもなかった。ソニーは12歳以下の子供にはヘッドセットの利用を推奨していないが、これは頭が小さい子供にとってレンズの部分が離れすぎているからだ。また、PSVRは1時間の利用ごとに15分の休憩を挟むことが推奨されている。

プレイステーションVRのヘッドセット
プレイステーションVRのヘッドセット
Photo: Emily Prapuolenis/The Wall Street Journal


 ヘッドセットの中は、角度が100度くらいの視界が広がる。ヘッドセットを付けているのをぎりぎり忘れない程度の視野の広さだ。PSVRのディスプレーの解像度は2メガピクセルを上回り、各ピクセルが3つの「サブピクセル」を含んでいる。このディスプレーとレンズのおかげで、他社の競合製品と比べてもスクリーンを見ているような感覚が少ないように感じられた。ディスプレーのリフレッシュレートはとても高く、最大120ヘルツ。動きながら使用をしていても、オキュラス・リフトほど酔うような感覚はなかった。

 PSVRのオーディオも仮想現実に没頭できるように大きな役割を果たしている。音によって仮想現実内の自分の位置を体感できるような工夫もあった。例えば20分の映画「アリュメット(原題)」を視聴した際に何か音が聞こえたので頭をそちらに向けてみたら、隠れキャラを発見することができた。ちなみにこの「アリュメット」は、筆者がVRで初めて涙ぐんだ作品となった。

 プレイステーション4の他のゲームがそうであるように、VR向けのソフトを開発する会社もどのようにこの技術を応用するかは自由に判断を任せられている。しかし、それは混乱を招くこともある。VRの中では無限とも言えるほどの方法で仮想現実や3次元の世界を操作できる。さらに通常のゲームのコンローラーを使ったり、モーションコントローラーを使用する場合もあるからだ。例えば「バットマン:アーカムVR」内の洞窟を移動したい場合は、実際のバットマンのように腰に装着したかぎフックを前方に放つ動作が必要だった。ありがたいことに多くのタイトルが画面上で操作方法を表示してくれるので、コントローラーのボタンの位置をすべて覚える必要はなかったが。

プレイステーションVRと競合他社の製品の比較
プレイステーションVRと競合他社の製品の比較
From left: Sony Computer Entertainment Inc.; Oculus VR; HTC


2人以上で楽しみたい場合

 VRを楽しむ時の問題は、ヘッドセットを装着したプレーヤーが盛り上がっていても横にいる友人は何が起きているのか全く分からないという点だ。しかしソニーはこの点についていくつか対策を講じてある。ヘッドセットを2つ購入しなくてもPSVRには「ソーシャルスクリーン」と呼ばれるオプションがあり、ヘッドセットの中の映像をテレビに映し出して友人に見せることができる。

 筆者は昼食をとりながら前出のジャイルズ記者と「バットマン:アーカムVR」で遊んだ。悪役ペンギンの子分を時間内に倒せなかったのでからかわれたりもしたが、2人で交互にヘッドセットを使っても、特に不自由を感じなかった。競合他社のヘッドセットとは違い、PSVRは個人の頭の大きさごとに調整が必要なパーツがない。PSVRは頭の大きさや鼻の位置にも影響されることなくすっぽりとはまり、ひとつのノブを操作するだけでユーザーに密着させることができる。

映画「アリュメット」
映画「アリュメット」
Photo: Penrose Studios


 今回は試すことができなかったが、ソニーはヘッドセットを使っているプレーヤーと装着していないプレーヤーが同時に楽しめるようなゲームも準備しているという。例えば「キープ・トーキング・アンド・ノーバディ・エクスプローズ(原題)」と呼ばれるソフトは、ヘッドセットを着用したプレーヤーがVR内の個室で時限爆弾を抱えた状態で始まる。周りにいる人がテレビに映るヒントを読み解いて声で指示を出し、プレーヤーが起爆装置を解除するという内容だ。

 今週、フェイスブックはオキュラス・リフトに関して新たな発表を行うという。同製品がより魅力的な構成になる可能性もあるだろう。しかしソニーにはリビングで楽しめる技術を数十年にわたって開発してきた強みがある。オキュラス・リフトは、いわば近所の友人に買ってもらって自分もたまに遊ばせてほしくなる製品だ。実際に自分で購入して使い続けるとなると、選ぶのはPSVRだろう。

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