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オプジーボ 今までのルール無視の厚労省 詰めは甘いが

一昨日iRONNAに記事(「奇跡のがん治療薬」オプジーボに立ちはだかる5つの現実)が載りましたが、またオプジーボ、PD−1の話をします。

まず巷にニュースになっている値下げの話。(医療費負担上限、高齢者も現役並みに がん治療薬「オプジーボ」引き下げも要求 4日の財政審で財務省提示

まあこれも今までの中医協ルールからは外れています。それこそ小野薬品としては後一年今の値段で売れると考えていたのですからたまったものではないでしょう。この薬の販促の為に人もいっぱい雇いましたし、どうしてくれるんだという気持ちはあると思います。株価大丈夫かな。

そしてもう一つはしっかりしたところや特別な医師がいないと使えなくなりそうです。(小野薬品工業によるオプジーボの適正使用の推進

>オプジーボによるGrade2の間質性肺疾患から回復した場合の再投与は、本邦では有効性、安全性のデータが限られていることから行わない
 オプジーボによるGrade3以上の間質性肺疾患が生じた場合、オプジーボの再投与は行わない

一度でも副作用が出た場合の再投与禁止です。今までは注意しながら投与という文言で医師に判断が任されていましたがはっきりと禁止になっています。ただ現場は大変でしょう。それこそせっかく反応が出ていたのに、辞めた後悪くなっても再投与できないのですから。患者とのトラブル必至です。かといって再投与で命を落とすとまたそれはそれで大変ですが。

>膠原病内科、消化器内科、代謝・内分泌内科、神経内科などの専門医との協力体制を準備する

以前書いたように究極の自己免疫誘導薬ですので(癌免疫治療 PD−1 究極の自己免疫誘導療法)、副作用が多彩です。だからこそいざ出た時に全身が診れる医師でないと患者さんのコントロールが大変難しくなります。本当重症の膠原病みたいなものですから。メラノーマ治療のとき皮膚科の先生頑張ってました。それこそヤーボイも同じくらい大変ですがメラノーマ患者数の関係で投与例が少ないため、それほど目立っていませんでした。今後は肺がん、腎癌、ホジキン含め、どんどん拡大していきそうですから、その分副作用患者も多くなります。ちなみにリンパ腫、骨髄腫、胃がんなんかも承認待ちです。まだまだ適応は増えます。

そして場所と人の指定です。
>1)施設要件
以下の(1)~(5)の要件を全て満たす施設とする。
(1)次に示す1~3のいずれかの要件を満たす施設 1 日本呼吸器学会の専門医が当該診療科に在籍している施設
 2 日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医が当該診療科に在籍している施設
 3 がん診療連携拠点病院
  注1)又は特定機能病院、もしくは外来化学療法室注2)を設置している施設(2)副作用の診断や対応が当該施設の関連診療科もしくは近隣の提携施設との連携に基づいて適切に行うことができる施設(3)当該施設でCT画像検査を直ちに実施できる施設
(4)緊急時に十分な対応ができる施設(入院設備が完備しているかつ24 時間の診療が可能な施設)
(5)全例調査(使用成績調査)に協力・契約が可能な施設

肺がんですので(1)−1が出ていますが、腎癌、ホジキンが認可されれば、ここに泌尿器、血液内科医が加わりますね。でも(2)を満たすためにはステロイドやその他の免疫抑制薬を使いなれている膠原病内科が常勤でいるところでないと難しいと思いっています。いかにステロイドを含めた治療を素早く行うかが肝ですから。正直がん専門医だけでは治療ができないだろうな。
>2)医師要件(全例調査における責任医師)
以下の(1)~(5)の要件を全て満たす常勤医師とする。
(1)次に示す1~3のいずれかに該当する医師 1 日本呼吸器学会の専門医で、肺がんの診断・治療に十分な知識・経験を有する医師
 2 日本臨床腫瘍学会のがん薬物療法専門医 3 5 年以上のがん化学療法の経験があり、肺がんの診断・治療に十分な知識・経験を有する医師(2)副作用発現に対して他科と連携して適切な処置が可能な医師
(3)全例調査に理解が得られ、事前患者登録に協力可能な医師
(4)医薬情報担当者が定期的に訪問可能な医師
(5)e-Learningの受講を終えている医師

上記でも書きましたが、(1)は追加されるでしょう。絶対全身が診れる医師でないとダメですね。どちらかというと(2)を考えると膠原病内科か移植にともなうGVHD管理にも慣れている血液内科でないと実際の安全性は難しいでしょうか。また呼吸器条件に間質性肺炎の診断・治療に十分な知識・経験を有する医師を入れたほうがいいかもしれません。  まあ正直しんどい医療を行える医師でないとダメなんですよ。それが今でも少なくて困っているのに、また仕事が増えます。

それこそ、自由診療やっている民間クリニックでは絶対ダメです。彼らは悪くなったらすぐに見捨ててしまいますから。

この指定によって、がん拠点病院の負担は強くなります。ただ地域のがんセンターなどはがん以外の診療を扱う部署が今はないためよく患者が大学に送られてきたことを考えると、それこそ再編成が必要でしょう。心臓、膠原病などの医師が常勤で必要になります。薬のために病院の改革が必要になります。

まあ厚労省の前例を無視した珍しいやっつけ仕事です。でも前例がないと動かなかった厚労省が、今回この取り組みを行ったことはある意味対医療費本気なんでしょう。ただ現場を知らないからしょうがないんですが、今後のことを考えるとやはり詰めが甘い。
それでも患者さんの安全のためにしっかり動いたことは評価していいでしょう。

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