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南スーダンで試される自衛隊と憲法

南スーダンという地名が、年内にも最大の話題となって日本を揺るがすかもしれない。当ブログでもこの20日に「自衛隊員最初の戦死は南スーダンか」と書いたところだが、引くに引けない状況の中で、増援か交代かで派遣される自衛隊員の今後が心配になる。

 自衛隊の派遣はPKO協力法(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律)によって行われた。この法律には、制定時以来の「PKO5原則」がある。

(1)紛争当事者間で停戦合意が成立していること

(2)当該地域の属する国を含む紛争当事者がPKOおよび日本の参加に同意していること 

(3)中立的立場を厳守すること

(4)上記の基本方針のいずれかが満たされない場合には部隊を撤収できること

(5)武器の使用は要員の生命等の防護のために必要な最小限のものに限られること

 ところが南スーダンの現状は、臨時政府と対立する勢力が、首都圏で銃撃戦を展開するなど、とても落ち着いた状況とは言えないらしい。しかし安倍首相は昨日の国会でも「現地の状況は落ち着いている」との認識を変えなかった。今のPKOは現地住民の保護を第一の目的としている。派遣する部隊には、時には政府軍と対立しても住民の保護を期待しているとのことだ。日本の5原則のような「きれいごと」では済まなくなっているのだが、政府はつじつま合わせの強弁をして切り抜けている。

 その一方で安保法制により、政府は自衛隊の行動範囲を拡大した状態で、南スーダン派遣を継続しようとしている。もし現地での紛争が悪化しても、保護すべき現地住民を置き去りにしての撤退は、国際世論の手前もあって非常に難しいだろう。そしてすべての難しい判断が、現場指揮官と隊員に押し付けられてしまう可能性がある。

 この問題については、下記の記事が絶好の参考になる。やや長いけれど、国際貢献とはどういうことか、世界における日本の立場はどんなものか、順序立てて理解することができるだろう。

「南スーダンの自衛隊を憂慮する皆様へ~誰が彼らを追い詰めたのか?」(伊勢崎 賢治)

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49799

伊勢崎氏の意見は、次の二つに集約される。

① 変貌したPKOに自衛隊を参加させるのだったら、9条を変える。

② 9条を変えないのなら、自衛隊は絶対にPKOに行くべきでない。

そして今、私たちに出来ることとしては、「神様に祈るしかありません」と書いている。

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