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「100年かかるジャーナリズムの壮大な実験」ビデオニュース・ドットコム・神保哲生代表インタビュー

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「公共的なジャーナリズム」に共感する人を徐々に増やしていく

ー東日本大震災が起きた2011年から12年にかけて、原発事故の報道などを通じて既存メディアへの不信感が一気に大きくなり、その一方でニコニコ生放送やIWJなどインターネット発の新しいメディアへの期待が高まった時期があったと思います。ビデオニュース・ドットコムも震災や原発について積極的に報道していたので、有料会員が大きく増えたのではないかと思いますが、どうですか?

神保:実を言うと、そうでもないんですね。外からどう見えているかは分かりませんが、われわれとしては、時流に積極的に乗っていく路線を取ろうとは考えていないんですよ。

たしかに、そのときどきで話題性のあるテーマをやったり、話題性のある人を呼ぶと、一時的に会員は増えます。でも、そこで会員になった人の多くは話題性につられてきた人なんですね。だから、翌週のテーマにも興味を持ってくれるとは限らない。そういう人たちを会員にとどめておきたければ、誰もが興味を持ちそうな話題性のあるテーマを毎週やらないとならなくなる。それではテレビと変わらなくなってしまいます。

ビデオニュース・ドットコムの編集基準は基本的に、「古き良き時代のジャーナリズム」路線です。伝統的なジャーナリズムが大切にしてきたニュース性と公共性を追求しながら、しっかりとした調査報道を行うことで、「これは毎週見ておいた方がいいぞ」と思って会員になってくれる人を、一人でも増やしていきたいと思います。

■プロフィール

(じんぼう・てつお)
ジャーナリスト。日本ビデオニュース株式会社代表取締役。インターネット放送局『ビデオニュース・ドットコム』代表・編集主幹。

1961年、東京生まれ。15歳で渡米。コロンビア大学1年終了後、一時帰国し1985年、ICU('国際基督教大学)卒。その後、コロンビア大学に復学し、1987年、コロンビア大学ジャーナリズム大学院修士課程修了。

米の有力紙クリスチャン・サイエンスモニター紙(ボストン)記者、AP通信(ニューヨーク)記者、カナダの有力紙グローブ・アンド・メール東京特派員を経て、1996年、日本ビデオニュース株式会社を設立、代表取締役に就任。97年、放送免許を取得し、CS放送「パーフェクTV」においてCNBCビジネスニュースを放送開始。CNBCの日本法人CNBCジャパンの取締役に就任。99年、CNBCの日本経済新聞との合併(現日経CNBC)を機にCNBCの経営から離れ、ニュース専門インターネット放送局「ビデオニュース・ドットコム」を立ち上げ、編集主幹に就任、現在に至る。

その間、2003年~09年、立命館大学産業社会学部教授、05年~12年、早稲田大学大学院ジャーナリズム学科客員教授などを兼務。 主要な取材テーマは地球環境、平和構築、メディア倫理など。

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