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グローバルの 裏に道あり 花の山

スターバックスがアメリカで生まれたとき、その社員教育の一つにシアトルで提供するコーヒーもフロリダで提供するコーヒーもいつでも同じ味を提供する、という強いポリシーがありました。実はスタバが大きく店舗を増やす前、そのスタイルをもっと強く推進したのがマクドナルドであります。いつでもどこでもあのMマークがあればほっとさせるコンセプトは保守的な北米の人が出張でどこに行っても決して失敗しない食の選択でありました。

バンクーバーのかつての同僚のカナダ人はランチは週に数回、マクドナルド。「なぜ?」と聞けば「どこに行ったらよいかわからないし、この価格でこの味があるなら敢えて挑戦しない」と。寿司もヌードルも「たまにはいいけれどいつもは無理」と素っ気ない返事でした。

グローバル化の第一歩は何処からスタートしたのかといえば私はアメリカのマニュアル文化ではないかと思っています。四角い形のアメリカ国土を縦横無尽に走るハイウェイ、あるいはコンベンション好きで飛行機で移動し、あちらこちらに飛び回るのはアメリカ社会そのものであります。しかし、東部と西部、南部と北部という全く違うバックグラウンドを一つの色に染め上げるためにアメリカは多大なる努力を重ねました。

法律で縛り上げるのはグローバル化を推し進める第一歩でありました。文化や社会的特性を排除し、法律という文言で裁くことに一種の快感さえ覚えたのがアメリカ社会そのものでありました。マニュアルによってアメリカ中何処でも同じものを同じようにサービスするのもその考え方の延長で「一つのアメリカ」を具現化したともいえそうです。

この「均一のアメリカ」をさらに発展させ、もっと広く、世界に繋げて行こうとしたのがグローバル化であるといってもおかしくないでしょう。戦後、アメリカから文化的影響を強く受けた日本はその受け皿として、あるいは愛弟子として見事にそれをトレースし、親子逆転といわれるほどマニュアル化を進めました。これは人から考える力を抜き取り、ヒトを作業をする機械にさせたとも言えます。

日本国内におけるグローバル化とは商店街から大規模店舗、さらにコンビニにE-Commerceといった均一化を進め、日本何処でも同じ商品が同じ価格で手軽にゲットできる戦略でありましょうか?これは例えば中国やインドなどこれからの国においても同様の進化を遂げていくのだろうと思います。

ところで私が20代の時、不動産開発事業を進めるにあたり上司の部長から「埼玉と千葉と神奈川の色の違いを述べよ」と言われ、はっとしたことがります。東京のベットタウンという意識はあったもののその土地が育む色はみな違うことを学びました。これが不動産開発に於いて地域特性を取り組んだ計画づくりの基礎となりました。

日本は細長い国だけに文化社会的背景はかなり相違します。太平洋側と日本海側でも変わりますし、港区と荒川区と中野区でも全く違います。グローバル化という聞こえの良いビジネス手法はローカルの特性を無視して大企業と経営手法、マスマーケティングの押し付けであることは否定できません。

私は地域特性を理解したうえでその場所でしか通用しないビジネスがあると確信しています。東京のど真ん中でもコンビニまで5分、近隣商店ほとんどなしというエリアはかなり存在します。周辺500メートルだけのビジネス圏で商売は成り立つか、といえば成り立たせる方法はあるはずです。押し付けのビジネスではなく、地域に溶け込む商売が今後は日本でも世界でも注目されるはずです。

そういえばビールの世界では地ビールが流行していますが、「そこにしかないもの」が逆に大きな魅力となりえる可能性すらありそうです。一部のコンビニではご当地ものを取り入れているところもあるそうです。

この発想は世界に進出する日本企業が今だからこそもう一度学ばなくてはいけない企業思想でもあります。東南アジアをひとくくり、中東をひとくくり、アフリカをひとくくりにするビジネス戦略は粗雑と言われる時代がやってくるでしょう。地域特性を重視したきめ細やかなマーケティングが今後の主流になると考えています。

では今日はこのぐらいで。

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