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ディベートなど

 石破 茂 です。
 平成28年度補正予算案が衆議院において可決され、現在参議院において審議されています。
 衆議院予算委員会で久しぶりに委員席から質疑を聴いていたのですが、最後まであまり議論が噛みあわず、やや残念な質疑に終始したような印象でした。
 答弁する政府側としては、質問者が何人も立って、論点が散らばり多岐にわたり、「時間がないので次の質問に移ります」と言ってくれるほど楽なことはありません。「テレビ中継があるのだから」という理由で多くの質問者を立てても、政府側を追及する効果は皆無に等しいのです。

 自民党が野党時代の平成22年12月、ディベート学の権威である北岡俊明氏を党本部にお招きして「ディベート講座」を開催し、良い質問・駄目な質問、良い答弁・駄目な答弁を直近の実例を挙げて検証し、実際のディベートも行うなど、相当に突っ込んで学んだものでした。日本では法廷でのやり取り以外は基本的にディベートの習慣が無く、その技術も未発達であり、さればこそ国会の論戦も観ていてもなかなか国民の理解が深まらないのだということを強く認識させられました。
 「してもしなくてもよい無意味な質問はするな」「言論の闘いの場においてはなるべくパネルを使うな」「あ~、え~、などと言うな」「…と思います、は禁句。断定的に自己の見解を述べよ」…等々、技術的な学びも数多くあり、その後の貴重な糧とさせて頂いているのですが、最も印象深かったのは「ディベートの最大の効用は万巻の書を読まざるを得ないということである。ディベートとは読書の戦いであると言ってもいい。大量の本を読まないと他のディペーターに徹底的に論破される」との教えでした。
 「話の引き出し」を多く持っていることは攻守どちらにおいても必要なことですが、そのためには時間を見つけては可能な限りの本や論説を読まねばなりません。私の時間管理が下手な所為か、時間はいくらあっても足らず、送られてきた今週だけでも十数冊の本や論壇誌を前にただ呆然とするばかりですが、何とか数冊でも読みこなさなくてはと思っています。「本ばかり読んでいないでもっと酒を飲み、メシを食い、付き合いの幅を拡げるべきだ」とのご指摘をしばしば頂くのですが、こればかりはスタイルなので致し方ありません。
 ディベートの技術を磨く、ということは答弁する側に立った場合にも重要なことです。その場を切り抜けさえすればよい、とか相手を揶揄すればよい、というものではなく、国民が納得する議論を展開することで初めて理解は深まるのであり、むしろその責任は政府・与党側こそ重いというべきなのでしょう。

 一部で解散が取り沙汰されています。解散は総理の専権事項であり、我々がとやかく言うべきものではありませんが、「何を問うのか」を明確にしなければならないと個人的には考えています。
 7月の参議院選挙では所謂アベノミクスの是非を問うということだったのですが、時期の如何はともかくとして、総選挙において国民にいったい何を問おうとするのか。
 改憲を問う、というのならば、現在の自民党の憲法改正草案について自民党公認候補者たる前職・新人が、防衛軍の創設や基本的人権の保障など主要な論点について正確に理解した上で、選挙において必ずその必要性を訴えるようにしなくてはなりませんし、そうでなければ主権者である国民に対して不誠実になってしまいます。
 あくまで報道ベースで、仮に年末や年始の選挙だとすれば、予算編成や税制改正などに忙殺される中となりますが、なんとしても時間を捻出してきちんと学習すべきです。公約に書いてあるから、ということで国民の理解を得たなどと強弁することは、厳に慎むべきものと考えます。憲法改正は私が議員でいる間に成し遂げたいことの最大のものですが、そうであるだけにこの思いは強いのです。

 雑誌「Voice」の11月号所載の陸・海・空元幕僚長座談会「武器さえ持てない自衛隊」は極めて説得力のあるものです。問われているのはまさしく我々政治の覚悟と決断なのであり、それなくして自衛官の悲痛な叫びや、昼夜を分かたぬ献身に応えることは出来ません。是非ご一読をお願いいたします。

 週末は、9日日曜日が「とっとりバーガーフェスタ2016 第6回全国ご当地バーガーグランプリ」で挨拶と地元FMラジオ出演(正午・大山博労座特設会場・西伯郡大山町)。
 第10回親父モデラーズ作品展示会(午後3時・ごうぎんギャラリー・鳥取市栄町)、自民党鳥取県連常任総務会(午後4時・白兎会館)、「外国人記者は見た!」出演(午後10時・BS―TBS・収録)。
 10日月曜日・祝日は東京鳥取県人会(正午・都市センターホテル)、文化庁京都市移転関係者との夕食懇談会(午後6時・京都市内)という日程です。

 皆様、ご健勝にてお過ごしくださいませ。

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