記事

過去最悪38億円の営業赤字! 大塚家具は本当に復活できるのか

2/2

中小型店の全国展開で大きなビジネスチャンス

――中小型店とはどのくらいのスケール感になりますか。

私どもはこれまで標準店舗は1万平方メートルを基本に考えてきたのですが、今後は3000~7000平方メートルを新たな標準店舗と考えています。この規模は今までの当社としては中型店にあたりますが、一般の家具専門店としては大型店です。このたび千葉に出したお店が約4600平方メートルなのですが、 個々の品揃えやオペレーションのやり方が新しい店舗のプロトタイプになっていくと思います。小型店については数百平方メートルから2000平方メートルあたりを考えていて、具体的にはサッポロファクトリーに出している438平方メートルのお店が出店7カ月で黒字化していますから、1つのモデルケースになるのではないでしょうか。

画像を見る

すでに地方の百貨店などからも引き合いが来ていますから、数百から1000平方メートルのお店がきちんとモデルとして確立すると、地方の都市への出店余地が広がっていくと思います。現在店舗は18店舗あります。 大阪や有明などの超大型店はプロ向けのショールームとしても重要ですから残しますが、スタンダードのお店の規模を少し縮小するという考え方です。その分出店余地が増えますから、場合によっては1つの都市でも2つ、3つ出すということができるので、おおむね中型店としては20店舗ぐらいがメドだと思っています。10店舗が既存店のスクラップ&ビルド、10店舗が新規出店という形になると思います。小型店は地方の百貨店様などとの提携店として考えているのは全国の県庁所在地すべて、大都市圏は大型店がありますから、これを除くと30店舗ぐらいです。これは大塚家具の名前は知っていても買う場がないという地方の方もいらっしゃると思いますので、大きなビジネスチャンスになると考えています。

――中型店の品揃えについてはどう考えていますか。

一般的には当社でもっとも売れている人気商品がありますから、それを核にしてその周辺のものをそろえていく、つまり、既存店の売上高の6、7割を占める商品を核にしていくと、中型店でも十分お客様の求められるものが用意できると思います。

――中型店での社員の働き方はどう変わるのでしょうか。

対面販売というのは人から商品を買っているわけです。ですからお客様から見れば、社員が生き生き仕事をしているかどうかは非常に重要なことです。大型のお店というのは組織も大きくなりますし、1人ひとりの社員が自分のお店の中での貢献を感じ取ることが難しくなるんです。しかし中小型店というのは、学校でいえば1クラスくらいの人数で、マネジメントができるわけです。そうすると、組織としてのまとまりも、1人ひとりの貢献も目に見えるようになります。4000平方メートルをワンフロアー50人ぐらいで運営すると、誰が何をしているのか感じることができるようになると思います。そうなると、今まで営業だけやっていました、受付だけやっていましたという人が、いろいろなことをやるようになる。すると、自分たちがどういう価値を生んでいるのか、どういう貢献ができているのか、どんな協力ができているのか、より感じることができるようになると思います。そこは現場の活力という意味では変わってくると思います。組織の活性化という観点からも、小さい単位で組織をつくっていくということを重視したいと思っています。

――通期でも売上高483億円、前期比約17%の減収で、約39億円の営業赤字になる見通しとなっていると思いますが、リストラについては。

2009年についてもそうだったのですが、店舗政策を進めていくと家賃は下がっていきます。リストラをするというよりも、店舗再編の中で家賃比率が下がっていきます。私たちはこれから戦艦で戦っていくのか、駆逐艦で戦っていくのかといえば、戦艦より機動性のある駆逐艦で戦っていく。無駄なフロアーであるなら家賃を払う必要はないという考え方なのです。それで自動的に家賃が減っていく、その分で出店ができる。提携店の場合は自分たちで店を持たなくてもいいわけです。今度、広島に出すお店は提携店で、店舗設備はパートナーが用意するので、固定費はかからないのです。いろいろなやり方で床に無駄なお金はかけないという発想です。

――全体的に規模を縮小するわけですから人が余ると思いますが、人のリストラについては。

千葉の出店では実は新規採用をしていません。定例の採用の中で、既存店の経営を効率化し、直間比率をあげて、間接人員を減らして数十人の人員を千葉の店舗に回しています。来年には収益はトントン、再来年以降は黒字化が見込まれます。

株主対策で倍にした配当は今後も維持

――赤字決算の中で株主配当をどう考えていますか。

これは維持していきたいと思います。09年も営業赤字でしたが中長期的な視点から配当しましたが、今期もそういう形になります。幸い剰余金も高く積みあがっていますから今後のROEのことを考えても、維持します。来期も中期計画に盛り込まれていますからやっていきたいとは思っていますが、株主総会の決議事項ですから、確定的なことではないといっておきます。

――店舗販売、法人、リユースの売上比率はどう考えていますか。

法人提携販売などは店舗売り上げの10~20%、「東京ガーデンテラス紀尾井町」のようなホテルや企業などの大口のコントラクト事業は年間で20億円ぐらいなので数パーセントですが、ホテルの建設ラッシュが続きますから今後はこうしたビジネスは伸びていくと思います。大阪には新しく大阪コントラクト営業部を立ち上げ東京と2拠点で営業しています。

画像を見る

リユースについては下取りがかなり進んできています。商品的にはソファーやダイニングセットなど。買い替えたいというニーズがあるのですが、持っているものが捨てられない。そんな潜在的な需要はけっこうあるのです。09年の家具類のリユース市場規模は416億円、2012年は515億円、2018年には789億円の規模に拡大するとの予測があります。上手に告知していけば下取りしてほしいという人はもっともっとでてくると思います。しかし修理をする拠点は東京にしかないので、東京中心にアウトレット、あるいはものによっては通常店で販売しているのですが、7月にリユースの修理の拠点を大阪にもつくりましたから、この秋にアウトレットとリユースの販売拠点を大阪に出店することにしました。さらに来年以降、下取りや買い取りを増やせるかにかかっていますが、リユースの専門店を出していきたいと思っています。またリユースがきちんとできるようになると、リースやレンタルもできるようになります。すでに法人向けのレンタルを始めています。個人向けレンタルも準備しているところです。

――企業経営では社長の考えが社員にきちんと伝わることが重要だと思うのですが、そこでの取り組みは。

きちんとメッセージを出して、少なくとも年に2回は各拠点を回って対話を持つよう心がけています。今年も6月に各店を回っています。大事なのは私がやるだけではなく全幹部がそのメッセージを伝えられることだと思うのですが、そこの部分も力を入れて研修や店舗での指導なども大事にしています。

あわせて読みたい

「大塚家具」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。