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水害被災地に「拷問部隊」を送り込んだ金正恩氏の狙い

金正恩氏

台風10号(ライオンロック)の影響で、深刻な水害に見舞われた地域には既に復旧部隊が派遣されている。しかし、当局の不十分な対応に憤った住民が激しい抗議をするなど、とても復旧がスムーズに進んでいるとは言いがたい。

(参考記事:「あんた達のせいで皆死んだ」住民見殺しで金正恩体制の権威失墜

それどころか、北朝鮮当局は秘密警察を派遣した。その狙いは脱北を事前に防ぐため、さらに住民たちに対する統制を強化することだった。

集団脱北で公開処刑

中朝国境地域は、もともと脱北者が多い地域であり、至る所に国境警備隊の警戒所や鉄条網などが設置されている。とくに、金正恩党委員長は、脱北者に対してを厳しく取り締まる方針を示している。

4月に中国で発生した北朝鮮レストラン従業員らの集団脱北を巡っても、公開処刑が行われたとの情報がある。

(参考記事:金正恩氏、美人ウェイトレスの集団脱北で「公開処刑」を指示か

しかし、今回の水害で脱北をブロックする設備が破壊されてしまった。北朝鮮当局は大量脱北が予想されると判断し、これを事前に防ぐために保衛部を派遣したようだ。

韓流ビデオで拷問も

保衛部は脱北阻止にかこつけて、違法携帯電話やUSBメモリなどに収められた韓流ドラマの映像ファイルに対する取り締まりを強化し、現地には殺伐とした雰囲気が漂っているとのことだ。

携帯電話の取り締まりは、内部情報の流出入を防ぐためだ。そして、国境地帯は北朝鮮のプロパガンダを骨抜きにする韓流ビデオのファイルの流入口であるだけに、普段以上に強度の高い取り締まりを行っている。

今年4月には、女子大生が韓流ドラマのファイルを保有していただけで拷問を加えられる事件が起きた。今回はそれ以上の取り締まりが行われている可能性が高い。想像しただけで背筋が寒くなる。

(参考記事:北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは…

つまり保衛部の派遣は、住民生活の平穏を取り戻すためではなく、災害を利用して住民統制をさらに強めることが狙いだったのだ。現地住民の生活を脅かす北朝鮮軍兵士の略奪行為よりも、悪質な北朝鮮当局のやり口と言わざるを得ない。

※デイリーNKジャパンからの転載

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