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国債買い入れ上下するが、「テーパリングではない」=黒田日銀総裁

[東京 21日 ロイター] - 日銀の黒田東彦総裁は、21日の金融政策決定会合後の記者会見で、金融緩和の主たる目安を従来の量から金利にシフトしたことで、これまで年間80兆円を維持してきた国債買い入れ額が「上下する」と指摘した。同時に「テーパリング(緩和縮小)ではない」とも述べ、金融緩和後退ではないかとの疑念をけん制した。

<増減することはあるが、大きく増減することはない>

日銀は20─21日の決定会合で過去3年半の大規模な金融緩和の「総括的な検証」を行い、それを踏まえて日銀がイメージするイールドカーブ(利回り曲線)を前提とした国債買い入れ策を導入した。

黒田総裁は「今のところは(年間)80兆円のペースで国債を買っているが、今のイールドカーブ(の形)は適切」と指摘し、当面国債買い入れの量は変わらないとの見方を示した。一方、国債買い入れ額は「大きく増加したり減少したりするとは見込んでいないが、(買い入れ額は)今後もずっと固定するのではなく、上下、変動する」と述べ、目標金利を実現していれば、買い入れ量は減少し得ることを説明した。

市場関係者や日銀OBの間では、金融緩和の目安を量から金利に変更すれば、必要な国債買い入れ量を相当量減らすことが可能との指摘もあった。このため会見では、テーパリング(緩和縮小)ではないかとの質問も出たが、黒田総裁は「テーパリングではない」と断言。日銀は、物価目標を達成した後にテーパリングに移行した米連邦準備理事会(FRB)とは状況が異なると説明した。

<金融機関への配慮との見方、半分当たっている>

イールドカーブ目標導入の背景は、マイナス金利導入による金融機関の収益圧迫懸念などがあるか、との質問には「半分当たっていて、半分当たっていない」と回答。マイナス金利導入で「貸出金利や社債金利の低下につながった」と成果を指摘するとともに、「イールドカーブの過度なフラット(平たん)化は広い意味で金融機能の持続性への不安感をもたらし、マインド面で悪影響がある」と、総括検証を引用する形で答えた。

<量とインフレ期待が密接にリンクしてない>

金利モードにシフトしたのは「量」の政策が手詰まりだからか、との質問に対しては「今後も量・質・金利で(追加緩和)対応できる」として否定したものの、「短期的にマネタリーベースの増加と期待インフレ率が密接にリンクしているわけでない」と指摘。未曾有の国債買い入れが、人々の物価見通しを引き上げるという所期の目的を十分には果たし得なかったことを暗に認めた。

期間10年以上の金利は景気や需給などの要因が絡んで動くため、従来中央銀行が操作することはできないとされてきた。黒田総裁は「リーマン・ショック後は各国中銀が長期国債の買い入れで長期金利を直接下げようとして、現に下げている」と指摘し、「イールドカーブ・コントロールは十分できる」と強調した。

*内容を追加しました。

(竹本能文 編集:山川薫)

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