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- 2016年09月30日 21:15
木材自給率は33,3%に
林野庁が、「平成27年木材需給表」を発表している。
かいつまんで紹介すると、総需要量は7530万立方メートル(丸太換算)で前年比0,7%減少し、国内生産量は2505万8000立方メートルと6,0%増加。 輸入量は5024万2000立方メートルで3,7%減少。 結果として木材自給率は、33,3%と前年から2,1ポイントも上昇した。
ただ内訳を見ると、燃料用が116万2000立方メートル(前年比39,5%増)、加えてしいたけ原木も多少増加したものの、用材が166万4000立方メートルと2,3%減少している。
さらに用材の内訳は、製材用が57万4000立方メートル(マイナス4,1%)、合板用が141万4000立方メートル(マイナス18,1%)と、主要用途が大きく減少している。
増えたのはパルプ・チップ用だけ(19万5000立方メートル)、それも0,7%にすぎない。
正直、こんな数字を追いかけても全然楽しくない。
大雑把に言って、たった1年で2,1%も木材自給率を上げたと自慢したいところだが、総需要と輸入が減ったところに、燃料とパルプ・チップばかりが増えて見かけの数字を底上げしただけだ。もともと昨年から燃料用木材をカウントし始めたから、自給率も上がったように見えるのである。
バイオマス用は、FITの嵩上げ価格分を加えても価格が安いから、林業総収入で見たら落ちているだろう。相変わらず、質より量である。 つまり林業の衰退は、止まっていない。それどころか悪化しているのではないか。
それに、昨年度の統計数字には現れていないが、来年当たりから大規模バイオマス発電所が次々と稼働する。そこで燃やされるのは、国産材よりヤシ殻、ヤシ油搾りかすなど燃料用バイオマスが多くなると想像する。これらは農業廃棄物扱いだが、日本の林業に寄与しないだろう。
一方、国産の未利用材・間伐材も昨年より発電用に消費され始めたが、数年後に搬出できる分は底をつくだろう。すると生産量が落ち込むはずだ。木材自給率に影響するのではないか。
2~3年後には、木材自給率は落ち出す可能性がある。
林野庁はあわてて、燃料用木材を自給率計算から外すかもしれない。
そろそろ自給率という数字で林業を計るのは無意味になる。
むしろ戸別林業収入とか、ヘクタール当たり林業収入といった指標を用意したらどうだろう。
林業総収入を、林業家数で割る、もしくは人工林面積で割ることで計算するのだ。
(もっとも、林業総収入自体をちゃんと把握できるのかが問題だ。一方で補助金充当額も出してほしい。)
そんなことしたら産業として壊滅的な状況……何百ヘクタールの山林を持っていても、収入は年間数十万円とか、収入の7割が補助金絡みだとか……が浮き彫りになるから嫌がるだろうな。。。
ところで、バイオマス発電所の燃料の正体を改めて知りたい。未利用材だけで発電すると打ち上げて建設したものの、全然木が集まらない。そこでリサイクル木材(産業廃棄物)を混ぜているという噂が飛び交っているからだ。
情報求む。



