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「尖閣衝突の船長に起訴議決」の記事を読んで

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 BLOGOSで、昨年9月の尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件で、中国人船長が強制起訴されることになったとの記事を読んだ。
 この記事中で2人のBLOGOS参加ブロガーの意見が紹介されているが、その内容が解せない(以下、引用文注の太字は全て引用者による)。
 今回の事件にBLOGOSの参加ブロガーからも意見が寄せられている。まず、元公務員で尖閣問題のエキスパートである「あさってのジョー」氏は、「検察審査会二度目の起訴相当」という記事で、こう書いている。
「このまま行くと強制起訴の可能性が高いのですが、また超法規的措置の可能性もあります」

と、これまでも中国に対して弱腰だった民主党政権の動きに注目している。

 強制起訴の「可能性が高い」とはどういうことだろうか。検察審査会の2度目の起訴議決に対しては、被疑者死亡や刑の廃止などを除き、強制起訴以外の選択肢は存在しない。
 この強制起訴は、検察審査会からの議決書謄本の送付に基づき、裁判所が指定する弁護士によって行われるもので、検察庁すなわち行政府が関与する余地はない。
 検察審査会法をご覧いただきたい。
第四十一条の六  検察審査会は、第四十一条の二の規定による審査〔引用者注・一度目の起訴相当議決に対して検察庁が再び不起訴処分とした場合の審査〕を行つた場合において、起訴を相当と認めるときは、第三十九条の五第一項第一号の規定にかかわらず、起訴をすべき旨の議決(以下「起訴議決」という。)をするものとする。起訴議決をするには、第二十七条の規定にかかわらず、検察審査員八人以上の多数によらなければならない。
〔○2、○3略〕

第四十一条の七  検察審査会は、起訴議決をしたときは、議決書に、その認定した犯罪事実を記載しなければならない。この場合において、検察審査会は、できる限り日時、場所及び方法をもつて犯罪を構成する事実を特定しなければならない。
〔○2略〕
○3  検察審査会は、第一項の議決書を作成したときは、第四十条に規定する措置をとるほか、その議決書の謄本を当該検察審査会の所在地を管轄する地方裁判所に送付しなければならない。ただし、適当と認めるときは、起訴議決に係る事件の犯罪地又は被疑者の住所、居所若しくは現在地を管轄するその他の地方裁判所に送付することができる。

第四十一条の九  第四十一条の七第三項の規定による議決書の謄本の送付があつたときは、裁判所は、起訴議決に係る事件について公訴の提起及びその維持に当たる者を弁護士の中から指定しなければならない。
〔○2略〕
○3  指定弁護士(第一項の指定を受けた弁護士及び第四十一条の十一第二項の指定を受けた弁護士をいう。以下同じ。)は、起訴議決に係る事件について、次条の規定により公訴を提起し、及びその公訴の維持をするため、検察官の職務を行う。ただし、検察事務官及び司法警察職員に対する捜査の指揮は、検察官に嘱託してこれをしなければならない。

〔○4、○5、○6略〕

第四十一条の十  指定弁護士は、速やかに、起訴議決に係る事件について公訴を提起しなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一  被疑者が死亡し、又は被疑者たる法人が存続しなくなつたとき。
二  当該事件について、既に公訴が提起されその被告事件が裁判所に係属するとき、確定判決(刑事訴訟法第三百二十九条 及び第三百三十八条 の判決を除く。)を経たとき、刑が廃止されたとき又はその罪について大赦があつたとき。
三  起訴議決後に生じた事由により、当該事件について公訴を提起したときは刑事訴訟法第三百三十七条第四号 又は第三百三十八条第一号 若しくは第四号 に掲げる場合に該当することとなることが明らかであるとき。
〔○2、○3略〕
 そして、「また超法規的措置の可能性もあ」るとはどういうことだろうか。この事件についてはこれまでにも「超法規的措置」がとられたと、この「あさってのジョー」氏は考えているのだろうか。

 容疑者の釈放や不起訴処分は検察官の判断で行うことが法令上当然認められており、那覇地検の措置は「超法規的」でも何でもない。

 それに、仮にこの強制起訴が「超法規的措置」によってつぶされるとすれば、それは裁判所、すなわち司法機関の手によって行われるということになり、そんな事態は考えられない。

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